「血管」と「血液」の持つ機能・役割について考えてみる

この記事では人体に存在する組織の中でも「血管」と「血液」の持つ機能・役割について簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、私は専門家でもなければ医者でもありません。当記事の内容の中には私が間違って理解している部分が多々あると思われます。あくまで参考程度に留めておく事をオススメします。

記事作成日時:2019-12-31

★当記事の目次

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血管の役割について簡単に

血管は酸素を豊富に含む血液が流れる「動脈」と、二酸化炭素を豊富に含み、心臓へ戻る血液が流れる「静脈」があります。

血管は動脈も静脈も、内側から「内膜(内皮)」「中膜(平滑筋)」「外膜」という三層構造になっています。特に動脈では自律的に収縮して血液を送るための「中膜」が発達しており、内膜と中膜、及び中膜と外膜の間にはそのための「弾性組織」があります。つまり血管自体も心臓の脈動に合わせて収縮を繰り返しており、それによって末梢にある細胞への血液の供給をサポートしています。そのため加齢など何らかの原因でこの弾性が失われると、血管が固くなって末梢への血流が悪くなる上、血圧も上昇しやすくなり、心臓への負担が大きくなります。

また重要な臓器に近い太い血管では、大量の血液が流れ、血管の壁に大きな力がかかります。そのため内幕・中膜・外膜それぞれの膜が分厚くなっており、そのような血管では、中膜と外膜の間に栄養を補給するための「栄養血管」もあります。栄養血管は強い力によって血管の壁が傷ついた時、新陳代謝を促し、血管の健康を維持するために機能します。

一方、心臓から遠く、末端を繋ぐ毛細血管、例えば皮膚の近くを流れるような細い血管では、その多くが内膜のみで構成されています。特に発汗は血液中に含まれる水分を体表面に放出しますが、そのように血管の壁が薄いので、容易に血管外へ水分を放出する事ができる訳です。また皮膚は外界からの異物が侵入して来ないようにするバリア機能があります。仮に異物が侵入してきたとしても、血液中に含まれる免疫細胞がそれを無力化する事ができますが、その出入りを可能にしているのも血管の壁が薄いからです。ちなみに鼻や喉などの粘膜も同じように血管の壁が薄くなっており、水分や免疫細胞の出入りを可能にしています。

尚、血管内と血管外(細胞外及び細胞内)の水分量は常に「浸透圧」によって調節されています。浸透圧とは濃度差によって物質が移動する事を言い、濃度の低い場所から濃度の高い場所に向かって物質が流れます。例えば血管内の濃度が高い場合、血管内から血管外へは流れず、血管外から血管内に向かって物質が流れます。逆に血管内の濃度が低い場合、血管内から血管外に向かって物質が流れる事になります。つまり血管外の濃度が高い場合、血管内の物質をどんどん吸収し、上手く放出する事ができなくなります。これによって起こされるのが「浮腫(むくみ)」です。

またそうして血管外の濃度が高まると、血管外の濃度を薄めようとして、血液中の水分量を増やそうとします。更にそうして水分量を増やすと血液が薄くなるので、単純に血液自体の量を増やそうとします。その結果、血管の壁に大きな力がかかり、これによって血圧が上がるのです。当然心臓の脈動も強くなるので心臓への負担も大きくなります。特に水分はナトリウムと一緒に取り込まれ、カリウムと一緒に放出されています。ナトリウムの過剰摂取によって浮腫や高血圧が起こされるのはこれが理由です。


ちなみにアミノ酸の一種である「アルギニン」は、尿素回路においてアンモニアを分解する際、「一酸化窒素(「NO」と呼ばれている)」を作る事ができます。実はこの一酸化窒素には血管を拡張させる作用があり、これによって血管の収縮をスムーズに行い、末梢にある細胞への血流を改善する事ができると言われています。またアルギニンは血管の弾性を維持するコラーゲンの合成にも関与しており、血管の健康を維持するためになくてはならないものです。一方、一酸化窒素は免疫に関与するマクロファージが病原体を捕食する際にも作られ、増え過ぎると逆に低血圧の原因になると言われています。



血液の役割について簡単に

血液とは単純にその血管内を流れる液体の事で、酸素、栄養、水分、ホルモン、体温などを全身の細胞へと運び、逆に全身の細胞から老廃物や二酸化炭素などを、それらを処理・排出するための臓器・組織へと運ぶ役割があります。

特に血液は血球や血小板、そしてそれらを流動させるための血漿成分から構成されています。その内、血球は赤血球と白血球から構成、一方、血漿は血球のような細胞成分が含まれない液体となっており、その血漿には水分やその他の蛋白質(アルブミンやグロブリン等)・アミノ酸・糖・脂肪・無機質など様々な物質が含まれています。それぞれの役割については下記の通りです。


ちなみに「母乳」は血液から作られていますが、母乳には白血球は含まれているものの、赤血球は殆ど含まれていないため赤くなく、含まれている蛋白質や脂肪の粒子が光を乱反射する事で白く見えています。これは例えば氷は透明に見えるのに削ると白く見えるのと同じ原理です。また「涙」も血液から作られていますが、こちらは血球自体が殆ど含まれておらず、ほぼ血液中の水分だけなので透明に見えます。その他「血清」は、血液から分離された細胞成分(血餅)以外の成分(血漿には含まれている血液凝固因子が血清には含まれていない)の事であり、血清と血漿は異なるものです。



血液を構成している物質について

赤血球

赤血球は酸素や二酸化炭素を運ぶ役割を持つ細胞の事で、「ヘモグロビン」が主成分となっています。ヘモグロビンはミネラルの一種である鉄と、蛋白質の一種であるグロビンが結合したもので、酸素の多い環境では酸素と強く結びつき、二酸化炭素を放出する性質があります。また酸素の少ない環境、かつ二酸化炭素の多い環境では逆に酸素を遊離し、二酸化炭素を受け取る事ができます。これによって酸素及び二酸化炭素を効率良く循環させる事ができるのです。尚、二酸化炭素の多くは血液中の水分(血漿)に溶けるので、酸素と二酸化炭素がお互いに場所を奪い合う事はありません。

赤血球及びそれを構成するヘモグロビンは、蛋白質(アミノ酸)、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、鉄、銅、ビタミンC(植物性の非ヘム鉄を吸収しやすい形にする)などから作られます。例えば「貧血」と聞くと、鉄分を摂取すれば良いように思いますが、実はそのように鉄を摂取するだけでは赤血球を効率良く作る事ができず、貧血を改善できない事があります。また各栄養素の摂取だけではなく、そもそも「酸素が必要な状態」でなければ赤血球の合成は活性化されません。よって血液を大量に必要とする「運動」も重要です。

一方、赤血球はそのような役割から必要量が非常に多く、新陳代謝が活発です。赤血球は主に骨髄(その他では肝臓や脾臓)で作られ、常に赤血球が供給、新鮮な赤血球が維持されます。ただしその分、古くなった赤血球もたくさんでき、約4ヶ月程度で新しく入れ替わると言われています。当然不要となった赤血球は破壊され、体の外に排出する事になりますが、その残骸は大便に含まれています。実はあの大便特有の茶色は赤血球の色素成分が代謝された物質(ヘム色素は有毒なため代謝して形を変えている)であり、それだけ赤血球を毎日作って捨てているからこそ、あのような色になっているのです。


ちなみに、より多くの酸素を必要とする筋肉の細胞においては、より強く酸素と結合して酸素を貯蔵する事ができる「ミオグロビン」が酸素を運搬する役割を担っています。特に持久的な筋力を有する「遅筋線維」に多く存在し、ミオグロビンは赤色をしている事から、「赤筋」とも呼ばれます。これは赤身魚・赤身肉も同じで、酸素を必要とするような環境で生活している動物ほどミオグロビンが多くなり、それによって赤く見えます。一方、酸素を必要とせず瞬発的な筋力を発揮する「速筋」にはミオグロビンが少ないため、これによって白く見える事から「白筋」と呼ばれます。例えば白身魚は白く見えますが、これも酸素をあまり必要としないような環境で生活をしているからです。

また物質が燃焼した時、酸素が十分に存在しない場合、「一酸化炭素」が発生する事があります。火事のニュースの際に聞いた事があると思います。特に一酸化炭素は酸素よりも優先的にヘモグロビンと結合するため、これによって肺内での酸素の取り込み、及び酸素の運搬を阻害します。当然酸欠になります。



白血球

白血球には「顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)」「単球」「リンパ球」という全5種類があります。この内では好中球が全体の5〜7割を占めており、「顆粒球」という括りで言えば、全体の9割以上も占めています。いずれの白血球も特定の分子に結合・捕食し、それを無効化する機能があり、免疫機能において非常に重要な役割を果たしています。

例えば「好中球」は特に細菌を捕食して殺菌を行い、感染症を防ぐ、あるいは重症化を抑える機能があると言われています。続く「好酸球」と「好塩基球」はアレルギー反応に関与し、好酸球がヒスタミンを不活性にして反応を抑える一方、好塩基球はヒスタミンを活性化させ反応を促進させる(アナフィラキシー・蕁麻疹・気管支喘息等の原因とされる)役割があると言われています。また「単球」は「マクロファージ」や「樹状細胞」へと分化する事ができます。この内、マクロファージは異物や不要となった細胞等を捕食して消化し、他の免疫細胞へ情報を伝達する機能、樹状細胞は異物を取り込んで検知し、他の免疫細胞を活性化させる機能があると言われています。

最後に我々がよく耳にする「リンパ球」ですが、リンパ球には「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」「T細胞(ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞等)」「B細胞」という3つの種類があります。この内、「NK細胞」は特定の物質が入ってきた時に集結し、攻撃・捕食を行う機能があります。特にNK細胞は他の命令を受ける事なく、常に単独でパトロールしており、捕食後、他の免疫細胞に情報を伝達します。

そして「T細胞」は樹状細胞やマクロファージからの司令を受け、異物を感知して攻撃したり、B細胞などへ司令を送る役割があります。NK細胞と違うのは機能するためにはきっかけが必要で、単独では機能せず、他と連携しながら機能するという事です。一方、B細胞は樹状細胞やT細胞からの司令を受けて「抗体」を作る役割があります。作られた抗体は「マスト細胞」へと結合し、結合した抗体に抗原(異物の事)が結合する事で、マスト細胞内部のヒスタミンなどが放出されます。花粉症などのアレルギー反応はそうして起こります。



血小板

血小板は血管の壁に損傷ができた際に活性化し、その損傷箇所へ集まって固まる性質を持っています。これによって血管の壁に空いた穴を塞ぎ、外部への出血を抑えて「血栓」を形成します。血栓は血液中の成分(血液の凝固に関与する蛋白質:フィブリン等)を固める事で、その周囲にある血小板や赤血球などを更に一緒に取り込んで固め、血栓をより強固なものにする事ができます。それが体の外部に形成されたのがいわゆる「カサブタ」と呼ばれるものです。

また前述のように動脈のような流れが早い血管では、その壁を常に健康な状態に保っておく必要があります。そのように血小板は血管の壁を埋める機能を持っているので、動脈の血管の修復を行うために常に働いています。しかし何らかの原因でそれが過剰に起こる事もあり、それがいわゆる「動脈硬化」と呼ばれるものです。血栓は小さなものでは溶けてなくなります。しかし動脈硬化が進行すると、大きな血栓ができやすくなり、それが重要な組織にある血管を詰まらせる事があります。心筋梗塞や脳梗塞はそうして起こります。



リンパ系

前述したリンパ球が多く含まれるリンパ液(血漿成分が主)が流れる場所の事を「リンパ系」と呼びます。リンパ系は様々な組織から流れてきたリンパ液を回収して静脈へと戻したり、あるいはリンパ液が必要な場所へと集合させる役割があります。これによりリンパ液を素早く循環させるのがリンパ系の役割です。

またリンパ系は首の付け根〜脇の下〜鼠径部〜胸の奥中央と繋がっており、所々に「リンパ節」があります。リンパ節は0.2〜3cm程度の大きさで豆のような形をしていて、全身に600個程度あると言われています。更にリンパ節は「リンパ洞」と「リンパ小節」から構成されており、その内、特にリンパ小節においてリンパ球を増やしています。その他、リンパ系にはリンパ節以外のリンパ組織も含まれており、例えば扁桃腺、脾臓、骨髄、心臓の前にある胸腺、虫垂なんかもリンパ系に含まれます。

尚、リンパ節がある場所には大抵複数のリンパ節が集合しています。リンパ節が集合している場所を挙げると、例えば耳の後ろや下付近、後頭部の頭の付け根付近、顎の付け根付近、左鎖骨の上部、脇の下、股関節の付け根付近などが挙げられます。またリンパ節は腸や気管支など様々な場所に存在しており、異物から体を守っています。





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