「皮膚」と「皮下脂肪」の持つ機能・役割について考えてみる

この記事では人体に存在する組織の中でも「皮膚」「皮下脂肪」の持つ機能・役割について簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、私は専門家でもなければ医者でもありません。当記事の内容の中には私が間違って理解している部分が多々あると思われます。あくまで参考程度に留めておく事をオススメします。

記事作成日時:2020-1-5

★当記事の目次

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皮膚の構造と役割について簡単に

皮膚は「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」からなる「表皮」と、その下の「乳頭層」「乳頭下層」「網状層」からなる「真皮」、そしてその下にある脂肪を含む「皮下組織」から構成されています。皮下組織の下には筋膜及びそれに覆われた筋肉があります。

皮膚では主に表皮と真皮が接する基底層において新しい細胞が作られ、それが有棘層→顆粒層→角質層と順に上がってきます。最後の角質層はそうして作られた細胞が機能を停止し、分厚くなったもので、一番表面にある古くなった細胞から自然と剥がれ落ちます。このサイクルの事を「ターンオーバー」と呼びます。個人差は大きいですが、全ての細胞が新しくなるまでには最低でも1ヶ月程度かかると言われています。つまり強くゴシゴシと体を洗ったり、何度も顔を洗ったからと言って、すぐに肌が綺麗になる訳ではありません。毎日少しずつ表層の角質を洗い落とすだけで十分なのです。

また皮膚に触れた際の感覚を伝える神経は有棘層まで伸びており、温度、圧力、痛みなどを感知します。このため有棘層の上にある角質層や顆粒層が分厚くなるほど、皮膚に触れた際に得られる感覚は弱くなります。例えば皮膚に大きな圧力をかけ続けたり、元々新陳代謝が活発な人では、表層が分厚くなりやすいため、そうして皮膚感覚が鈍くなる事が多いです。一方、毛を作るために必要な毛母細胞が真皮の中にあり、毛を通すための穴が表皮まで到達しています。このため皮膚に触れた感覚が毛を通じて内部の神経に伝わるため、角質層が分厚くなっても、実際にはそこまで感覚が鈍くなる事はありません。

ちなみに毛細血管は真皮及びそのすぐ上にある表皮の基底層までしか到達していません。このため皮膚が傷ついて出血を起こした時には、大抵の場合で、表皮だけでなく真皮やその下の組織が傷ついている事になります。特に毛母細胞には血液を通して栄養が送られているので、無理に毛を抜くと出血を起こしたり、毛が抜ける際、基底層の下にある真皮が傷ついてしまう事があります。また例えばニキビができた時、それを潰すと傷跡として残る事がありますが、これも基底層の下にある真皮が傷ついてしまうからです。こうなると自力ではほぼ治りません。



皮膚の構造と役割についてもう少しだけ詳しく

皮膚は内部の組織を支え、その位置を安定化させる役割があります。また外界からの異物が侵入しないように防御する役割がバリア機能あり、隙間を埋めて異物をシャットアウトします。更に例え異物が侵入してきたとしても、真皮にある毛細血管からリンパ球などの免疫細胞が働き、それを無力化する事ができます。一方、異物ではない低分子のものは透過する事もでき、薬剤や化粧品などの成分を浸透させる事ができます。この他、表層の毛細血管を拡張し、血液中に含まれる水分を体の表面に「汗」として排出する事で、体温を下げる事もできます。

特に表皮は「ケラチノサイト」という細胞で作られた、繊維状の蛋白質である「ケラチン」で主に構成されています。例えば脂質すなわち油は水には溶けませんが、角質層では水分を含む細胞(機能は停止している)を脂質(セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸等が絶妙な比率で)が取り囲むような形になっており、これによって異物が入らないように隙間を埋めています。このため外部あるいは内部が乾燥した時にはそのバランスが崩れ、皮膚に隙間が空き、バリア機能が低下する事になります。

一方、異物は物質的なものだけではありません。例えば太陽光に含まれる紫外線です。特に表皮ではメラノサイトという細胞から「メラニン」という物質が作られ、これが真皮及びその奥にある細胞を紫外線から防御する機能を持っています。更に表皮では「エルゴステロール」という物質も作られています。これが紫外線に当たる事では「ビタミンD」が作られ、カルシウムの代謝を促し、骨の強度を保ちます。

また真皮にはコラーゲンやそれを支えるエラスチン、水分を保持するヒアルロン酸、及びそれを作るための細胞や、更にはアレルギー・炎症反応に関わるマスト細胞があります。マスト細胞はB細胞(リンパ球の一種)で作られた抗体が結合する事で、アレルギー・炎症反応を促す役割を持つ細胞で、これによって異物の除去を促します。ちなみに真皮には汗を分泌するエクリン腺とアポクリン腺の根本があり、体表面に水分を放出する事で体温を調節しています。



皮下脂肪の構造と役割について簡単に

脂肪の持つ意外な機能

皮下脂肪とは、皮膚の下にあり、脂肪細胞で構成された組織の事です。主な役割としては脂肪としてエネルギーを貯蔵しておく事ですが、実は脂肪には断熱効果があり、内部の温度が外に逃げないようにする役割があります。また単純にバリア機能があり、内部にある臓器を保護すると共に、外界からの異物の侵入を防ぐ役割も持っています。この他、脂肪細胞は様々なホルモンを分泌する機能が明らかになっており、エネルギー代謝を活性化させるレプチンやアディポネクチン、血圧を上昇させるアンジオテンシンなどを分泌する事ができます。


中性脂肪

よく聞く「中性脂肪」とは主に「グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリド・ジグリセリド・トリグリセリド)」の事で、脂肪酸とグリセリンが結合する事で「中性」となった脂肪の事を言います。脂肪の多くはこの中性脂肪という形で、皮下脂肪あるいは内臓脂肪に貯蔵されており、コレステロールなど他の脂質と共にリポタンパク質となって必要な組織へと運ばれ、エネルギーとして必要になった時、脂肪酸とグリセリンに分解してから利用されます。

脂肪酸はカルニチンと結合後、細胞内にあるミトコンドリア内に入ります。そしてカルニチンと離れた後に酸化(β酸化)され、代謝される事でアセチルCoAとなり、それがクエン酸回路内に入る事でATPを合成します。糖からATPを得る解糖系と比べて代謝のスピードは遅いため、作ったATPをその場ですぐに利用する事は難しいですが、最終的に得られるATPの総量は、短時間で糖を消費した際よりも多くなります。脂肪がエネルギーとして重要なのは得られるATPが多いからです。

尚、血液中の中性脂肪が多い(高脂血症)という事は、その時の食事で摂取された脂肪の量が多いか、中性脂肪の供給源となる皮下脂肪や内臓脂肪が多いという事です。一方、それだけではなく、何らかの理由で、糖を糖として、蛋白質を蛋白質として代謝できず、それを中性脂肪として利用してしまう事があります。また脂肪は主に脂肪細胞に取り込まれますが、それ以外の細胞でのエネルギー消費が上手くできなくなる事でも、中性脂肪が消費されずに増える事があります。


コレステロール

食事で摂取された脂肪は小腸内で作られるカイロミクロンに取り込まれ、全身の細胞へと運ばれます。特に肝臓に運ばれると、食事で得られたその脂肪と、糖や蛋白質、更には元々持っている皮下や内臓の脂肪を元にして、新たな中性脂肪やコレステロールなどが合成され、それが全身の細胞へと運ばれます。特にコレステロールは中性脂肪など他の脂質と共にリポタンパク質という形で運ばれます。このリポタンパク質こそが「LDLコレステロール」です。一方、細胞から肝臓に戻る場合、他の脂質と共にやはりリポタンパク質の形で運ばれます。こちらは「HDLコレステロール」と呼ばれます。

コレステロールは基本的な細胞膜の材料、カルシウムの代謝を促すビタミンDの材料、脂肪・コレステロールの消化・吸収を補助する胆汁の材料として利用される他、男性ホルモン・女性ホルモン、コルチゾールなどのホルモンの材料としても利用されます。コレステロールと聞くと悪いイメージしかありませんが、実際には人体にとって必須と言える重要なものです。一方、過剰に増えると血管内に取り込まれ、酸化して過酸化脂質となり、動脈硬化の原因になると言われています。





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