「膵臓」の持つ機能・役割について考えてみる

この記事では人体の臓器の中でも「膵臓」の持つ機能・役割について簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、私は専門家でもなければ医者でもありません。当記事の内容の中には私が間違って理解している部分が多々あると思われます。あくまで参考程度に留めておく事をオススメします。

記事作成日時:2019-12-27

★当記事の目次

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膵臓の役割はインスリンの分泌だけではない

膵臓は胃のちょうど後ろ側にある小さく薄い臓器で、特にインスリンを分泌する機能がある事で知られています。インスリンは人体では唯一血糖値を下げる働きを持つホルモンであり、糖を細胞内へ取り込ませたり、糖をまとめてグリコーゲンに合成するなどの役割があります。糖は代謝する事でATP(アデノシン三リン酸)を作る事ができ、これがあらゆる細胞の活動エネルギーになっています。そのためインスリンを分泌させる膵臓がなければ、細胞は正常にエネルギーを受け取る事ができず、活動ができなくなってしまいます。非常に重要な臓器と言えるでしょう。

一方、膵臓の役割はインスリンを分泌する事だけではありません。メディアでインスリンばかり取り上げられるため、インスリン以外の機能についてはあまり認知されていないのですが、実は膵臓はインスリン以外にも様々な機能を持っています。

まず膵臓は「グルカゴン」というホルモンを分泌しています。これはインスリンとは逆に血糖値を上げる働きを持っており、インスリンの過剰分泌等によって血糖値が下がりすぎてしまった時、これを分泌して血糖値を調節する事ができます。特にグルカゴンは糖新生を促す作用があり、様々な理由で糖が不足した時、アミノ酸、脂肪酸、乳酸、グリコーゲン等を分解し、糖の供給源として利用します。また膵臓には、成長ホルモン・インスリン・グルカゴン・胃腸等の働きを抑制・制御する「ソマトスタチン」を分泌する機能もあります。特に成長ホルモン、インスリン、グルカゴンはいずれも血糖値に関わるホルモンであり、それらのホルモンを制御し、やはり血糖値を調節しているのです。

その他、膵臓は「膵液」を作る事ができます。特に膵液は糖、蛋白質、脂質という三大栄養素を全て分解する事ができる重要な消化液であり、それを膵管を通して十二指腸へと送り、食べ物の消化・分解・吸収を促すという事もしています。また膵液はアルカリ性なので、強い酸性を持つ胃液を中和し、腸の粘膜を保護する役割もあります。



膵臓の機能低下に気づく事が難しい

膵臓はそのような重要な役割を持ちながら、悪くなった時、早期発見が難しい臓器の一つです。

例えば膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌が悪くなるため、血糖値が上がりやすくなり、また血糖値の高い状態が続きやすくなります。一方、前述のように膵臓は血糖値を上げる作用を持つグルカゴンも分泌しているので、膵臓の機能が低下すると、実は血糖値が逆に下がりやすくなったり、血糖値が低い状態が続きやすくなる事があります。同時に起これば上がり幅も下がり幅も大きくなり、血糖値が不安定になりやすくなります。

しかし多くの人は「血糖値が高い=健康に悪い」というイメージを持っているため、例え血糖値が低くても、それを異常と思わない事が多いです。そのため血糖値の上がり幅にばかり注目し、「血糖値が高いのは糖質の多い食事が原因」などと安易に決めつけてしまうと、「血糖値の下がり幅が大きい=膵臓の異常」を見逃してしまう事があり得ます。これが膵臓の機能低下に気づきにくい一つの理由です。

また膵臓の機能が低下すると、血糖値の上下動が激しくなるため、短期的には例えば食後に眠くなるなどの症状が出る事があります。しかし「満腹になると眠くなる」というのは、膵臓の機能が低下していない人でも起こる事であり、「食後に眠くなる=血糖値の上下動が原因」という事に気づく事ができる人はそう多くありません。ましてや、それが膵臓の機能低下が原因などとは誰も想像しませんし、人によっては眠くなるなどの症状が全く出ない場合もあり、そのような場合、サインすらありません。

更に・・・これは表現が適切かは分かりませんが、「自分は健康だ」「悪い所はどこもない」という根拠のない自信を持っている人ほど、血糖値の計測を行っていません。そのような人の場合、膵臓どころか、自分の血糖値がどのような状態なのかすら、把握していない事が多いです。長年膵臓が悪くて血糖値を常にチェックしている人、あるいは健康に対する意識が高くて自分で計測しているような人は別として、今まで病気をせず健康だった人ほど、実は膵臓の不調に気づく事が難しいのです。



膵臓は何故治療が難しいのか

膵臓内に癌細胞ができると、短期間で他の臓器や組織に転移しやすいという特徴があります。これは膵臓の近くに様々な臓器、血管、リンパ、神経、骨等が密集しているからで、それらを通じ、すぐに全身へ転移してしまいます。もちろん早期発見・初期段階であれば、手術で膵臓の悪くなった部分を取り除くという事もできますが、そのように転移しやすい事から、手術の時点では転移が見られなくても、術後に転移が確認されるという事があります。年齢が若いほど転移のスピードも進行も早いため、例え悪くなった部分を取り除いたとしても油断はできません。

また膵臓は小さくて薄い上、胃と背骨の間という非常に入り組んだ場所にあるので、手術するにしても高い技術が必要になります。更に例え手術が成功したとしても、そのように体の奥にある事から、侵襲性(組織の過度な損傷→過剰な免疫反応→組織の機能低下・様々な病気の誘発)が大きいため、術後の副作用によって別の問題が起こるという事もあり得ます。医者は人間のため、失敗も十分にあり得る事です。

尚、繰り返しになりますが、非常に転移しやすいので、運良く発見できた時には、既に他の組織に転移している事が多いのです。膵臓だけを手術で取っても他の臓器がダメになっていて・・・というパターンが多く、そもそも初期段階では自覚症状が殆ど出ないため、手術ができない事の方が多いです。これらが膵臓の治療が難しい理由になっており、予防が重要になります。



膵臓の機能低下を防ぐ生活習慣

前述のように膵臓は血糖値を下げるインスリンの分泌機能があります。血糖値が上がればそれだけ膵臓で大量のインスリンを作らなければならず、膵臓への負担が減ります。このため血糖値の上がり幅を大きくしないという事がまず重要になります。また膵臓は血糖値を上げるグルカゴンの分泌機能があります。このため血糖値の下がり幅を大きくしないという事も重要になります。更に膵臓は膵液を作っていますが、膵液は糖・蛋白質・脂肪の消化を行うものです。このため一度の食事で摂取する糖・蛋白質・脂肪の量を管理するという事も重要になります。

これらの事から食習慣の改善が必要です。簡単に挙げると「一度に大量の糖を摂取しない(インスリンの大量分泌を避ける)」「果糖及び乳糖の過剰摂取を避ける(糖化反応に使われやすい。糖化は膵臓の機能を低下させる)」「過度に糖を制限しない(グルカゴンの大量分泌を避ける)」「一度に大量の蛋白質・脂肪を摂取しない(膵液の大量分泌を避ける)」「1回の食事の量を減らして回数を増やす、ただし食事の間隔は空ける(インスリン・グルカゴン・膵液を適度に分泌させる事も重要)」などの事に注意しましょう。

また血糖値には運動習慣も大きく関わっています。特に筋肉はブドウ糖から合成されたグリコーゲンを蓄えておく事ができ、鍛えて大きくすれば、その貯蔵量も上がります。このため日常的な運動習慣によって血糖値の抑制が可能です。これも膵臓への負担を軽減します。ただしあまりに激しい運動を行い、糖を大量に消費すると、やはり血糖値の激しい上下動が起こってしまいます。糖の摂取量に見合った運動量、及び運動量に見合った糖を摂取し、運動前後で血糖値が上下動しないような摂取量とタイミング(過去記事参照の事)が重要になります。

そしてもちろん睡眠習慣も重要です。食事や運動をすれば膵臓が働きます。膵臓が働けばそれを休めなければなりません。それにはやはり睡眠が重要です。一方、時には食事の量を減らす日や運動の量を減らす日を設け、膵臓を労るのも良いでしょう。この他、ストレス、過労、タバコ、飲酒は言わずもがなです。まぁこれだけ徹底していても「遺伝」という恐ろしい言葉があるので・・・

ちなみに最近話題の糖質制限ですが、グルカゴンを大量に分泌するため、長期間行うと膵臓への負担が大きくなります。また脂肪酸を糖の代わりにする糖新生は肝臓で行われるので、長期の糖質制限では実は肝臓への負担も大きくなります。個人的には短期間ずつ区切って行う事をオススメします。これも過去の記事を参照の事。





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