「靭帯」と「神経」の持つ機能・役割について考えてみる

この記事では人体に存在する組織の中でも「靭帯」や「神経」の持つ機能・役割について簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、私は専門家でもなければ医者でもありません。当記事の内容の中には私が間違って理解している部分が多々あると思われます。あくまで参考程度に留めておく事をオススメします。

記事作成日時:2020-1-2

★当記事の目次

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靭帯の構造と役割について簡単に

靭帯は骨の位置を安定化させる役割を持つ組織の事で、骨と骨を繋いで関節を形作っています。筋肉とは違って自分の意志で伸び縮みさせる事はできませんが、腱よりも更に硬く強靭な結合組織(コラーゲン)からできており、関節の可動域をコントロールし、過度に曲げたり伸ばしたり、あるいは曲がってはいけない、伸びてはいけない方向へ動いてしまわないように防いでいます。

しかし硬いが故に、靭帯は伸ばされるストレスが蓄積する事によって少しずつ伸ばされていき、伸びた状態が長期間続くと元に戻らなくなります。例えば長時間正座をする生活習慣を何年も続けていた場合、年月が経つほど膝の靭帯は伸ばされ、太ももの骨やスネの骨の位置が不安定になり、膝の関節が緩く(骨と骨の間隔が狭いまたは広い)なっていきます。その状態で膝を動かすと、その度に骨や靭帯、腱が擦れ合って炎症を起こし、それが蓄積すれば骨も変形していく可能性があります。年齢を重ねた人ほど膝に違和感が出やすかったり、膝以外では肩の脱臼癖や足首の捻挫癖が治りにくいのはこのためです。予防が基本(毎日の適度な運動により靭帯周囲の血流を促し、栄養をできるだけ送るよう心がける)であり、違和感に耐えられないのであれば、できるだけ早い時期に治療してしまった方が良いかもしれません。

尚、靭帯は筋肉や腱とは違って殆ど血液が通っていません。そのため自然に治る事は殆どなく、断裂や重度の損傷では基本的に手術(移植や縫合)となります。部分的な軽度の断裂では病院によっては保存療法を行う事も多いのですが、筋肉や腱と比べると非常に治りづらい上、前述のように伸ばされた状態が長期間続くと別の怪我に繋がるリスクが高まるだけです。また靭帯には実は痛みを感じる神経もありません。例えば捻挫した際の痛みはその周囲にある組織が損傷、及び炎症を起こす事によって起こる痛みです。よって例え炎症や痛みが治まったとしても、実際には靭帯が伸びたまま元に戻っていない、あるいは靭帯の損傷が治っていないなんて事が結構あり、その状態で運動をしたりする事でいわゆる「癖」に繋がります。単なる「靭帯が伸びた」「捻った」程度の捻挫でも決して甘く見るべきではありません。



神経の構造と役割について簡単に

神経は脳から発せられた命令(電気信号)を伝えるための組織の事です。脳や首〜腰の脊椎(脊髄)にかけては「中枢神経」があり、脳から送られた電気信号はまず背骨の中にある脊髄へと行き、そこを中心として各所へ枝分かれしていきます。そうして各所に枝分かれした神経の事を「末梢神経」と言います。

特に神経の元となる神経細胞の事を「ニューロン」と呼びます。ニューロンは多数の突起(「樹状突起」)を持つ「神経細胞体」と、その中心にある「核」、その細胞体から繋がる「軸索」、その先端にある「軸索終末」から構成されています。電気信号は樹状突起→細胞体→軸索という順に伝わり、最後に軸索終末から次のニューロンへと伝わります。それを逆流させる事なく繰り返す事で、指先まで電気信号を送る事ができるのです。また末梢神経はニューロンを覆う「神経線維鞘」、それを覆う「神経内膜」、それが束となった「神経周膜」で覆われた「神経線維束」、複数の神経線維束と血管をまとめて覆う「神経上膜」から構成されています。

ニューロンとニューロンの間は僅かに隙間が空いており、軸索の終末まで電気信号が来ると、その先端から神経伝達物質が分泌され、それを樹状突起にある受容器で受け取る形になっています。例えば筋肉を動かす際には「アセチルコリン」というホルモンが分泌されますが、受容器はその刺激をきっかけに外部の「ナトリウムイオン」を取り込んで電位を変化(元々は外部がプラス・内部がマイナス→外部がマイナス、内部がプラスになる。ちなみに通常内部にはカリウムイオンがあり、このカリウムが内部にあるナトリウムを排出する)させ、電位を変化させていない部分との電位差を利用して電気信号を作り出し、それを後ろへ送ります。そうして逆流する事なくニューロン内を電気信号が通ります。

一方、電気信号は脳を介さずに行う事もできます。つまり触覚をきっかけに、脊髄だけを介して電気信号を伝える仕組みもあり、そのような仕組みの事を「脊髄反射」と言います。また筋肉や腱には勢い良く伸ばされた時、反射的に縮むための感覚器がついています。それによる反射の事を「伸張反射」と言います。特に状況によっては「脳から体を動かしたのでは間に合わない」事があります。そのような場合、そうして反射を行う事で、考えるよりも前に瞬時に体を動かす事ができます。

ちなみに脳や脊髄にある中枢神経は一度損傷すると二度と元には戻りません(脳では他の正常な部分で機能を代替する事はできる)が、そこから枝分かれした末梢神経では仮に損傷しても修復する事ができます。ただしそれには「細胞体が完全に損傷していない」「損傷箇所が短い」という事が条件で、例え修復可能な末梢神経でも細胞体まで傷ついたり、損傷箇所が長い場合には自然に修復する事が厳しくなります。これは神経細胞には細胞分裂を行う能力がないからです。そのため神経が断裂した場合は基本的には手術が必要(変な場所に繋がってしまうこともあり得るため)になり、また修復を行う際にも非常に長い時間をかけ、細胞体から軸索が伸びていくのを待つ形になります。



体を動かす仕組みについて考える

脳では、その外側にあって脳全体を占める「大脳皮質(前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉等)」、その内側にあって神経細胞の密集した核のようになっている「大脳基底核」、大脳基底核を覆っている「大脳辺縁系(海馬、視床下部、扁桃体等)」、その下の脳と脊髄とを結ぶ「脳幹(中脳・延髄等)」、そしてその脳幹の後ろに「小脳」があります。特に人間の脳には「短期的・長期的に関わらず、とにかく記憶をするために働く場所」と、「生きる上で必要不可欠な、本能的な記憶をするために働く場所」があり、前者は大脳辺縁系に存在する海馬や大脳皮質が、後者には小脳と大脳基底核が関係していると言われています。

まず、海馬は新しく得られた情報を整理して短期的に記憶したり、その中でも長期的に必要な記憶を選別し、それを大脳皮質へと送る役割があると言われています。また大脳皮質は知覚(触覚、味覚、嗅覚、視覚、聴覚)から得られた情報を元に「考える」事ができる場所であり、ここで利用される頻度が増えると、長期的な記憶が可能になります。例えば何年も泳いでいなくても、ひとたびプールに入れば何故か泳ぐ事ができます。これは「泳ぐ」という記憶が長期的に行われ、それを瞬時に取り出す事ができたからです。

しかし一旦はそうして長期的に記憶したとしても、長期間その記憶を使わなければ、当然その記憶は劣化してしまいます。それが機会の少ない「泳ぐ」なら良いのですが、「歩く」なら日常生活に大きな支障を及ぼします。そこで重要になるのが小脳や大脳基底核です。この部分は「生物として本能的に行われる運動」を細かく制御し、その制御の際に得られた記憶を独自に行う役割があると言われています。これによって例えば事故などによって数ヶ月間歩く事ができなくても、過去何十年にも渡って歩いた「記憶」を元にして瞬時に体を制御し、また新たに得られた細かな制御を記憶する事で、再び歩く事ができるようになります。

ちなみに右脳は左半身、左脳は右半身を管理していますが、これは運動の命令が通る「延髄(脳の下側に位置し大脳皮質→脊髄と電気信号を送る)」の中にある「錐体(より細かな各部位の調節は錐体を通らない)」内において神経が交差しているからです。何故わざわざ交差させる必要があるのかについては様々な説がありますが、例えば魚の場合、左から来た敵から素早く右へ逃げるためには、左脳が右半身を管理していなければできませんよね。おそらくそれが元になっていると考えられます。





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