肩・肩甲骨周りの筋肉を解すためのダイナミックストレッチ

一般的なストレッチは筋肉を伸ばした状態で静止させます。そのような静的なストレッチの事をスタティックストレッチと言います。一方、体を動かしながら筋肉を解すようなストレッチもあり、そのような動的なストレッチの事を「ダイナミックストレッチ」と言います。この記事ではそんなダイナミックストレッチの中でも、肩や肩甲骨周りにある筋肉を解すようなストレッチの方法について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2019-06-24)

★ダイナミックストレッチを行う際に注意すべき点

・勢いや反動をつけず、可動域内でゆっくりと動かす方法と、敢えてある程度の勢いや反動をつけ、勢い良く動かす方法がある。特に後者は運動前のウォーミングアップとして利用する事ができる。また両者とも、負荷を増やせばトレーニングに利用する事もできる。
・勢いや反動をつけずに行う場合、現在の自分の可動域を最大限に利用し、その中で大きく動かし、動作を途中で止めない事。また呼吸を意識的に行う事も重要。
・目的の筋肉以外を脱力する事も重要。筋肉を解す事が目的であり、無駄な労力は使うべきではない。
・またどのようにして動かせば、どこにあるどの筋肉がどのように動くか、という事をあらかじめ知っておく必要がある。それがなければ効率的なストレッチにはならない。
・一方、勢いや反動を利用する場合、現在の自分の可動域、及び関節の基本的な可動域を把握し、その中で動かすよう、自分の体を制御する必要がある。
・あまりに強く動かすと、可動域を超えてしまい、関節や筋肉に不要なストレスがかかってしまう事がある。単に大きく、強く、勢い良く体を動かせば良いという訳ではない。
・その上で筋肉をよく振動させる事。また呼吸を意識的に行う事も当然重要になる。
・ストレッチは毎日行う事。ストレッチによる効果はあくまで一過性のもの。継続する事が重要。


★肩甲骨を上下動させるストレッチ

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ではストレッチの方法を説明します。立った状態でも座った状態でも良いので、まずは姿勢を正します。そしてお尻の後ろに両手を回し、指を組ませます。指の組み方はお好みで問題ありません。これが基本の形になります。

その形ができたら、肩甲骨をゆっくりと「上」へと持ち上げます。ただし単に肩を上へ上げるだけではなく、背中を少しずつ丸め、それと共に、肩を前に突き出しながら上に持ち上げるようにします。つまり体を横から見た時、肩は斜め上方向に持ち上がるような形になります。イメージしにくい場合、例えば気温の低い時期には少し猫背になり、肩をすくめて体を丸める事があると思います。実はこの時、肩甲骨が上へと動いており、そのようなイメージで行うと良いでしょう。両肩を頬に近づけるようなイメージで行うのも良いかもしれません

そうしてこれ以上は持ち上がらないという所まで行ったら、そこでできるだけ止まらないように切り返し、今度は肩甲骨をゆっくりと「下」へ動かしていきます。要は「肩をすくめる動作」の逆を行う訳です。ただしそのまま肩甲骨を下げるだけでは、単なる「脱力」になってしまうので、少し胸を張りながら、組んだ両手でお互いの手を引っ張り、肩を体側よりもやや後ろへ引くように意識して下げていきます。体を横から見た時、肩は斜め下方向へ下がるような形になります。

そうして肩甲骨を下げたら、再び動作を止めないようにして切り返し、肩甲骨を上げる動作へ移行させます。回数の目安としては「肩甲骨を上げる→下げる」を1回とし、1セット20〜30回ほど繰り返しましょう。セット数は休憩を挟んで1〜2セット程度で十分です。


★肩甲骨を左右に動かすストレッチ

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ではストレッチの方法を説明します。立った状態でも座った状態でも良いので、まずは姿勢を正します。そして背中の後ろ(腰骨付近)に両手を回し、その両手の甲を背中にピッタリつけましょう。これが基本の形になります。

その形ができたら、左右にある肩甲骨(左右両方)を、背骨から離すようにして、ゆっくりと横へ動かします。コツとしては、例えば真横に腕を真っ直ぐ伸ばし、ちょうど届きそうで届かない距離にあるものを、何とかして掴もうとするイメージです。できるだけ体を動かさずにそれを行おうとすると、肩を真横に突き出す必要があります。それを「肩を上下動させず」に行う事で、上手くできるかもしれません。

尚、両手の甲は固定されていますが、手首は固定されていません。よってそのように肩甲骨を背骨から離すと、それに伴って自然と腕の骨が動きます。もし前述の方法でイメージできなければ、例えば最初の状態では肘の頂点は体の外を向いていますよね。その肘の頂点を前へ向かせるようにして腕を動かすと、それに伴って肩甲骨も動きます。慣れてきたら、それをできっるだけ腕を動かさないように行ってみると良いでしょう。

そうしてこれ以上肩甲骨を動かす事ができないという所まで行ったら、動作を途中で止めないように上手く切り返します。そして今度は逆に、肩甲骨を背骨に寄せていきます。コツとしては、例えば息を大きく吸って、たくさんの空気を胸に入れようとすると、胸が大きく広がると思います。それをわざとらしく行うと、体のバランスを取るため、背中にある左右の肩甲骨が背骨に寄っていきます。特にこのストレッチではそれを「肩を後ろへ動かさないようにして行う(胸だけを前に突き出すようなイメージ)」事で上手くできるかもしれません。

そうして肩甲骨を背骨に寄せたら、再び動作を止めないようにして切り返し、肩甲骨を背骨から離す動作へ移行させます。回数の目安としては、この「肩甲骨を背骨から遠ざける→近づける」を1回とし、1セット合計20〜30回ほど繰り返しましょう。セット数は休憩を挟んで1〜2セット程度で十分です。


ちなみにここまでで紹介したストレッチをレベルアップさせるとすれば、「左右の肩甲骨を、持ち上げながら背骨へ寄せる」「持ち上げながら遠ざける」「下げながら寄せる」「下げながら遠ざける」「左右どちらか一方だけ動かす」「左右それぞれ別々の方向へ動かす」というように行う事で、ストレッチ効果を更に高める事ができます。それらが自由にできるようになれば、肩甲骨周辺の筋肉はどんどん柔らかくなっていくはずです。


★腕を回旋させるストレッチ

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ではストレッチの方法を説明します。立った状態、座った状態どちらでも構わないので、姿勢を正します。そして手の平が上に来るようにして、両肘を90度程度に曲げ、またその両肘を脇腹に固定します。その状態になったら、そのように手の平が上のまま、また肘の角度を維持したまま、親指側が体の外に向けるように、前腕をゆっくりと外に開いていきます。この際、両肘が脇から浮かないように注意しましょう。

そうしてこれ以上進まないという所まで行ったら、動作が止まらないようにして切り返し、今度は小指側をお腹に近づけるようにして、前腕をゆっくりと内側に閉じていきます。この時も肘が脇から浮かないようにしましょう。またそのまま前腕を閉じていくと、両手の小指がぶつかると思います。ぶつかったら、再び前腕を外に開く動作へ移行させます。この時も動作が途中で止まらないように注意しましょう。

この「肘を脇腹に固定し、前腕を外へ開く→内に閉じる」を1回とし、1セット合計20〜30回程度、また休憩を挟んで2セット程度行いましょう。

尚、ここではゆっくりとした動作で行う方法を紹介していますが、敢えてリズミカルに、素早く行う事もできます。ただしその場合、前腕を体の外に開いた時、肩の関節の正常な可動域を超えてしまう事があります。特に体を横から見た時、手及び前腕が、体側と同じ位置あるいはそれよりも後方に進んでしまうと、肩の関節を痛めてしまう事があります。前腕は完全に体の外へ開いてしまうのではなく、その寸前で切り返すようにしましょう。肩の関節の可動域を把握し、その範囲内で上手くコントロールすべきです。動的なストレッチでは可動域内で大きく動かす事がポイントですが、無理に大きく動かす必要はありません。


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ちなみにこの方法ですが、肘を肩と同じ高さまで上げた状態で行う事もできます。ちょうど肩の真横に肘を置き、手の平がこちら側(顔の方向)を向くようにして、その肘を90度に曲げ、肘の位置ができるだけ変わらないように注意しながら、親指側を体の後方に引く→小指側を手前に落とす・・・というように行う事で可能です。ただしこの場合、空中に肘を固定する必要があります。特にこのストレッチでは上腕の骨が軸となる「回旋」を行うのが重要なので、肘が前後や上下にぶれてしまうと意味がありません。慣れるまではゆっくりとした動作で行いましょう。また前述のように可動域には注意しましょう。回旋を行う際の可動域は自分が想像する以上に狭いので、やはりコントロールが必要です。


★その他・様々な腕や肩のストレッチ

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前述のストレッチ以外の方法としては、例えば左の画像の「肘を伸ばした状態で、腕を前から上に向かって真っ直ぐ上げる(肩関節の屈曲)→真っ直ぐ下げ、そのまま体の後ろに引く(伸展)」、真ん中の画像の「肘を伸ばし、腕を肩と同じ高さまで上げ、その状態で腕を真っ直ぐ横に開く(水平外転)→逆方向に閉じる(水平内転)」、右の画像の「腕を体側につけ、肘を伸ばした状態で、その腕を体側と同じラインになるように体の外から上に上げる(外転)→真っ直ぐ下げてそのまま体側に戻す(内転)」、その他では「肘を伸ばした状態で、単純に腕を大きく回転させる(時計回り・反時計回りで、体の正面・体の横で)」などがあります。

これも同じように動作が途中で止まらないように注意しましょう。またゆっくりとした動作で行う事もできますが、素早くリズミカルに行う事もでき、その場合、動かす範囲には十分に注意しましょう。あまりに力強く腕を振ると、肩の関節に不要な負担がかかってしまうので、自分の動きはある程度コントロールする事が重要です。尚、画像では片腕ずつ行っていますが、両手同時に、あるいは両手交互に行う事もできます。

ちなみにそれらのストレッチでは、ステップを踏んで、前へ進んだり、後ろに進んだりしながら行う事もできます。例えばサイドステップを踏みながら両腕を横に回転させるとか、ジャンプをしながら肩を上下に揺するとか、ふくらはぎを太ももの裏に引きつけながら前へ進み、同時に腕を上下に真っ直ぐ動かすとか、そういう様々な工夫ができます。筋肉を振動させながら、リズミカルに、また上半身と下半身で違う動きをする事で、よりストレッチ効果が高まります。




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