チェンジアップ系の球種における変化・握り・投げ方について

この記事ではジャイロボール以外の球種、特にチェンジアップ系の球種における変化・握り・投げ方について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2014-05-12、更新日時:2019-03-30)

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チェンジアップは何故チェンジアップなのか

チェンジアップとは、速球と同じような腕の振りで投げられる球速の遅いボールの総称です。特にチェンジアップはストレートと似たような軌道で進みながら、バッターの手元で減速しながら落下するように見えるため、タイミングを狂わせる事を目的として投げられる事が多いです。尚、日本の子どもが最初に覚える変化球はカーブの事が多いですが、アメリカではチェンジアップを「最初に覚えるべき球種」として扱っているようです。

チェンジアップで球速が出しづらい理由としてはその握り方に特徴があります。特にチェンジアップではボールを鷲掴みにするなど、複数の指を使って握る事が多いため、それによって自然と力が入りにくくなり、ストレートと同じような腕の振りでも勝手に球速が落ちるのです。しかしそのように腕の振りは速いので、ストレートと錯覚し、ボールが来る前にバットを出してしまいます。それがチェンジアップです。

またチェンジアップでは基本的に縦のバックスピン(ピッチャーから見て上から下に回転)がかかるの事が多いのですが、回転量が少ないという特徴があります。回転量の多いストレートではバックスピンによって上向きの力が働き、重力に逆らう事ができます。これがストレートが直線的な軌道を描く理由です。しかしチェンジアップではそれが弱いため、重力及び空気抵抗による影響を受け、キャッチャーミットの手前で落下します。これがチェンジアップの落ちる変化の理由です。

この2つが合わさるとバッターの手元で遅くなり、中々落ちてこないように感じます。これこそが「減速する」と言われる理由です。ただしボールは確かに減速しているのですが、この減速はストレートと錯覚する事による部分が大きいです。そのためチェンジアップを効果的に使うには、できるだけストレートに近い腕の振り方・リリース・軌道である事が非常に重要になります。そうでなければただの遅いストレートになってしまうので、ただ球速を落とすだけ、ただ変化量を大きくするだけにはならないように注意しましょう。


チェンジアップ系の球種における簡単な分類

●変化や回転による分類

・シュートスピン:バックスピンにシュート回転(ピッチャー側から見て右投手なら右から左へ、左投手なら左から右へ回転)の要素が含まれるチェンジアップ。横回転の要素が大きくなるほど横に曲がるようになる。ただし回転量は少ないので、スライダーやシンカーのようには大きく曲がらない。また横回転の要素が増える事ではバックスピンの要素が減るので、これによって上向きの力が更に弱くなり、縦への変化も大きくなる。ただしあまりに変化が大きくなると、直球との軌道の差が大きくなり、見極められやすくなる。

・トップスピン:バックスピンとは逆の回転をするトップスピン(ピッチャー側から見て下から上に回転)がかかっているチェンジアップ。理論上は投げる事は可能だが、手の甲を上に向け、指先を体の外側へ向ける必要があり、リリースポイントの高い投法では肘や肩に大きな負担がかかる。尚、リリースポイントの低い投法では投げる事は可能だが、同時にシュート回転もかかりやすく、シンカーのような軌道になる事が多い。アンダースローでは元も球速が遅いため、チェンジアップとして投げる意味はあまりないかもしれない。

・ジャイロスピン+バックスピン:バックスピンとジャイロ回転(ピッチャー側から見て右投手は時計回り、左投手は反時計回りに回転)のちょうど間になるような回転のチェンジアップ。手の甲の向きが利き腕方向(右投手なら右側、左投手なら左側)にずれると起こりやすい。特にフォーシームのジャイロ回転がかかると減速が小さくなり、ツーシームのジャイロ回転だと減速が更に大きくなる。ただしジャイロ回転の要素が大きくなるほど縦に落ちるため、直球との軌道の差が大きくなり、逆に見極められやすくなる。

・ジャイロスピン+シュートスピン:ジャイロ回転(ピッチャー側から見て、右投手は反時計回り、左投手は時計回りに回転)とシュートスピンのちょうど間になるような回転がかかるチェンジアップ。リリースの際、ボールの中心から内側に向かって回転をかけるようにして投げたり、ボールの内側を人差し指あるいは中指で下に向かって押し出すようにして投げると起こりやすい。この場合、縦に変化する上、横にも変化する。またやはりフォーシームのジャイロ回転がかかると減速が小さくなり、ツーシームのジャイロ回転だと減速が更に大きくなる。ただし変化量が大きくなるほど直球との軌道の差が大きくなり、逆に見極められやすくなる。

・バックスピン:バックスピン(ピッチャー側から見て上から下に回転)が主なチェンジアップ。リリースの関係上それなりに球速も出やすい。また横回転の要素が小さく、より綺麗なバックスピンになるほど軌道がよりストレートに近くなり、バッターに見極められにくくなる。一方、回転量が多ければ多いほど軌道は直球に近くなるが、変化量は小さくなるので調節は必要。逆に回転量を減らせば縦の変化を大きくする事もできる。


●球速による分類

・高速のチェンジアップ:球速のあるチェンジアップの事。球速があるほどより直線的な軌道を描くため、バッターに見極められにくい。ストレートの球速次第では140km/h台後半や150km/h台の球速が出る場合もある(アロルディス・チャップマン選手等)。またストレートとの球速差が10km/h程度しかない場合もある。

・通常のチェンジアップ:それなりに球速があるチェンジアップの事。ストレートが150km/h前後ならば130km/h台になる事が多い。軌道はストレートほど直線的ではないが、他の同じような球速の変化球とも軌道を似せる事ができるため、使い方によっては見極められにくい。尚、球速を落とせば山なりの軌道にする事も一応可能だが、それをする意味はないかもしれない。


●握りによる分類

・中指と薬指を縫い目にかけて握るタイプ

チェンジアップのオーソドックスな握り方としては、中指と薬指を長い縫い目の部分にかけ、人差し指と小指はボールを横から、親指はボールの下から支えるような形です。人によっては人差し指と親指で輪っかを作るように握る場合もあり、サークルチェンジと呼ばれる事もあります。リリースの際には縫い目にかけた中指と薬指でバックスピンをかけます。それによって軌道がより直球に近くなります。

正面(ピッチャー側)から見た握り
チェンジアップ.png
横から見た握り
チェンジアップ2.png

一方、前述のように横回転やジャイロ回転をかけるようにリリースする方法もある他、人差し指と薬指の間を開いて挟むようにして握る場合もあります。指を開く場合、回転量が落ち、縦の変化が大きくなります。ただしコントロールが難しくなります。


・縫い目にかける指の数を増やして握るタイプ

前述したチェンジアップは中指と薬指を長い縫い目にかけて握りますが、このチェンジアップではその指を増やして握ります。すなわち人差し指と中指に加え、薬指も一緒に縫い目にかけて握ったり、更には小指も一緒にかけて握ります。小指をかける場合、親指以外の全ての指が長い縫い目にかかっている形になります。

特殊な例では中指・薬指・小指を縫い目にかけ、人差し指はボールの横から、親指はボールの下から支えるというような握り方もあります。この他、私は知らない例ですが、薬指を使わずに人差し指・中指・小指を縫い目にかけたり、中指と薬指を使わず人差し指と小指だけを縫い目にかけるなどの握り方もあると言われています。


・人差し指と薬指を縫い目にかけて握るタイプ

こちらは人差し指と薬指を長い縫い目にかけて握るチェンジアップです。これにより中指は縫い目にかけず宙に浮いており、人差し指と薬指が真っ直ぐ縫い目にかかっているような形です。また親指はボールを下から、小指はボールを横から支えるような形になります。この握り方の場合、前述した2つのチェンジアップよりも、より綺麗なバックスピンがかかりやすいと言われています。ただしリリースの際、中指は触れないようにします。人差し指と薬指を柔らかく使いすぎると中指が触れてしまい、コントロールがずれたり、回転がずれてしまう事があります。その点は注意すべきでしょう。

※尚、各種握り方の画像は準備中です。