トレーニングの原理・原則について理解しよう

効率良く筋肉を鍛えていくためには、最低限守るべき「3つの原理」と「5つの原則」があると言われています。この記事ではそれについて簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、「○○の原理」「○○の原則」となっており難しい言葉をも使っていますが、例えば「単に同じ負荷で続けるのではなく、筋力の上昇に合わせて負荷を増やしていく」という事は当たり前の事ですよね。そうした普通の事を言ってるだけなので、決して難しく考える必要はありません。

※当記事作成日時:2019-05-30、最終更新日時:2019-12-03

★当記事の目次

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★トレーニングの原理

「原理」という言葉には「元となる理屈や理論」という意味があります。すなわち「守らなければならないルール(決め事)」というよりも、「事実としてこういう事になっている」というように理解した方が良いと思います。


●過負荷(オーバーロード)の原理

そもそも「何故トレーニングを行う事で筋肉が大きくなるのか?」についてですが、これは筋肉に対して大きなストレス(負荷)が与えられると、そのストレスに抗おうとし、それによって筋肉の細胞一つ一つが大きくなり、それに伴って筋力が上がっていきます。これは人間の持つ「環境に適応する能力」を利用したもので、そうしてストレスから自分の身を守ろうとしているのです。つまり筋肉を効率良く鍛えていくためには、『「今の筋肉にとってストレスとなるような大きさ」のストレス』を与える必要があります。

特にトレーニングを続ける事で筋力が上がっていくと、次第に「今までの大きさのストレスではストレスにならない」ようになります。つまり筋力が上がる度に、その筋肉へ与えるストレスの大きさを上げなければならないという事であり、それこそが「過負荷」の意味です。特に筋肉に与えるストレスの大きさは、大きすぎても小さすぎてもいけません。大きすぎると筋肥大が起こらず、小さすぎるとそもそも行う意味がないのです。そのため過負荷の原理を守るためには、まず今の自分の筋力を知る必要があります。


●特異性の原理

筋肉に対してストレスを与える場合、前述のようにある一定以上のストレスが与えられていれば、その与えたストレスに応じた変化が起こります。これは別の言い方をすると、トレーニングの方法次第で「筋肉のつき方や効率が変わる」という事です。つまり効率良く筋肉を鍛えていくためには、自分の目的に合った「正しい実施方法(効率の良い方法)」でトレーニングを行わなければなりません。ただ単に大きなストレスを与えれば良い、回数を増やせば良い訳ではないのです。


●可逆性の原理

筋肉に対してストレスを与える事によって、実際に変化が起きていたとしても、その変化は永続的に続く訳ではありません。例えば数ヶ月に渡ってトレーニングを続けていた人が、数週間トレーニングをサボったとします。すると次第に筋肉は萎んでいき、それに伴って筋力も低下してしまいます。これは何故かというと、今まで与えられていたストレスがなくなった事で、そのストレスに抗う必要がなくなり、筋肉及び筋力を維持する必要がなくなったからです。つまりトレーニングによる効果を維持・持続させるためには、常に今の自分の能力以上のトレーニングを課し、それを継続させる事が重要になります。

ただしストレスがかかるのは筋肉だけではありません。特に重たいバーベルなどを用いて大きなストレスを与える場合、そのストレスは骨や関節にある軟部組織などにも積み重なっていきます。またハードなトレーニングは肉体だけでなく精神にもストレスが及びます。そのストレスが次の日、そのまた次の日へと持ち越され、それが続けば、いずれはトレーニングの継続ができなくなってしまうでしょう。つまり単にトレーニングを続ければ良いという訳ではなく、上手く休養を挟みながら続ける必要があります。



★トレーニングの原則

「原則」という言葉には、「元となるルール(決め事)」という意味があります。つまり効率良くトレーニングをしていく上では、最低限守らなければならない事と言えるでしょう。


●意識性(自覚性)の原則

トレーニングをする方法は多種多様です。しかし目的の筋肉にしっかりストレスを与えるためには、体のどこにどのような筋肉があり、どのように体を動かせば、その筋肉が収縮するか・・・という事を十分に理解しておく必要があります。単に動作だけを真似しても、自分が求める結果は得られません。特に「どのトレーニングを行う事でどの筋肉が鍛えられるかを知っておく事」、そして「どの筋肉を鍛えているかを意識しながらトレーニングを行う」事で、筋肉へより多くの電気信号を送る事ができると言われています。それによってトレーニング効果がより高まります。


●全面性の原則

トレーニングを行って筋肉を鍛えていく際には、特定の筋肉を鍛える事だけに集中するのではなく、全身の筋肉をバランス良く鍛える必要があります。特に筋肉は表裏一体であり、体の正面にある筋肉だけを鍛え、体の裏側にある筋肉が疎かになると、思わぬ怪我に繋がる可能性があります。それを予防する意味でもバランスが重要です。尚、そうしてバランス良く鍛えていくためには、「このトレーニング法はこの筋肉を鍛える方法だ」という知識や経験が必要になります。またトレーニングの範囲が全身に及ぶ事では、地味なトレーニングも行っていく事になります。モチベーションを維持していくため、トレーニングに変化をつけて行う事も重要になるでしょう。


●個別性の原則

トレーニング方法が多種多様なように、トレーニングを行う人間も多種多様です。同じトレーニング法であっても、人によって合う・合わないがあり、その人の個性に合ったトレーニングを行う事が重要になります。例えばマシンを使ったトレーニングだけでなく、時にはダンベル、時にはバーベル、ゴムのチューブ、自分の体だけを使う、体の角度を変える、複数のトレーニングを同時に行う、低負荷・高反復、セット数・インターバル・・・など、様々な工夫をし、自分に合ったトレーニング法を探しましょう。


●漸進性の原則

同じトレーニングを続けていると、次第に効果が頭打ちになってしまいます。これは何故かというと、筋肉がそのストレスの種類に慣れてしまったからです。前述したように筋肉を効率良く鍛えていくには、ある一定以上の大きなストレスが必要ですが、それと合わせ、例えば同じ「腕の筋肉を鍛えるトレーニング」であっても、時には種目を変え、異なる刺激を与える事が重要です。それが新しい刺激となり、壁を打ち破ってくれます。


●反復性の原則

数日継続しただけで投げ出してしまったり、飽きて他の部位のトレーニングに移行してしまうと、トレーニング効果が得られない事があります。トレーニングによる効果を実感するためには、そのトレーニングを一定期間繰り返し行う必要があります。人によりますが、数週間で実感できる場合もあれば、数ヶ月かかる場合もあります。前述のように同じ部位のトレーニングでも、変化をつけて行い、粘り強く続けましょう。



★その他・トレーニングを効率化する上で重要な事

前述したように「行うトレーニングが多種多様な事」が重要です。筋力の向上に伴って負荷を大きくしていったとしても、同じトレーニングメニューをずっと行っている事で、刺激の種類としては弱くなり、トレーニング効果が頭打ちになる事があります。例えば腕の筋肉を鍛えるアームカールにしても、ずっとそればかりを行うのではなく、ハンマーカール、オルタネイトカール、チンニングなど、できるだけ多種多様なトレーニングを行うべきでしょう。更に同じアームカールでも、収縮の仕方を変えたり、道具を変えたり、握り方を変えたり、角度を変えたりなど様々な工夫ができます。それらが新しい刺激となり、トレーニング効果を高める事ができます。

また「適度な休息」も重要になるでしょう。3つの原理と5つの原則では継続する事を特に重要視していますが、毎日毎日ハードなトレーニングをしていたら、体どころか心もいつか壊れてしまいます。トレーニングの効率化のためには活動と休息のバランスも重要であり、時には何もしない完全休養日を設ける事も効果的です。もちろんそのような休息には食事や睡眠などの基本的な生活習慣が必要ですし、トレーニングや野球をしている時以外の普段の行動も大きく関係してきます。特にモチベーション維持のためのストレスコントロールは重要です。



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