目的別〇〇〇〇トレーニングの分類まとめ

トレーニング法には筋肥大や最大筋力の向上を目的とするような実施方法の他、持久力や心肺機能の向上を目的とするもの、更には特定の動作における俊敏性の向上やバランス能力の向上などを目的として行うものなど、目的によって様々な分類があります。特にこの記事ではそれぞれの目的に応じたトレーニング法の分類について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

※当記事作成日時:2013-10-14、最終更新日時:2019-12-10

★当記事の目次

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★レジスタンス・トレーニング

筋肉に一定以上の負荷及びストレスを与える事で、筋肥大あるいは最大筋力の向上を目指すようなトレーニングの事を「レジスタンス・トレーニング」と言います。特にレジスタンストレーニングの実施方法は「筋肉の収縮様式」によって数種類に分けられます。それが下記の通りです。


尚、レジスタンストレーニングで扱う重量の大きさは、「RM(レペティション・マキシマム:略称アールエム)」という単位を使って考えると分かりやすいです。

この「RM」には前に数字が付き、「1RM」では「1セット中に1回だけ持ち上げる事のできる最大の重量」を意味します。例えばスクワットで100kgのバーベルを用い、それを1セット中に1回だけ持ち上げる事ができる場合、スクワットにおける1RMは100kgになります。特に筋肥大を目的とする場合、「1セット中に6〜10回程度持ち上げる事ができるような重量」に設定し、1〜2分程度のインターバルを挟んで、それを2〜4セット程度行うのが良いとされています。つまりRMを使って表現すれば「6〜10RM(最大筋力の70〜80%の重量)」が基本になるでしょう。

一方、特に「1〜5RM(最大筋力の90%以上の重量)」になるような重量を扱う場合、筋肉の細胞一つ一つに電気信号を送る事ができ、それぞれの細胞を活性化させる作用があると言われています。そのため「最大筋力の向上」が目的の場合、そのような大きな重量が必要になるでしょう。そのようなトレーニングでは、むしろ筋肥大は起こりにくくなると言われていますが、全く起こらない訳ではなく、そのように筋力を向上させる事ができるため、これもレジスタンストレーニングに含まれます。ただし重量が大きくなる分、反復回数は少なくなり、数セット行う場合、セット間では十分なインターバルを取る必要があります。

ちなみに「〜30RM(最大筋力の50%かそれ以下)」となるような低重量、かつ1セットで何十回と反復する場合、筋持久力を高める事を目的として行ったり、特定の筋肉あるいは動作におけるスピードを高める目的で行う事になります。当然そのようなトレーニングでは筋肥大は殆ど望めなくなり、レジスタンストレーニングではなくなり、後述するスピードトレーニングやエンデュランストレーニングなどに分類されます。

ただし実は筋肥大を目的とするレジスタンストレーニングでも、例えば最初は高反復・低重量から開始し、数セットかけて徐々に低反復・高重量にしていくというような方法や、逆に最初に低反復・高重量から開始し、数セットかけて徐々に低重量にしていくなどの方法もあります。つまり前述した筋肥大のための反復回数、重量の大きさ、セット数などは、必ずしも「そうでなければならない」と決まっている訳ではありません。


●アイソメトリック・トレーニング

筋肉が収縮しているにも関わらず、関節には動きを伴わないような筋肉の収縮の事を「アイソメトリック・コントラクション(等尺性収縮)」と言います。またこのアイソメトリックを利用したトレーニングの事を「アイソメトリック・トレーニング」と言います。簡単に言えば、筋肉を収縮させたまま、一定時間体を静止させるようなトレーニングです。

代表的なものでは、例えば胸の前に両手を合わせて押し合い、数秒間力を入れたまま静止、その後ゆっくりと力を緩め、それを数回〜数十回繰り返すようなトレーニング法があります(休憩を挟んで2〜4セット)。特にこれらのトレーニング法は、自分の体さえあれば場所を選ばず、どこでもできるという大きなメリットがあります。トレーニングの方法自体も簡単なものが多いです。一方、自分が今持っている筋力あるいは体重以上の大きなストレスを与える事が難しいため、これだけを行っているとトレーニング効果が頭打ちになりやすいというデメリットもあります。




●アイソトニック・トレーニング

筋肉が収縮する際、関節に動きが伴うような筋肉の収縮の事を「アイソトニック・コントラクション(等張性収縮)」と言い、そのような筋肉の収縮を利用したトレーニングの事を「アイソトニック・トレーニング」と言います。「筋力トレーニング」と言う場合、大抵この種類の筋肉の収縮を利用して行っており、一般的なトレーニング法と言えるでしょう。尚、このアイソトニック、実は2つの種類に分ける事ができます。それが「コンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)」と「エキセントリック・コントラクション(伸張性収縮)」です。


・コンセントリック・トレーニング

筋肉が収縮した際に力を発揮し、関節に動きが伴う事を「コンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)」と言います。「コンセントリック・トレーニング」はそれを利用したトレーニング法で、単純に筋肉が縮む時に大きな負荷をかけて行います。例えば腕の表側にある上腕二頭筋を鍛えるアームカールというトレーニングでは、肘を伸ばした状態から開始し、ダンベルを持ち上げると共に肘を曲げていきます。それこそアイソトニック及びコンセントリックを利用したトレーニングであり、一般的な筋力トレーニングの殆どがこれに該当します。




・エキセントリック・トレーニング

筋肉は収縮したまま伸ばされる事もできます。そのような収縮の事を「エキセントリック・コントラクション(伸長性収縮)」と言います。「エキセントリック・トレーニング」はそれを利用したトレーニング法で、筋肉が収縮している状態の時に負荷をかけ、その負荷に負けるようにして、敢えて筋肉を伸ばしていく事で行う事ができます。このエキセントリックを利用したトレーニングは、コンセントリックを利用したトレーニングよりも特殊ですが、筋肉へより大きなストレスを与える事ができ、筋肥大に大きな効果があると言われています。ただし筋肉が収縮されている状態から引き伸ばされる事になるため、その時にあまりに大きな負荷がかかると、筋肉に対して物理的に大きな損傷が及んでしまうリスクもあります。




●アイソキネティック・トレーニング

常に一定の速度で筋肉を収縮させる事を「アイソキネティック・コントラクション(等速性収縮)」と言い、それを利用したトレーニング法もあります。そう聞くと「意識的に同じ速度で行えば良い」と思ってしまいますが、常に速度を一定に保つためには「常に一定の速度で動くような専門的なトレーニング機器」が必要になります。ただ単に同じペースで意識的に筋肉の収縮を繰り返しても、それは厳密にはアイソキネティックではありません。




●その他の瞬発系に分類されるトレーニングについて

前述した筋肉の収縮様式を利用したトレーニング方は最もオーソドックスなものですが、それを利用したトレーニング法の中には、やや特殊な動作を行う方法があり、それを下記にまとめます。


・プライオメトリクス・トレーニング

筋肉は勢い良く伸ばされた時、反射的に縮もうとする性質(伸張反射)があります。これは筋肉が必要以上に伸ばされないように防御するために備わっている機能であり、そのような機能の事を「SSC:ストレッチ・ショートニング・サイクル)」と言います。「プライオメトリクス・トレーニング」はそれを利用したトレーニング法です。

例えば高く上へジャンプする際には、一旦膝を深く曲げ、足の裏で地面を蹴り、膝を伸ばす力を利用して上へと飛びます。この「膝を曲げる」という動作の際には、太ももの前側の筋肉である「大腿四頭筋」が伸ばされている訳ですが、実はその「伸ばされる」事が勢い良く行われると、反射的に縮む作用が生まれ、大腿四頭筋をよりスムーズに収縮させる事ができます。つまり「筋肉が伸ばされる際のスピード」が速ければ速いほど、「筋肉を意識的に収縮させる際の勢い」を作る事ができ、それによって効率良く筋力を発揮する事ができる訳です。また「勢いよく伸ばされる→意識的な収縮」という連動、及びジャンプに関わるそれぞれの筋肉の連動が上手くできるようになると、無駄なく力を伝達させる事ができ、例えば助走が取れずに咄嗟に上へ飛ぶというような場面でも、楽に高く跳ぶ事ができます。このため余計な筋力を節約する事もでき、スタミナの温存にも繋がり、試合終盤までパフォーマンスを維持する事にも繋がります。


尚、このSSC(伸張反射)を利用したプライオメトリクストレーニング、その原理さえ分かっていればあらゆる筋肉で行う事ができます。単純に「筋肉が伸ばされた際の勢いを、その後の意識的な収縮にスムーズに繋げれば良い」訳ですから、伸ばされる際の勢いとその後の収縮への切り返しを強く意識し、通常のコンセントリックを利用したトレーニングを行えば良いのです(ただ反動をつければ良いという事ではない)。

一方、プライオメトリクストレーニングでは、伸ばされる際の勢いをある程度コントロールする事が重要です。特に関節の可動域には、本来進んではいけない領域というものがあります。勢い良く筋肉を伸ばした場合、関節が過度に曲がったり、あるいは過度に伸ばされる事があり、それが関節にダメージとなる事が考えられるのです。またそのように反射的に縮むため、腱や腱の近くにある筋肉に対して大きなストレスがかかります。そのため関節付近の基本的な筋力や柔軟性が必須であり、それがない状態で行うと怪我のリスクがあります。準備が必要であり、初心者にはオススメできないトレーニング法でしょう。




・加圧トレーニング

脇の下や太ももの付け根などをゴムで縛り、意図的に血流を滞らせた状態でトレーニングを行うのが「加圧トレーニング」です。この方法では血流が制限される事で、制限された先の場所に乳酸やリン酸などの疲労物質が溜まりやすくなり、例え低重量でトレーニングを行っても、高重量でトレーニングをした時と同じような体の状態を作り出す事ができると言われています。また制限された先の細胞では、酸素や栄養をより求めようとするため、新陳代謝を活性化させ、毛細血管を細かく枝分かれさせる事ができるなどの効果があると言われています。

一方、加圧トレーニングでは、例えば血流を制限した場所の血管が傷ついて内出血を起こしたり、血の塊である血栓ができやすくなったり、あるいはあまりに長い時間血流を制限すると、活性酸素などの毒素が増えやすくなるというデメリットもあります。この事もあって、指導には資格が必要になっています。

尚、そのデメリットを改善した方法として、最近では「BFR(ブラッド・フロウ・レストリクション)トレーニング」という方法が知られています。この方法では血流を制限する際の圧を弱めにし、セット間はむしろ圧を開放させてフリーにします。これにより通常の加圧トレーニングよりも扱う重量や反復回数は増える(最大負荷の20〜40%で行い、休憩挟んで3〜4セット。ただし1セットの時間は30秒程度を目安にする)事になりますが、前述した様々なリスクを軽減する事ができると言われています。

ちなみに通常の高重量のトレーニングを行った後に、この加圧を利用したトレーニングを行ったり、あるいはバイブレーションを行いながらこの加圧を利用したトレーニングを行う事で、それぞれのトレーニングの効果が高まめる事ができるという実験結果があるようです。




・初動負荷トレーニング

後述するスピードトレーニングでは、瞬間的に力を発揮するという事を目的としていますが、実際の動作の中では、更にその前の「筋肉を収縮させる最初の瞬間」に最も大きな負荷がかかると言われています。そのような考え方を「初動負荷」と言い、それを利用したトレーニングの事を「初動負荷トレーニング」と言います。

前述のプライオメトリクストレーニングでは、筋肉が伸ばされた際の勢いをその後に行う意識的な収縮へと繋げています。つまり筋肉を収縮するために伸ばされる際の勢い(反動)を利用している訳ですが、この初動負荷では筋肉を収縮させる前には勢いがなく、勢いも何もない状態から瞬間的に力を入れ、その最初の収縮の勢いを元にしてその後の動作を行います。この最初に力を入れるその瞬間にだけ負荷をかける事によって、「筋肉がほぼ脱力した状態からの初動」と「初動からのスムーズな動作」を改善する事ができると言われています。

また通常のトレーニングでは、筋肉を収縮させている間は血流が阻害されます。特に高重量を扱うトレーニングではその重量を持ち上げ切るまでに時間がかかり、動作スピードが緩慢になります。しかし初動負荷トレーニングでは、そのように筋肉を収縮させる最初の瞬間にしか負荷がかからず、その初動以外はほぼ脱力された状態で動作を行う事になるため、筋肉への血流を促しながら運動を行う事ができると言われています。

尚、メディアで紹介される際には特別な器具を使っている事が多いのですが、要はそのように「最初は反動を利用せず、筋肉を脱力させた状態にし、そこで一瞬だけ力を入れ、その瞬間にだけ負荷をかけ、その後はその最初の勢いに任せ、意識的な収縮を行わずに動作をする」という事ですから、その仕組みさえ分かっていれば、実は通常のダンベルでも行う事は不可能ではありません。例えばアームカールでパートナーに手伝ってもらい、ダンベルを持ち上げるその瞬間にだけ力を入れ、後はパートナーの人に腕を動かしてもらいます。そうして動作を1回1回区切るようにして行う事ができれば、一応同じようなトレーニングを行う事は可能です。




★スピード・トレーニング

例えばバーベルを上へ持ち上げるためには、「少なくともバーベルが上に持ち上がり切るまでは筋肉を収縮し続ける」必要があります。つまりそのバーベルの重量が大きくなるほど、その「バーベルを持ち上げる」という動作、すなわちそれを行う際の「筋肉の収縮スピード」は遅くなってしまいます。それでは筋肥大や筋力の向上はできても、動作スピードの向上にはなりません。

その「特定の動作におけるスピードを高める」という事を目的にして行うのが「スピード・トレーニング」です。簡単に言えば、通常の筋肥大を目的とする筋力トレーニングにおいて、「筋肉を収縮する際、できるだけ素早く収縮する」「筋肉が伸ばされる際、できるだけ素早く伸ばす」「そのために負荷を低く設定する」だけで行う事ができます。よって実は方法自体はそれほど難しくありません。


●筋肉の収縮スピードの向上を目的としたトレーニング

前述のように筋肉の収縮速度を高めるようなトレーニングでは、低重量に設定し、筋肉が収縮する際、できるだけ素早く力を入れるように「意識」して行います。その意識が非常に重要です。例えばスクワットで言えば、一旦膝を曲げた状態で静止させ、その状態からできるだけ素早く膝を伸ばす、あるいは膝を伸ばした状態から勢い良く膝を曲げる、あるいは曲げ伸ばし動作全てを素早く行い続けるように行います。そのように行えば筋肉の収縮スピードの向上を目的としたトレーニングになります。

一方、そのように筋肉が素早く収縮するためには、「伸ばされる筋肉も素早く伸ばされる」必要があります。特にスクワットでは膝を曲げる際に太ももの前側にある筋肉が素早く伸ばされる必要があり、また膝を伸ばす際には太ももの裏側にある筋肉もスムーズに伸ばされる必要があります。つまりスクワットでスピードを意識したトレーニングを行うためには、太ももの筋肉の基本的な筋力及び柔軟性が重要になるでしょう。

尚、繰り返しになりますが、スピードトレーニングは通常のトレーニングで扱う重量を下げ(30RM程度かそれ以下の重量で、休憩を長めに挟んで3〜4セット)、できるだけ「瞬間的に筋肉を収縮させる事を意識」して行う事で可能です。ただしスピードトレーニングだけで筋肉を鍛えようとしても、いずれトレーニング効果は頭打ちになってしまいます。何故なら通常のレジスタンストレーニングによって基本的な筋力が向上していれば、スピードトレーニングにおいて扱う事のできる重量を増やす事ができるからです。つまり「レジスタンストレーニングによる筋力の向上→スピードトレーニングの効率向上→パフォーマンス能力の向上」という流れが重要です。




●神経系の機能向上を目的としたトレーニング

筋肉が素早く収縮するためには、まず脳が命令を出して電気信号を送らなければならず、またその電気信号ができるだけスムーズに筋肉へ伝えられる必要があります。つまりこのトレーニングでは筋肉ではなく、主に「神経系」を鍛える事を目的にしています。例えば光、音、投げられたボール、人の動作などに対して瞬時に反応し、特定の筋肉や特定の部位あるいは全身を素早く動かすようなトレーニングが考えられるでしょう。多種多様なのでそれぞれについて詳しくは触れませんが、工夫次第でいくらでも方法は考えられ、種類が増えれば脳自体を鍛える事にも繋がります。




●専門的な動作速度の向上を目的にしたトレーニング

これは特にスピードを意識したトレーニングの中でも、競技ごとの専門的な動作におけるスピードを高めるトレーニングの事を言います。例えば短距離走ではミニハードル、ラダー、ラインタッチなど、その競技に関わる動作をしながら「できるだけ素早く足を動かす」「できるだけ素早く重心を移動させる」などを意識してトレーニングを行います。そのように実際のスポーツの動作にできるだけ近い動きでトレーニングを行う事で、競技を行っている時の動作をイメージする事ができ、パフォーマンスの向上が期待できるという訳です。




★エンデュランス・トレーニング

エンデュランストレーニングは、前述した動作スピードを高めるスピードトレーニング、あるいは特定の筋肉を鍛えるようなレジスタンストレーニングとは違い、主に全身の持久力の向上を目的にして行われるトレーニングの総称です。


●LSDトレーニング

LSD(ロング・スロー・ディスタンス:長距離・低速という意味)トレーニングは、一定のスピード(遅いペース:最大心拍数の60%程度が目安)を維持し、休息なしにできるだけ長い距離を1〜2時間程度走るようなトレーニング法です。運動強度は低いので、単純に「長い時間や長い距離を走り続ける事ができる能力」を鍛える事を目的としています。また長時間体を動かし続けるので、心臓の機能や体温調節機能の向上、あるいは末梢にある細胞の血流改善などの効果も得られます。




●ファルトレク・トレーニング

ファルトレクトレーニングは、例えば山、浜辺、坂道など、主に自然の地形を利用して行う持久系のトレーニングの事です。つまりそのような場所で行う有酸素運動の事です。それによって「環境に適応しながら走り続ける能力」を鍛える事ができる他、地形によっては心肺機能やバランス能力などを高める目的もあります。




●インターバル・トレーニング

インターバルトレーニングは「激しい運動(最大心拍数の80〜90%)」と「完全に近い休息または軽い運動」を交互に繰り返すようなトレーニング法です。特にこのトレーニング法では「短時間でエネルギーが大量に消費された状態」を意図的に作り出す事ができ、単純な心肺機能の向上はもちろんの事、それを行った際の体の反応を向上させたり、あるいはそれを終えた後の回復能力を向上させる目的があります。

メリットとしては、例えば「疲労物質が蓄積し始めるのが遅くなる」「疲労物質が蓄積しにくくなる・滞らなくなる」「疲労物質が溜まっている状態でも、ある程度体を動かし続ける事ができるようになる」「疲労物質が溜まり切った状態からの回復能力が高まる」「心臓など臓器も鍛えられる」「糖・脂肪・酸素などを効率良く使う事ができるようになる」などが挙げられます。一方、デメリットとしては肉体の消耗が激しいという事です。確かにトレーニング効果は高いのですが、これを行うためには基本的な体力及び規則的な生活習慣の改善が大前提であり、また例え健康体であっても心臓や肺の外、自律神経にも大きな負担がかかるため、毎日行う事はできません。またこれを行う場合、休養の取り方も重要になり、その管理ができなければ身を滅ぼす事もあります。

ちなみにインターバルトレーニングの中でも、更に強度の高いインターバルトレーニングの事を「HIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」と言います。これは通常のインターバルトレーニングよりも、更に短い間隔及び短時間で「全力運動と休養を繰り返す」というようなトレーニング法です。それぞれの秒数は様々ですが、例えば「10秒間全力で運動を行う→10秒間休む」を5分程度繰り返すなどの方法があり、極めてハードなトレーニング法の一つです。




●レペティション・トレーニング

レペティショントレーニングは、全力での運動(最大心拍数の100%に近い状態)と完全な休息(平常時にまで落ちるのを待つ)を交互に繰り返すようなトレーニングです。インターバルトレーニングと少し似ていますが、レペティショントレーニングでは、運動の間に取る休養にタイムリミットがなく、運動を行う間に休息を十分に取る事ができるという点が大きく異なります。つまりスタミナの向上という事よりも、どちらかと言うと「全力運動時のパフォーマンス能力の向上(2回目3回目と繰り返していくと、疲労が蓄積した状態で全力運動を行わなければならなくなる)」が大きな目的となっています。




●高地トレーニング

高地トレーニングは、平地よりも酸素濃度の低い高地で行うようなトレーニングの総称です。酸素の薄い高地での運動に体を慣れさせる事で、酸素を体に取り込む能力及び酸素を効率良く利用する能力を鍛える事ができ、平地に戻ってきた時のパフォーマンスを格段に向上させる事ができます。ただし一定期間とは言え、体に大きな負担をかける事になるため、専門的な指導が必要になります。また効果は一過性のものであり、平地での生活を続ける事でもとに戻ってしまいます。尚、登山のようにその日の内に、あるいは数日程度で帰る場合とは異なり、高地トレーニングでは長い期間高地にいて体を慣れさせます。1日2日程度山を登るだけではあまり意味がありません。




★コンバインド・トレーニング

コンバインドトレーニングとは、様々なトレーニングの要素を複合したトレーニングの事を言うとされています。明確な基準で分類されている訳ではありませんが、目的によって様々なトレーニング法があります。


●サーキット・トレーニング

サーキットトレーニングは様々な種類のトレーニング法を組み合わせ、それを順番に行っていくトレーニングの事です。簡単に説明すると、1回の実施に数十分間の制限時間を設け、その制限時間を数秒〜数十秒あるいは数分ずつ区切ります。例えば10個のトレーニング種目を行う場合、1回数十秒に設定し、その数十秒で1つのトレーニング種目を行い、それを終えたら数秒〜数十秒休憩、再び同じように数十秒で1つのトレーニング種目を行い・・・というように、10個のトレーニング種目を順番に回っていきます。

続けて行う事になるため、トレーニング種目の数や内容、1つ1つのトレーニングで扱う負荷(基本は低負荷・高反復で行う)、全体の制限時間・休憩時間・1つ1つのトレーニングの時間の設定の仕方によっては、ハードなトレーニングになる事があります。




●クロス・トレーニング

クロストレーニングとは、特定の競技におけるパフォーマンス能力を向上させる際に、その競技とは全く別の競技のトレーニングを取り入れるというトレーニング法です。

例えばラケットを使ったスポーツならバドミントンとテニス、格闘技ならボクシングと空手、投てき競技なら野球とやり投げ・・・などというように、例え違うスポーツであっても、似たような動作を行うスポーツはたくさんあり、その動作をトレーニングに取り入れる事は十分にあり得ます。しかしクロストレーニングでは、本当に全く別のスポーツの動作をそのトレーニングに取り入れます。例えば綱を腕の力だけで登るとか、タイヤを引くとかひっくり返すとか、そういう事ですね。

傍から見るとそんなトレーニングをして何の意味があるの?と思えるようなトレーニングも中にはありますが、主にリラックス、新しい刺激、頭の体操、あるいは単純に基本的な筋力・スピード・筋持久力の向上を目的として行います。




●コーディネーション・トレーニング

コーディネーショントレーニングはいわゆる「調整力」を鍛えるためのトレーニング法です。調整力というのは、体を隅々まで細かくコントロールする能力の事であり、細かな動作、あるいは複雑な動作を行って神経系を刺激する事を目的としています。主に頭の体操と言えます。そのためやはり行う事には制限がなく、他のスポーツの動作を取り入れる事もあります。




●ファンクショナル・トレーニング

ファンクショナルトレーニングはいわゆる「機能性」を高めるためのトレーニング法です。機能性というのは、実際に行っている競技の動きに近い動作でトレーニングをするという事です。筋力トレーニングと言うよりは「動作確認」という感じで、例えば特定の動作を反復する事で、その動作をスムーズに行えるようにフォームを改善したり、怪我からの復帰あるいは予防などの目的があります。もちろん方法によっては筋力、スピード、筋持久力を向上する事もできます。




●スタビリティ・トレーニング

スタビリティトレーニングはいわゆる「安定性」を高めるためのトレーニング法です。安定性とは、簡単に言えば体が上下左右前後にブレないためのバランス能力の事で、例えばバランスボールの上でバランスを取ったり、バランスディスクに片足で立って誰かに体を押してもらうなどのトレーニングがあります。




●アジリティ・トレーニング

アジリティトレーニングとはスピードトレーニングの中でも、特に「敏捷性」を高めるためのトレーニング法を言います。敏捷性とは単に素早く体を動かす事ではなく、「できるだけ正確に」素早く動かす能力の事です。また常に一定のリズムを保って行うようにする事で、疲労が蓄積した状態での素早い動作を行う能力や、その際の集中力の向上なども目的としています。




●クイックネス・トレーニング

クイックネストレーニングとは特に「俊敏性」を高めるためのトレーニング法です。俊敏性とは単純に「体をできるだけ素早く動かす」ための能力の事であり、前述したスピードトレーニングとほぼ同じ意味です。




●SAQトレーニング

SAQトレーニングとはスピード(S)、アジリティ(A)、クイックネス(Q)の総合的な向上を目指すための専門的なスピード・トレーニングの事です。




●バリスティック・トレーニング

バリスティックトレーニングとは、筋肉を瞬間的に収縮させていきなり最大筋力を発揮し、次の瞬間には脱力するという事を目的にしたトレーニング法です。プライオメトリクストレーニングと少し似ていますが、あちらは「筋肉が勢い良く伸ばされた後、その勢いを利用してすぐに収縮する」ようなトレーニングです。一方、こちらは「完全に脱力させた状態→瞬間的に最大筋力を発揮させる→瞬間的に完全脱力させる」というようなトレーニングであり、微妙に異なります。




●ホリスティック・トレーニング

ホリスティックトレーニングとは、瞬発的なトレーニングを行った後、持久的なトレーニングを行い、それを交互に繰り返すようなトレーニング法の事を言います。これにより両者のトレーニング効果を得ながら、インターバルを短くする事ができ、短時間で効率的にトレーニングを行おうとします。


●スプリント・トレーニング

スプリントトレーニングとは、短時間での全力運動時のスピードを高めるようなトレーニング法です。レペティショントレーニングと少し似ていますが、レペティショントレーニングではどちらかというと「全力運動時の体の適応力(特に全力運動を終えた後の回復能力等)」を向上させるのが目的なのに対し、こちらは単純に「全力運動時のスピード」を向上させるのが主な目的になります。







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