筋肉に異なる刺激を与えるための様々な工夫(グリップ・体の使い方等)

筋トレを続ける事によって筋力の向上し、扱う重量が大きくなっていっても、同じ方法で行っていると、次第に効果が頭打ちになってくる事があります。また単純に同じ事の繰り返しをしていれば飽きてしまい、モチベーションも低下するかもしれません。特に筋トレでは目的に応じ、扱う重量の大きさ、1セット中のレップ(反復回数)、セット間のインターバルの長さ、セットの数、筋肉の収縮の仕方などを変える事ができ、それによって同じトレーニングメニューであっても、全く別の新しいトレーニングとして行う事ができます。そうした様々な工夫が必要です。

一方、それらの工夫の中でも見落とされがちなのが、バーベルやダンベルの握り方や、トレーニングを行う際の体の傾きです。この記事でェアそれについて簡単にまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

※当記事作成日時:2019-05-30、最終更新日時:2019-12-10

★当記事の目次

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★筋肉に異なる刺激を与えるためのグリップの方法

肩幅よりも幅を狭めてバーベルを握る事を「ナローグリップ」、肩幅よりも広く握る事を「ワイドグリップ」、手の平を向かい合わせにして握る(フットボールバーなど)事を「ニュートラルグリップ(またはパラレルグリップ)」、両手を近い位置で握る事を「クローズドグリップ」と言います。

また手の甲を上にして握る事を「ノーマルグリップ」、手の平を上にして握る事を「アンダーグリップ」、左手と右手で手の平と手の甲が逆になる握り方を「オルタネイトグリップ」と言います。更に親指を4本の指とは逆の方向へ向かせてバーを握る(親指と4本の指でそのままバーを掴む)事を「サムアラウンドグリップ」、親指と4本の指を同じ向きで握る(親指をバーから外して5本の指を揃え、手の平でバーを押す)事を「サムレスグリップ」、この他、親指を4本の指で握り込む事を「フックグリップ」と言います。

そのように握り方を少し変えるだけでも新しい刺激となり、トレーニングの効果の頭打ちを防ぐ事に繋がる可能性があります。同じ種目を続けていると精神的にも飽きてしまう事がありますが、そのように工夫する事で少しでも変化をつける事が重要です。



●筋肉に異なる刺激を与える体の傾き

仰向けになって寝た状態になる事を「ライイング」と言いますが、その状態から、頭が少しだけ上になるようにして体を起こした状態で行う事を「インクライン」、逆に頭が少し下になるような状態で行う事を「デクライン」と言います。そのように体全体の角度を変える事によって、負荷のかかる部位が変わります。

例えばベンチプレスを通常通り床と体を平行にした状態で行うと、胸全体へ効かせる事ができますが、インクラインでは特に胸の上部に、デクラインでは特に胸の下部により効かせる事ができます。こうして工夫する事で、筋肉に異なる刺激を与える事ができるのです。



●筋肉に異なる刺激を与える道具の違い

同じベンチプレスでも、ダンベルを扱う場合とバーベルを扱う場合とでは、筋肉にかかる刺激の種類が変わる事があります。またゴムチューブ、トレーニングマシン、ケーブルマシン、自動車のタイヤ、ケトルベル、バーベル用のプレート、チェーン(金属製の鎖)、綱引き用の綱など様々な道具があり、それらを使えば多種多様なトレーニングができます。これも工夫の一つです。



★限界まで筋肉を追い込むための体の使い方

●フォーストレップとは?

フォーストレップとは、疲労困憊するセット後半においてパートナーの補助を利用し、更に限界まで筋肉を追い込む事を言います。例えばベンチプレスなら、バーベルを持ち上げていく際に少しだけ力を貸してもらいながらレップを行います。またバーベルを下げていく際には、疲労からバーベルが胸に落下してしまう危険もありますが、その際にサポートしてもらう事でその事故を防ぐ事ができます。



●パーシャルレップとは?

パーシャルレップとは、疲労困憊するセット後半において、バーベルやダンベルなどを途中で止め、関節の部分的な範囲で行う事を言います。またそのように部分的な範囲の事を「パーシャルレンジ」と言います。パートナーがいない時に限界まで筋肉を追い込みたい場合、そうしてセット後半、敢えて途中までで止める事でレップを稼ぐ事ができます。

一方、可動域を最大限に使うのは「フルレンジ」と言います。ただしフルレンジの場合、関節を伸ばしきった時、筋肉の緊張が緩んでしまう事があります。可動域の最初から最後まで筋肉を緩めない事を「フルコントラクション」と言います。



●チーティングとは?

チーティングとは、疲労困憊となるセット後半において、敢えて反動を使ってレップを行い、筋肉を更に追い込む事を言います。本来の筋トレでは「筋肉に効かせる」事が重要であり、最初から反動を利用してトレーニングを行っても、それは当然無駄が大きいのですが、疲労が蓄積した状態では、反動を使わなければ上がらない事があります。目的の筋肉に効果的に刺激を与える事ができるなら、そのように敢えて反動を使い、筋肉を限界まで追い込むという事も重要になる場合があります。尚、逆に反動を使わずにレップを行う事は「ストリクト」と言います。筋肥大のトレーニング、及び疲労の蓄積していないセット前半ではこちらが基本です。



●ネガティブレップとは?

ネガティブレップとは、最大重量に近いような高重量を扱うようなトレーニングにおいて、敢えてネガティブな収縮(伸長性収縮:エキセントリック・コントラクション)を起こさせる事を言います。

つまり筋肉を収縮する事よりも、「筋肉が収縮しながらも結果として重量に負けて伸ばされる」という事が重要なので、通常のトレーニングとは逆の動作を行う事になります。例えばベンチプレスであれば、腕を伸ばした状態から曲げていく際に、できるだけその重量に耐えるようにして曲げていきます。こうする事で筋肉に対して異なるストレスを与える事ができます。セット後半に意識的に行ったり、あるいは敢えてそれだけを行う事もできます。

ただしあまりに扱う重量が大きくなると、肉離れなどの怪我のリスクや、胸などにバーベルを落とすなどの事故のリスクが高くなります。パートナーとの協力は不可欠です。



●ピークコントラクションとは?

ピークコントラクションとは、筋肉が緩むような動作時において、敢えて筋肉を意識的に収縮させる事を言います。例えばベンチプレスでは、バーベルを持ち上げて肘を伸ばした頂点ではどうしても筋肉が緩んでしまいます。その際、敢えて筋肉を収縮させ、筋肉を収縮させた状態から肘を曲げて筋肉を伸ばしていくようにします。これにより筋肉を休ませず、効率的に刺激を与える事ができます。特にこれは「関節を伸ばし切らない」「曲げきらない」ように意識すると行いやすいです。尚、トレーニング中、最も大きな筋力を要するポイントの事を「スティッキング・ポイント」と言います。



●バルサルバ法とは?

バルサルバ法とは、大きな筋力を発揮する際に意識的に呼吸を止め、お腹に空気を溜める事で腹圧を高め、普段よりも筋力を発揮する事ができる生理現象の事を言います。日本語では「努責(どせき)」や「息む」などとも呼ばれています。高重量ではそれによって力が入りやすくなり、トレーニング効率の向上に繋がる可能性もあります。

ただし呼吸は止めますが、顎を強く噛み締めたりなどして力んではいけません。強く力むと血流が阻害され、血圧が上昇し、それが開放された瞬間に急激な血流が開始され、脳や内臓など重要組織の血管を傷つけてしまう事があります。筋トレを始めたばかりの初心者には必要のない方法でしょう。





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