胸にある筋肉を鍛えるためのトレーニング法

この記事では胸にある大胸筋を鍛えるためのトレーニング法について紹介しています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-06-18、更新日時:2019-05-15)

★当記事の目次

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★胸にある筋肉とその役割について

胸には大胸筋という大きな筋肉があります。大胸筋は胸の中央にある胸骨から、左右にある腕の上腕骨にまでそれぞれ繋がっています。そのため大胸筋は中央で区切られ、左右で別々に収縮する事ができ、右胸と左胸、及び右腕と左腕を個別に動かす事ができます。

この大胸筋の関わる動作としては、主に腕を外側から内側へ動かす時、下から上へ上げる時、上から下へ下げる時などです。つまり「腕を内側から外側へ開く時」以外、腕を動かす動作には大抵大胸筋が関与しています。野球で言えば、例えばピッチャーの投球動作では、腕を後ろ→横→前へと持ってくる時や、腕を上から下へ振り下ろす時に収縮します。腕を横まで持ってくる時にはリラックスしていますが、肘を横から前へ動かす時と、腕を上から下へ振る時には瞬間的に大きな筋力を発揮しています。そのため球速にも大きく貢献しています。

一方、バッターの場合、右バッターなら右胸、左バッターなら左胸が、バットを振り下ろす時も振り上げる時も収縮します。そのためスイングスピードに大きく貢献し、飛距離を生み出しています。また体から遠い場所にバットを出す時、素早く追いつく事ができます。尚、大胸筋を鍛えて大きく発達すると、自分に近い位置のボールが打ちづらくなると言われる事もあります。確かにボディビルダーのように胸が盛り上がれば、それが邪魔になって、肘を畳んで打つのが難しくなる事もあるかもしれませんが、野球選手でそこまで大胸筋を大きく鍛える事は稀です。気にする必要はありません。

またこれは見た目的な効果ですが、大胸筋を鍛えて大きくすると単純に「胸板」が厚くなります。特に女性では胸を下から「嵩上げ」する事ができ、バストのトップの位置が上がるため、胸を大きく見せる事ができます。尚、女性の胸は脂肪であるので、筋トレをする事で胸が萎むと考える人も多いのですが、ボディビルダー並に筋肉量を増やしたり体脂肪率を落としたりしない限り、それが起こる事はありません。運動量に合わせた食事をすれば良いだけの話であり、筋トレだけが原因ではありません。ただし運動の際に胸は揺らさない事、これは重要です。

ちなみに胸には、胸の骨と肩甲骨を繋ぐ小胸筋という筋肉が、胸の下には肋骨と肩甲骨を繋ぐ前鋸筋という筋肉もあります。この内、小胸筋には肩甲骨を引き下げる際や、胸や肋骨を引き上げる際に働き、特に呼吸をする時、及び意識的に胸を張る時に補助として使われます。一方、肩コリをした時に凝り固まる事があり、一度凝り固まると慢性化しやすいので注意が必要です。そして前鋸筋ですが、こちらは肩甲骨を広げる際や小胸筋などと共に肩甲骨を引き下げる際に働きます。特に肩・肩甲骨及び腕の骨を前へ突き出す際に補助として使われ、俗にボクサー筋なんて呼ばれる事もあります。



★大胸筋を鍛えるためのトレーニング法

●ベンチプレス/ダンベルプレス

ベンチプレスとは、仰向けに寝た状態で胸の前でバーベルを押し出すように行うトレーニング法(ダンベルプレスはそれのダンベル版)です。腕立て伏せの正しいフォームが分かっていれば、それを上に向かって行うだけなのでそれほど難しくはありません。一方、バーベルの重さ次第では、腕立て伏せよりも大きな負荷を与える事ができるため、大胸筋の筋肥大を狙うために最適のトレーニング法です。

では方法を説明していきます。まずは仰向けに寝て、肘を伸ばした状態で両手にダンベルまたはバーベルを持ちます。仰向けに寝る場所ですが、床に寝るのではなく、ちょうど腰回りと同じぐらいの太さがある長椅子あるいは机があると良いでしょう。またバーベルを利用する場合の手の幅ですが、肩幅だとややバランスを取るのが難しいので気持ち広めに取り、左右対称にして安定化させます。一方、ダンベルを利用する場合も、左右の手が同じ位置・同じ角度・同じタイミングで動かすように意識します。左右の手の動作が変わってしまうと、トレーニングを重ねた後で、左右の筋肉の大きさが異なるという事が起こる場合があります。その点には十分注意しましょう。

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そしてバーベルの位置ですが、首の上ではなく、ちょうど胸の正面でバーを上下動させるようにします。また体を横から見た時、手〜肘がバーとちょうど垂直になるようにしておきます。つまり前腕に対して縦にバーベルの重さが乗っており、それによって前腕や腕の筋肉をあまり働かせず、より大胸筋に効かせる事ができます。ダンベルの場合も、ダンベルの下に常に肘が来るようにします。動作間でもそれを意識しましょう。

その状態になったら、肘を胸の横へスライドさせるようにして曲げ、ダンベルまたはバーベルを垂直に下へ下げていきます。その際、重力で勢い良く落とすのではなく、負荷に耐えるように意識しながら、ややゆっくり目に落とします。特にバーベルの場合、そのまま勢い良く落とすと胸に落ちて大変危険なのでそれを予防する目的もあります。あくまでイメージですが1〜2秒程度かけるような感じです。もちろん前述のように前腕の上にちょうど重りが乗っているようにしたいので、できるだけ真っ直ぐ下へ下げます。尚、バーベルを下げる際の高さですが、胸に付くか付かないかのギリギリの位置まで、一方、ダンベルは胸のラインと同じ高さぐらいで十分です。あまりに肘を低く落としすぎると肩に負担がかかるので注意しましょう。

そうして肘を曲げたら、今度は重りを前へ押し出すようにして肘を伸ばしていきます。切り返しの際、できるだけ脱力しないように力を入れ続けますが、力んで首の根元に力が入って肩が上へ上がったり、肘の方向や角度がズレてしまわないように注意しましょう。また何度も言いますが、前腕の上にちょうど重りが乗っているようにしたいので、できるだけ垂直に上げます。肘を曲げていく動作と同じ動作をするように意識しましょう。そうして肘を伸ばしたら再び肘を曲げる動作へ移行させます。その切り返しの際もできるだけ脱力しないようにしたいので、肘は完全に伸ばし切るのではなく、ほんの少しだけ曲げた状態までで留め、力を入れ続けるようにします。動作ができるだけ止まらないようにも注意しましょう。

この「肘を曲げていく→伸ばす」を1回とし、1セットが10〜15回程度となるように繰り返し、休憩を上手く挟んで2〜3セット行いましょう。尚、筋肥大を目指す場合の理想は1セット10回前後ですが、その場合、かなり大きな負荷を扱わなければならないので、無理をする必要はありません。大胸筋を鍛えるトレーニング法は様々であり、いかに効果的なベンチプレスでも、それに固執する必要はありません。



●ダンベルフライ(チェストフライ)

前述のダンベルで行う「ダンベルプレス」は少し肘の使い方を変え、「肘を伸ばしたまま腕を真横に広げる→胸の正面で閉じる」ように行う事もできます。そのようなトレーニングは「ダンベルフライ(チェストフライ)」と呼ばれます。尚、ダンベルプレスでは肘を曲げた状態から前へ押し出しているため、大胸筋だけでなく、腕の裏側にある上腕三頭筋にも刺激が入ります。一方、ダンベルフライでは肘を伸ばしたまま行うので、大胸筋へピンポイントで刺激を与える事ができます(上腕三頭筋に全く刺激が入らない訳ではない)。



●プッシュアップ

プッシュアップとは、いわゆる「腕立て伏せ」の事です。腕立て伏せは日本人にとって馴染み深いトレーニング法の一つですが、実は海外でも有名なトレーニング法で、非常にオーソドックスなものです。ただし日本人の多くは腕立て伏せのやり方を知っている人はいても、「効率良く筋肉を鍛えるための腕立て伏せの方法」を知っている人はそう多くありません。ここではそのポイントを紹介したいと思います。

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まずは両手両足をついた四つん這いの状態になり、踵〜肩までができるだけ一直線、かつ床と平行になるように意識します(完全な一直線である必要はない)。また両手の平は肩幅(だいたい肩の正面辺りに手の平をつく)に開き、カタカナの「ハの字(画像では分かりにくいが、鋭角にはしない事。軽く指先を内側へ向けるだけ)」になるようにしておきます。その状態になったら、早速肘を曲げ、全身を下へスライドさせていきます。その際、手の平の方向と肘の方向をできるだけ一致させるようにします。そうする事で、肘や肩への不要な負担が抑えられます。また肩が上下左右あるいは前後に動かないように注意します。特に筋力的に厳しい人では肩が上へ上がり、首の根元に力が入ってしまう場合があります(首をすくめてしまう)。その状態で行うと腕や肩の可動域が制限されてしまうので、肩は下げた状態を維持すべきです。

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更に肘を曲げていく際には、ストンとただ重力で落とすのではなく、できるだけ負荷に耐えるようにして肘を曲げていきます。イメージとしては1〜2秒ほどかけ、ややゆっくり目に曲げるようにします。特に筋肉は伸ばされながら収縮する事で大きな刺激を与える事ができるので、これにより効率的なトレーニングが可能になります。尚、肘を曲げた際の体の高さですが、低く落とす事を重視する必要はありません。これは両手の幅によって大きく変わります。両手の幅が広い場合、あまりに低い位置まで体を落とすと、肩や肘に良くありません。この辺は各自調節しましょう。

そうして肘を曲げて体を落としたら、今度は肘を伸ばしていきます。床を押して肘を伸ばしていく際、完全に伸ばし切るのではなく、寸前で留めるようにします。これも脱力を防ぐためです。ただし動作が止まらないように注意し、できるだけスムーズに、再び肘を曲げる動作へ移行させます。このように「意図的に疲れるような体の入れ方をする」という事が非常に重要で、そうする事で筋肉へ効果的に刺激を与える事ができ、反復回数を減らす事ができます。腕立て伏せは重りを背中に背負うか、足の位置を高くするぐらいしか負荷を増やす方法がないので、工夫が必要なのです。無論ですが、単に回数を増やすのは無駄が大きいので止めましょう。

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この「肘を曲げる→伸ばす」を1回として1セット10〜20回程度繰り返しましょう。また休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。繰り返しになりますが、決して何十回何百回と行う必要はありません。特に腕立て伏せは正しいフォームであっても肘への負担が大きいので、物足りないからと言ってやり過ぎないようにしましょう。むしろそのように反復回数を減らすような工夫をすべきです。


ちなみに腕立て伏せには様々なバリエーションがあり、手のつく位置や力の入れ方を変える事で、刺激の大きさや種類を変える事ができます。例えば左右の手の位置を離して幅を広くして行ったり、逆に狭くしたり、床に対して常に前腕(手首〜肘関節まで)が垂直になるように意識したり、脇を締めて肘を後方へ引くようにして行ったり、床を押し出す時に胸の前で何かを挟むように力を入れたり、あるいは床を押し出す時に斜め上に向かって押し出したりする事もできます。



●ダンベル・プルオーバー

ダンベル・プルオーバーとは、ベンチプレスのように仰向けになり、両手を揃えて1つのダンベルを持ち、肘を軽く曲げた状態で、そのダンベルを頭頂部の上(頭からは離す)に置きます。そこから脇を締めながら、肘を天井方向へ持ち上げ、最終的にダンベルが胸の正面まで来ます。ただし肘は軽く曲げた状態なので、ダンベルは常に胸から遠くを通ります。また大胸筋を鍛える事が目的なので、動作間で肘の角度はほぼ変わりません。少し変わったトレーニングですが、腕を立てに動かすので、大胸筋に縦方向の刺激を与える事ができます。



●バタフライ

マシンを使ったトレーニングでは、肘を90度に曲げた状態を維持し、肘を肩と同じ高さまで上げ、その状態で「胸と平行になるように肘を体の外へ開く→胸の前で両肘を近づける」ように行う「バタフライ」というトレーニング法があります。この方法では大胸筋にピンポイントで刺激を与える事ができます。



●クロスオーバー/ベントオーバー・クロスオーバー

こちらはケーブルマシンを使ったトレーニングで、簡単に言えば、座った状態あるいは立った状態になり、ダンベルフライを前に向かって行うようなトレーニング法です。つまりダンベルフライのように、肘を伸ばして腕を左右に開き、そこから前に向かって手を閉じる訳です。特に、正面からやや下に向かって行うのがクロスオーバー、正面からやや上に向かって行うのがベントオーバー・クロスオーバーで、大胸筋に異なる刺激を与える事ができます。尚、固定する位置及び高さを調節する事ができれば、チューブを使って自宅で行う事もできます。






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