アルギニンは運動前後に摂取すべき?その効果と摂取方法

アミノ酸の一種であるアルギニンは、成長ホルモンの分泌やコラーゲンの合成などに関与している重要な栄養素の一つです。ここではそんなアルギニンの効果や摂取方法などについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

記事作成日時:2019-11-17、最終更新日時:2019-12-13

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アルギニンは重要な役割を持つアミノ酸である

蛋白質は様々な種類のアミノ酸から作られています。その中でも「必須アミノ酸」は蛋白質を構成する最も基本的な材料となっており、不足すれば、当然蛋白質を効率良く作る事ができなくなります。また必須アミノ酸は全部で9種類あり、そのバランスが重要と言われています。このため9種類ある必須アミノ酸の内、どれか一つが欠けてもいけません。

一方、この記事で紹介するアルギニンはそんなアミノ酸の一種で、体内では必須アミノ酸から合成する事ができます。よって必須アミノ酸をバランス良く摂取できていれば通常は不足する心配はない・・・のですが、アルギニンを合成するための能力は人によって異なり、合成能力の低い人の場合、普段通りの蛋白質の摂取だけでは必要量を満たせない事があります。特に成長期の子どもでは合成能力が未熟なため不足しやすく、不足が長期間続くと身長の伸びなど発育にも悪影響を及ぼすと考えられています。そのため成長期におけるアルギニンは「準必須アミノ酸」とも呼ばれており、それだけアルギニンは人体にとって重要なアミノ酸なのです。


そんなアルギニンの役割としては、特にコラーゲンの合成に深く関与しており、コラーゲンが存在する組織の機能及びその構造を維持するために必要です。またアルギニンは成長ホルモンの分泌や、インスリンの分泌などにも関与していると言われています。つまりコラーゲンの合成に限らず、蛋白質の合成、糖の吸収・エネルギー化などの際に必要なものです。

更にアルギニンはアンモニアを尿素に分解する尿素回路を機能させるためにも使われます。アンモニアは蛋白質に含まれる「窒素」が元になっており、新陳代謝の過程で必ずできます。特にハードなトレーニングを行っている人の場合、蛋白質の合成が行われるほどアンモニアの量が増え、その排出が上手くできなくなれば当然健康上問題になります。アルギニンはその役割としても非常に重要です。



アルギニンは筋肉にも効果があるのか?

そのようにアルギニンはコラーゲンの合成(コラーゲンの材料として)に深く関与しています。コラーゲンは皮膚、靭帯、筋肉、腱、軟骨、骨、眼球など、あらゆる組織に存在している蛋白質の一種で、それらの組織の強度・弾力性・水分量などを維持する役割があると言われています。特にコラーゲンは加齢、あるいは生活習慣の積み重ねによって減少・劣化します。アルギニンを摂取する事で、すぐさま筋力が上がったり、いきなり筋肉が大きくなったり、あるいは病気が治ったりするという事はあり得ませんが、アルギニンの摂取を継続する事では、少なくとも組織の変性を遅らせるための材料補給にはなると思われます。

またアルギニンはそのように成長ホルモンの分泌に関与していると言われています。成長ホルモンは細胞の修復・合成・増殖を促す働きがあり、ハードなトレーニングをしている人ほどその分泌は重要です。これもアルギニンを摂取する事ですぐに筋力が上がったり、筋肉が大きくなったりする訳ではありませんが、積み重ねた結果として成長作用がスムーズになり、筋トレの効率を上げるサポートになると思われます。特に「成長ホルモン」と聞くと主に睡眠中に分泌されるイメージですが、実は運動中にも成長ホルモンは分泌されています。このためトレーニングを行っている人では、運動前後に摂取している例もあります。


尚、アルギニンはそのようにコラーゲンの合成に関与していますが、コラーゲンに関してはとりわけ「口から摂取して効果があるのか?」とよく言われます。一方、コラーゲンを摂取する事では、少なくともコラーゲンを合成するための材料(コラーゲンに多く含まれるグリシン、プロリン、アルギニンなど)を補給する事ができます。またコラーゲンは全てがアミノ酸まで分解される訳ではなく、一部はペプチドの形で運ばれ、それによってコラーゲンの合成に関わる酵素を活性化させる事ができるとも言われています。そもそもコラーゲン自体は蛋白質であり、摂取する事で直ちに害があるようなものではないですから、意識的にコラーゲンやアルギニンを摂取しても損は少ないと思われます。

ただしコラーゲンの合成にはビタミンCが必要です。コラーゲンだけ(コラーゲンにもアルギニンは含まれる)、あるいはアルギニンだけを摂取するのではなく、摂取の際にはビタミンCも一緒に摂取すると良いでしょう。



シトルリンとオルニチンについて

アンモニアを尿素に分解するために使われる尿素回路では、オルニチンからシトルリンに変換、シトルリンからアルギニンに変換、アルギニンからオルニチンへと変換し、そうして変換する過程でアンモニアを尿素へと分解、それを尿の成分として排出します。シトルリンもオルニチンも、アルギニンとは違って蛋白質の材料としては利用されませんが、そのように尿素回路を効率良く回すためには必要不可欠なアミノ酸です。

またアルギニンをオルニチンへ変換する際には、「一酸化窒素(いわゆるNO)」という物質を作る事ができます。この一酸化窒素は血管の拡張に関わっており、末梢にある血管を拡張し、細胞への血流を促す作用があると言われています。特にシトルリンやアルギニンでは、俗に「精力増進効果がある」「減量した際の血管を浮き立たせる」「皮膚や筋肉への血流を改善する」などと言われる事もありますが、それにはおそらくこの血管の拡張作用が関係していると考えられます。

ただしアンモニアはそのままの形で尿素回路まで運ばれて来る訳ではなく、一旦アンモニアとグルタミン酸(アミノ酸の一種)を結合させてグルタミン(これもアミノ酸)に変換し、その状態になってから運ばれます。またそうしてグルタミンとしてアンモニアを運搬した後、肝臓でアンモニアを遊離させ、それを同じ肝臓内にある尿素回路へと運んで処理しています。一方、アンモニアを遊離したグルタミン酸は、神経伝達物質(グルタミン酸は脳の血液関門は通過できないが、グルタミンは通過できる)などとして使われ、アンモニアと結合させる事で再びグルタミンになる事ができます。このためアルギニンと共に、グルタミンやグルタミン酸の役割も重要です。

ちなみにアンモニアを分解する尿素回路は、そのように腎臓ではなく肝臓内にあります。よってアンモニアの分解をスムーズに行う事、すなわち新陳代謝の過程をスムーズに行うためには、肝臓の機能が正常であるという事も重要になります。アルギニンを摂取する前に、ストレス、過労、暴飲暴食、栄養失調、睡眠不足などを改善すべきでしょう。



アルギニンを多く含む食品はあるのか

前述のようにアルギニンはアミノ酸の一種ですが、必須アミノ酸から体内で合成する事ができます。そのため単純に「蛋白質及び必須アミノ酸を豊富に含む食品」を食べる事でアルギニンを補給する事ができます。肉、魚、卵、乳、大豆、豆類、ナッツ類を定期的に食べましょう。

またアルギニンは「コラーゲン」に多く含まれています。そのため単純に「コラーゲンを豊富に含む食品」から摂取する事ができます。例えば白子、豚軟骨、牛スジ、牛テール、鶏軟骨、鶏の手羽先、スッポン、白身魚(スケトウダラ他)、フカヒレなどです。それらの中でも特に「白子(魚の精巣の事、プロスタミンとも呼ばれる)」に、アルギニンが豊富に含まれていると言われています。

尚、コラーゲンに関してはそれだけを抽出した粉末状の商品(コラーゲンパウダー)もあり、これも重要な摂取源になります(魚由来など原材料によりアレルギーが出る事がある。またコラーゲン以外で嵩増ししている事もあるので注意)。繰り返しになりますが、コラーゲンにもアルギニンは含まれていますから、アルギニンではなく、コラーゲンの方を利用するのも良いかもしれません。もちろんアルギニン単体のサプリメントもあり、それを利用する事でも摂取する事ができます。



アルギニンに関するサプリメントの紹介

ここではアルギニンに関するサプリメントとその摂取方法について簡単に紹介しています。尚、アルギニンは強いアルカリ性です。そのため人によっては胃腸に不快感が出る事があります。クエン酸や酢(酢酸)などを混ぜて中和すると良いでしょう。それか下記のようにクエン酸が混ぜてあるものを利用したり、あるいはシトルリンかオルニチンでも代用はできます。

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これはアルギニンを摂取する事ができるサプリメントです。摂取方法としては、1回3〜5gを数回に分け、食間(食事と食事の間)や寝る前(寝る直前は避ける)などに摂取すると良いと思われます。また運動量が多い場合、運動前や運動後にも摂取すると良いかもしれません。その場合、運動前と後にそれぞれ5g〜ずつ補給すると良いでしょう(運動の直前は避ける)。尚、摂取の際には少量の糖(10g程度)があると吸収率が良くなります。また水溶性ビタミンC(1g=1000mg)も一緒に摂取すると良いでしょう。





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