「筋肉」と「腱」の持つ機能・役割について考えてみる

この記事では人体に存在する組織の中でも「筋肉」「腱」の持つ機能・役割について簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、私は専門家でもなければ医者でもありません。当記事の内容の中には私が間違って理解している部分が多々あると思われます。あくまで参考程度に留めておく事をオススメします。

記事作成日時:2020-1-2

★当記事の目次

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腱の構造について簡単に

腕や足などに存在する筋肉はその先に「腱」と呼ばれる強固な組織があり、それが筋肉と骨とを繋いでいます。腱は筋肉のように意識的に収縮させる事はできませんが、筋肉が勢い良く収縮した時、僅かに伸ばされ、その後、僅かに縮みます。時間差で動く硬いバネのような形です。そうして骨を引っ張った際の勢いを少しだけ吸収し、それを瞬時に跳ね返す事で、「反動」による勢いを生み出します。これによって筋肉の収縮による力をスムーズに骨へと伝える事ができます。尚、硬い組織のため、摩擦を軽減する「腱鞘」に覆われています。

またそのように腱は意識的に収縮させる事ができないので、筋肉の収縮を勢い良く行った際、そのままだと引き伸ばされ、裂けてしまいます。このため筋肉と腱の移行部分には「ゴルジ腱器官」と呼ばれる感覚器が存在しており、筋肉が勢い良く収縮し、腱を引っ張った際、それを検知する機能があります。それによってバネの可動を制御すると共に、筋肉や腱が必要以上に伸ばされないように防いでいる訳です。


ちなみに腱に繋がっている筋肉の線維は、腱に向かって縦あるいは横方向に真っ直ぐ、かつ規則的に並んでいる場合と、腱に向かって斜め下方向に真っ直ぐ、かつ規則的に並んでいる場合とがあります。前者のような筋肉の事を「紡錘状筋(または平行筋)」、後者を「羽状筋」と言います。

紡錘状筋はそのように縦あるいは横に真っ直ぐ並んでいるため、その方向に動かす時にストレスをかける事で、効率良く筋肉を鍛える事ができます。例えば腕の表側の上腕二頭筋、肩の三角筋(前部と後部)、胸の大胸筋、お腹の腹直筋、背中の広背筋や僧帽筋、太ももの裏側にある大腿二頭筋などがそうです。一方、羽状筋は斜めに走っている関係上、紡錘状筋よりも筋肉の線維が密で強固な作りになっており、例えばそのような筋肉を鍛えようとする場合、大きなストレスをかける必要があると言われています。例えば太ももの表側にある大腿四頭筋、ふくらはぎの下腿三頭筋、肩の三角筋(中部)、腕の裏側にある上腕三頭筋、お尻の大臀筋などがそうです。



基本的な筋肉の構造について簡単に

腕や足などに存在する筋肉は「横紋筋」と呼ばれており、自分の意志で収縮させる事ができます。一方、内臓や血管を動かすための筋肉は「平滑筋」と呼ばれ、自分の意志では動かす事ができず、自律的に収縮します。例外として心臓の筋肉(心筋)は横紋筋ですが、自分の意志では動かす事ができず、自律的に収縮する事ができる能力を持っています。

筋肉の元になる細胞には「ミオシン」と「アクチン」という2つの種類があり、それぞれが「フィラメント(囲いのようなもの)」という線状の蛋白質を構成しています。特にアクチンフィラメントは「Z膜」という膜で区切られており、アクチンフィラメントはZ膜の両端から中央に向かって何本も平行に伸びています。その間を平行に並んでいるのがミオシンフィラメントで、2つのアクチンフィラメントに挟まれるような形で、1つのミオシンフィラメントが繋がっています。このアクチンフィラメント・ミオシンフィラメント・アクチンフィラメントという一つ一つの区切りの事を「筋節(サルコメア)」と呼びます。

「筋節」はたくさん横並びする事で「筋原線維」となり、その筋原線維が束になったものが「筋線維(筋細胞)」、その筋線維が束になったものが「筋線維束」、その筋線維束が束になる事で「筋肉」を形作っています。また「筋線維」は大きく分けて2つの種類があり、無酸素運動で利用される「速筋線維(速筋)」と、有酸素運動で利用される「遅筋線維(遅筋)」があります。特に遅筋は赤い色素を持つミオグロビン(酸素を貯蔵・運搬)を豊富に含むため「赤筋」とも呼ばれます。一方、速筋はミオグロビンの量が少ないため白く見え、「白筋」とも呼ばれます。この他、速筋線維と遅筋線維の性質を合わせ持った「中間筋」もあります。


尚、ミオシンフィラメントは2つのアクチンフィラメントの間に入り込む事ができ、それが筋肉全体で起こる事で筋肉が収縮します。またアクチンフィラメントとミオシンフィラメントには、そのように重なっている部分と重なっていない部分があります。フィラメントは規則的に並んでいるため、重なっている部分では色が濃く、逆に重なっていない部分では色が薄く見えます。つまり見た目として縞模様に見えるため、これが前述した「横紋筋」という名前の由来になっています。

また個々の筋線維は「筋鞘(きんしょう)」に、筋鞘の外側すなわち筋細胞全体は「筋内膜」に、それが束になった筋線維束全体は「筋周膜」に、それが束になった筋肉は「筋外膜」という膜に覆われています。更にその外側には「深筋膜」と「浅筋膜」があり、この内の浅筋膜が皮下脂肪及び皮膚組織(皮膚も何層もの層になっている)の下に位置しています。最近では「筋膜リリース」という言葉がありますが、おそらくこれらの膜(特に筋肉の外側に位置する膜)の事を指していると思われます。



筋肉を動かすための神経

筋肉を動かすための神経は脳→脊髄→筋肉へと繋がり、筋線維内にある筋原線維一つ一つに細かく枝分かれしています。神経の末端からは「アセチルコリン」という神経伝達物質が分泌され、それを筋鞘にある受容器で受け取ります。そしてアセチルコリンの濃度が高まると、それがスイッチとなって筋原線維を覆う「筋小胞体」と呼ばれる袋状の膜から「カルシウムイオン」が放出されます。アクチンフィラメントの周囲にはアクチンとミオシンの結合を管理する「トロポニン」や「トロポミオシン」という蛋白質があり、ここにカルシウムイオンが結合する事でトロポニンやトロポミオシンの構造が変化し、抑制がなくなってアクチンとミオシンが近づきます。これによって前述した筋節が縮み、それに伴って筋肉全体が収縮します。

一方、収縮が終わると逆にカルシウムイオンは放出され、筋肉は弛緩します。筋肉や腱が伸ばされると、線維に並んでいる「筋紡錘」や腱組織に並んでいる「腱紡錘」と呼ばれる受容器が刺激され、「筋肉や腱が伸ばされた」という事を自動検知し、それを感覚神経へと伝えます。これにより「伸ばされ過ぎないように管理(つまり筋肉や腱を勢い良く伸ばすと意識を伴わず反射的に収縮する)」する事ができ、これを「伸張反射」と言います。ちなみにカルシウムが放出される際の調節にはマグネシウムが、また収縮や弛緩の調節にはカリウムやナトリウムも必要になります。いわゆる「攣る(痙攣)」のはこういったミネラル不足が原因の一つとして考えられます。


しかしながら意外に思うかもしれませんが、筋肉そのものには「痛覚」を伝える神経はありません。つまり筋肉自体が損傷しても痛みを感じないのです。ただし筋肉を覆う筋膜やその周囲、あるいは骨を覆う骨膜には痛覚を伝える神経があるので、そこに刺激が与えられると痛みを感じる事になります。

例えば「肉離れ」のような怪我では、筋肉だけでなく周囲を覆う筋膜や、骨の周囲にある様々な組織が一緒に裂けています。また骨を引っ張る際の「腱と骨との結合部分」が傷ついたり、筋肉や腱が周囲の筋膜・皮膚・皮下脂肪・骨と擦れ合ったり、患部で炎症が起こって腫れ、周囲の神経を圧迫する事があります。実はそれによって痛みが出ているのです。これはいわゆる「筋肉痛」も同じです(筋肉痛については過去の記事へ)。





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