筋トレは毎日続けるべき?効率良く筋肉を鍛える方法

筋トレと聞くと「回数を増やせば増やすだけ良い」と考えている人は多いのですが、単に回数を増やすだけでは効率良く筋肉を鍛える事はできません。適切な負荷に設定し、適切な回数を反復した上で、トレーニングに変化をつけたり、また時には休養を取る事も重要です。この記事ではそのような「筋トレに対する基本的な考え方」について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

尚、当記事は「腹筋を鍛える」という事をテーマにした記事から移転しているため、内容が「腹筋」に関する事ばかりになっています。要点は変わりませんので問題はありませんが、あらかじめご了承下さい。

※当記事作成日時:2019-05-29、最終更新日時:2019-12-04

★当記事の目次

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本格的な筋トレはまず筋肉の使い方を覚えてから

例えば「腹筋を鍛えよう」とする場合、仰向けの状態から起き上がるあの「腹筋動作」をイメージする人が多いと思います。しかしあれをイメージしてしまうと、どうしても「筋トレ=きつくてつらい」というネガティブな気持ちになり、筋トレが長続きしません。筋肉を鍛え、その効果を実感するためには、最低でも1ヶ月(数週間)は必要と言われており、そこまで続けるにはモチベーションとなる「変化」も必要です。例えば腹筋を鍛えるトレーニングにはクランチ、シットアップ、レッグレイズ、サイドベンドなど様々な種類があり、何も同じトレーニングをひたすら繰り返す必要はない訳です。様々な種類のトレーニングを行い、心身を飽きさせないような工夫をしましょう。

尚、そのためには「どのような動作を行う時に腹筋が使われるか」という事をあらかじめ知っておく必要があります。例えば腹筋に力が入る動作を考えてみると、多くの人は「上半身を起き上がらせる時に働く」事しか知らず、腹筋を鍛えようとした時、そのトレーニングばかりを繰り返してしまいます。本格的なトレーニングに移る前に、まずは例えばお腹をゆっくりと凹ませてみたり、膨らませてみたり、息を思いっ切り吸ったり、息を思いっ切り吐いたりして、お腹の筋肉への力の入れ方を覚えましょう。実は寝た状態から体を起き上がらせるようなトレーニングでなくても、お腹の筋肉が働く動作はたくさんあります。それを知る事が重要です。

その基本ができるようになれば、実際のトレーニング中においても、「動作間で筋肉を脱力せずに行う(顎を噛み締めたりなど力む事なく、お腹の筋肉だけに力を入れる。呼吸も止めないで体を動かす)」事ができるようになります。実は筋肉は「伸ばされながら収縮する」という収縮の仕方があり、そのような収縮の時に大きなストレスを与える事ができると言われています。通常のトレーニングでは収縮する時に大きな力を発揮しますが、それができれば伸ばされる時にも筋肉を刺激できるため、効率的に筋肉を鍛える事ができます。その意味でも、まずは体の使い方を覚える事を考えた方が良いですね。


筋トレは単に回数を増やすだけでは効率は上がらない

そうして体の使い方を覚えながら、少しずつ本格的なトレーニングを行っていきます。その際、トレーニングを行う目安となる負荷(重量の大きさ)、反復の回数、セットの数、インターバルの長さなどを決める事になるのですが、筋肉を鍛えて大きくする場合、ある程度の大きな負荷を与える事はもちろんの事、前述のように力を入れたまま動作を行うなど「余分に力を使うような体の使い方」が重要になってきます。そもそも筋トレは「短時間で大きな筋力を発揮する無酸素運動」ですから、その意味でも、短時間で終わらせる事ができるよう、効率的にストレスを与える必要があるのです。

またこれは少し前述したのですが、「筋トレ」と聞くと、多くの人が「反復回数やセット数を増やすほど良い」という勘違いをしています。たくさん回数を重ねる事ができるという事は、それだけ扱う重量が小さいという事であり、重量が小さいという事は、それだけ筋肉に対して与えるストレスも小さいという事です。筋トレによって筋肉が大きくなるのは、与えられたストレスから身を守ろうとしているからであり、与えられるストレスが小さければ、それだけ筋肉の肥大は起こりにくくなります。それどころか、不必要に反復する事で怪我のリスクも高まります。

余計に疲れるような体の使い方をしていても、やはり扱う重量が小さければ、筋肉の肥大は起こりにくくなります。時間は有限であり、労力も有限です。その意味でも短時間で効率的にトレーニングを行うためにはどうすべきか、今一度自分のトレーニング法を見直してみましょう。特に扱う重量の大きさは「今の自分の筋力に合わせた大きさ」まで増やし、その上で、1セット中の反復回数・セット数、及び筋トレを行っている時間を減らすように行うべきです。

尚、そうして反復回数やセット数を減らす場合、同じ部位の筋肉を鍛えるトレーニングでも、多種多様な種目を取り入れるのはもちろんの事、敢えてセット間で重量の大きさを変えるなど、普段とは異なる方法で行う事も重要になる場合があります。その意味では、ただ単に重量を増やすだけではまだ不十分です。様々な工夫をしましょう。



筋肉を効率良く鍛えるために必要な負荷の大きさ

しかしながら「ある程度の大きさのストレス」とは言っても、そのストレスが大き過ぎると、筋肉の細胞は壊れてしまいますし、逆に小さ過ぎるとそもそもストレスになりません。よって実際に筋トレを行う際には、まず今の自分の筋力を把握し、それに合わせ、扱う重量の大きさ及び反復回数やセット数を常に調節する必要があります。

一つの目安となるのが「RM法」と呼ばれる方法です。「RM」とは「レペティション・マキシマム」の略で、簡単に言うと、「今の自分の筋力で、1セット中に反復する事ができる最大の重量」という意味があります。特に「RM」の前には、例えば10RMや15RMというように数字がつき、これが1セット中に行う反復回数を意味してます。例えば10RMなら、1セット中にギリギリ10回反復する事ができる最大の重量、15RMならば、1セット中にギリギリ15回反復する事ができる最大の重量となります。目的に応じ、その反復回数ができる最大の重量を扱ってトレーニングを行いましょう。

例えば1〜3RMでは1セット中に1〜3回ギリギリ反復する事ができるような、非常に高重量を扱うトレーニングになります。そのようなトレーニングは確かに筋肉へ与えるストレスは大きいですが、ストレスがかかる回数や時間が短いため、実は筋肥大の効果は薄いと言われています。そのような高負荷のトレーニングは基本的に「最大筋力アップ(筋肉の細胞一つ一つに電気信号を行き渡らせる)」が目的になり、「筋肥大」を目的とするトレーニングは、それよりも少し軽い重量(だいたい最大筋力の70〜90%)で、具体的には10RM前後が必要と言われています。

つまり筋肥大を目指すトレーニングでは、例えば100kgを1セット中に1回だけ持ち上げる事ができる場合、70〜90kgを1セット10回前後反復し、それをインターバルを挟んで3〜5セット繰り返す事になります。ただし前述のようにセット間で異なる種目を行う事もあり、その種目によって扱う重量は大きく異なる場合があります。繰り返しになりますが、常に今の自分の筋力に合わせた重量にする事が重要です。

ちなみにそれよりも低重量(50RM前後)となる15RM〜では「筋持久力の向上」、更にそれよりも低重量となる場合、「筋収縮スピード及び神経系の機能向上」が目的になります。そのような低負荷では筋肥大は更に起こりにくくなります。全く起こらない訳ではありませんが、「筋肥大」という目的では非常に効率は悪いでしょう。


尚、前述した腹筋動作のように、ダンベルやバーベルを使う事が難しいトレーニングもあります。そのようなトレーニングで負荷を増やしたい場合、例えば水を入れたペットボトル・ダンベル・バーベルのプレートなどを重りの代わりとして抱えて行ったり、チューブで体を結んだり、あるいは体の傾きを変えて角度をつけて行うなどの方法があります。「自分の体だけを使って鍛えたい」という拘りを持っている人もいますが、それではいずれ効果は頭打ちになります。工夫が必要です。

また例えば体を戻す時に少し緩やかに戻し、完全に戻し切るのではなく、筋肉に力を入れたまま次の収縮に繋げたり、収縮させる時に勢いや反動をできるだけ使わないように行ったりなど、前述したように「筋肉を余計に使う」ようにして体を動かす事も当然重要です。それらを意識して行えば反復回数を減らし、短時間で効率的に筋肉へストレスを与える事ができます。



筋肉に対して与えるストレスに変化をつけよう

お腹にある腹直筋を鍛えるトレーニングとしては、例えばクランチやシットアップなどがあります。これは仰向けの状態から起き上がるような、いわゆる「腹筋動作」を繰り返すもので、お腹の筋肉を鍛える代表的なトレーニング法です。しかしいくら筋肉へ効率的にストレスを与える事ができたとしても、同じ動作を繰り返し行っていると、次第に効果を感じなくなってしまう事があります。これはストレスの大きさに慣れたのではなく、ストレスの種類に慣れてしまった事が原因です。また同じ事の繰り返しで、一種のスランプのようになってしまい、それがモチベーションの低下に繋がる事もあります。

そのような場合、例えば途中で体を捻ったり、足を上げながら行ったり、体と足を同時に動かしたり、腰から下をフリーにして足を上げ下げしたり、起き上がる方向を変えたり、横ばいで行ったり、横から見た時に体の傾きを変えたり、ぶら下がりながら足を上げたり、敢えて起き上がるスピードを遅くしたり、起き上がる途中で止めてキープしたり、逆に敢えて動作を速くしたり、低負荷・高反復で行ったり、あるいは制限時間を設けてみたり、電気刺激を行ってみたり(いわゆるEMS)、光や音の合図で動作を行ったりなどの方法が考えられます。そうして同じトレーニング法でも変化をつけてみましょう。それが良い方向へ働く事もあります。もちろんレッグレイズやサイドベンドなど他の種目でもそれは同じです。

また時には腹筋とは直接は関係のない他の部位のトレーニングを行ったり、あるいは球技や格闘技など異なるスポーツを取り入れたりするのも良いでしょう。特に腹筋は体の中央に位置しており、上肢あるいは下肢で大きな筋力を発揮するような動作を行った場合、大抵は腹筋にも力が入っています。そうして上肢や下肢を使う「腹筋が必要な動き」を行う事でも、腹筋を鍛える事はできるのです。この他、食べる物を変えたり、あるいは本を読んだり映画を見たりなど、普段行っていないような事も合わせて行ってみましょう。このように一見筋トレとは関係のないような事でも、それを行う事が刺激になり、壁を打ち破ってくれる事があります。



筋トレは毎日欠かさず行うべき?

筋トレを行って筋肉へストレスを与えると、その大きさに応じた反応が現れ、筋肉にある蛋白質の合成が促されます。また激しく筋肉を動かすと、筋肉内に蓄えられていたグリコーゲンが消費されるため、筋トレ後はその補充も促進されます。

特にグリコーゲンは、筋トレ後〜数時間後までその合成が促進されると言われています。よって筋トレ後は糖(炭水化物)の補給が重要になります。一方、筋肉内のグリコーゲンが完全に近い形で消費された場合、回復するまでには2〜3日、あるいはそれ以上かかる場合もあります。そのためその間はグリコーゲンの材料となる糖の摂取が欠かせません。

一方、筋肉を構成する蛋白質の方は、筋トレ後〜2日程度の間、合成が促進されると言われています。すなわち少なくとも2日程度は意識的に蛋白質を摂取する必要があります。ただし実際には筋トレ中からも既に筋肉の分解・合成は始まっており、ハードなトレーニングを行う場合、運動中からの栄養補給も重要になります。ちなみに蛋白質の効率の良い合成には食事全体の摂取エネルギーが重要になります。そのため実は脂肪も適度に摂取しなければなりません。

これらを踏まえると、少なくとも筋トレ後2〜3日程度は、休養及び回復をするような時間を設ける必要があります。そのため、例えば毎日同じ部位を鍛え続けたり、例え違う部位でも、毎日ハードなトレーニングを続ける事では、効率的なトレーニングにならない可能性があります。効率良く筋肉を鍛えていくためには「1日おきに鍛える部位を変える」「同じ部位を集中して行う場合、1〜2日は間隔を空ける」「運動強度を調節し、前日ハードなら次の日は控え目にする」などの工夫も必要になるでしょう。もちろんこれらは日々の運動内容及び食事や睡眠などの生活習慣、そして個人によっても大きく変わります。



時には無理をせず休もう・・・

高負荷によるハードなトレーニングを行う場合、例え毎日違う部位の筋肉を鍛えていても、回復が遅れてしまう事があります。例えば全力で走った直後やそのぐらい全力に運動した翌日に起きた後では、食欲が大きく減衰るるという事があります(自律神経も消耗している)が、それと同じで、あまりのハードさが原因で、そうして自分の思うように栄養摂取ができていなかったり、あるいは自分が気づかぬ内に睡眠が上手く取れなくなっている・・・という事も十分にあり得ます。

また筋肉への大きなストレスは酸化ストレスを発生させ、細胞の酸化を招き、それが蛋白質の合成を妨げてしまう事があります。焦ってトレーニング量を増やしているのに、食事や睡眠あるいは精神面のケアが追いついていない場合、筋トレをする度に筋肉が萎むなんて事にも成りかねません。特にハードなトレーニングは精神的にもストレスを伴うものであり、積み重なれば、どんなにトレーニングが好きでもモチベーションの低下に繋がります。それを最小限に抑えるためには「数日に1回程度、完全な休養日を設ける」という事も重要になる場合があります。何事も適度が重要です。


尚、そのような完全休養日では「チートデイ」を設けるのもオススメです。チートデイとは数日〜数週間に1回程度、一時的に食事の量を増やす日(体脂肪率が高い人ではあまり効果はないとされている)の事です。内容としては炭水化物が中心、蛋白質・ビタミン・ミネラルは適度に、脂肪は控え目(完全制限ほど切り詰める必要はない)、しかし摂取カロリーは平日の倍以上という感じになります。つまり食事の殆どが「炭水化物」で埋め尽くされる事になります。チートデイという言葉だけを聞くと、ただたくさん食べれば良いという風に感じてしまいますが、実際はかなりきついものです。

また一定期間トレーニングを中止する事を「レイオフ」や「ディトレーニング」などと言います。筋肉は長期間をかけて鍛えるほど、一旦トレーニングを休止しても衰えるのが遅くなったり、あるいは例え衰えてもトレーニングの量を戻せば、元の筋肉量に戻るのも速いという特徴があります。これは俗に「マッスルメモリー(与えられたストレスを記憶し、筋肉を維持しようとする)」なんて呼ばれ方をしますが、これによって筋肉量が落ちない程度にまで調節して筋トレを休止、あるいは強度・セット数・頻度などを下げ、モチベーションが回復した後で再びトレーニングを再開させるという調整法があります。ただしトレーニングを完全に休止させる場合、数週間経過すると、さすがに筋肉が大きく萎み、筋力の低下が著しく起こってしまいます。よってレイオフを行う頻度としては、数ヶ月に一度程度とし、一度の期間は1〜2週間がベターだと思われます。つまり休みすぎも良くないのです。

ちなみにですが、激しい運動を行った次の休養日において、逆に敢えて体を動かす事を「アクティブレスト(筋トレとは限らない)」と言います。人によってはそれが気分転換になる場合があります。そもそもレイオフやアクティブレストという言葉があるという事は、世界で戦っている人は、日々、トレーニングを継続する事が苦痛になるほどまで自分を追い込んでいるという事です。これは我々からすれば無縁の世界のように思ってしまいますが、先駆者がいたからこそ、私はトレーニングや栄養に関する知識を得る事ができたと思っています。一度そういう世界を自分で体験してみると、世界の見え方も変わるかもしれませんね(まぁ私はそこまではやりませんがw)。




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