ガムを噛む事と坊主にする事について

この記事では「ガムを噛む事」と「坊主にする事」について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-09-08、更新日時:2019-04-09)

野球19

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ガムを噛む事によるメリットを考える

野球選手の中には試合中にガムを噛んでいる人もいます。日本人選手ではそこまで多くないですが、日本でも外国人選手なんかはガムを噛んでいる人は結構多いです。またメジャーリーグではガムはもちろん、その代わりにナッツ類であるヒマワリの種を食べている人もいます。口に何粒も入れて、中の種を取り出して食べ、殻だけを器用に吐き出して捨てています。まずはその「噛む」という事の意味について考えてみます。

ガムやヒマワリの種を噛む事によるメリットとしては、
・退屈を和らげる、集中力を高める、緊張を和らげるなど
・強く噛み締める事により、力が入りやすくなる
・歯を保護するクッションとしての役割
・唾液の分泌による口内環境の改善
・エネルギー・ミネラルの補給(ヒマワリの種の場合)
などが挙げられます。

ガムを噛み続ける事では絶えず顎を動かしています。これは一般の人が行う、いわゆる「貧乏揺すり」と同じで、何もしていない事によって生まれるストレスを和らげる効果があると言われています。そもそもスポーツ選手は絶えず体を動かす事によって心を落ち着かせています。決まった動作を行う「ルーティン」もその一つであり、ガムを噛む事はそのルーティンと同じような役割があります。

また何か大きな力を発揮する際には、大抵、奥歯を強く噛み締めています。つまり強く噛み締める事で力を入れやすくなり、一時的にではありますが、筋力を向上させる効果もあると言われています(実際、握力が上がったという実験結果もある)。尚、そうして大きな力を発揮する際に、歯を強く噛み締めた場合、歯や歯茎には大きな負担がかかり、人によってはそれを繰り返す事で、次第に歯がボロボロになってしまう事があります。そのためガムは歯や歯茎のクッションとして保護してくれる役割もあります。

この他、噛む事では唾液の分泌を促す作用もあります。人間は顎の運動(咀嚼)によって唾液の分泌を行い、それによって食べ物を消化しやすくしています。一方、唾液には口の中の乾燥を防ぎ、菌の繁殖を抑えたり、歯の再石灰化を促す作用もあるため、この分泌が減る事では歯周病や虫歯などになりやすくなると言われています。すなわちガムなどを噛む事で、むしろ歯の健康を維持する効果がある訳です。またガムを噛んでいる間は鼻で呼吸するため、口呼吸が改善される事で免疫力が高まったり、口や顎の筋肉が使われる事で、シワなどの予防や歯並びの改善にも繋がると言われています。

尚、これは普段の食事でも言える事です。食べ物をよく噛み砕いて食べる事では、そのように口内環境及び歯にとって良い事はもちろん、消化吸収もスムーズになり、胃や腸などの臓器にとっても良い事です。また消化吸収がスムーズになれば、摂取した栄養素が効率良く身になります。せっかく体に良い食べ物を食べているのに、それが効率良く吸収されずに外へ出てしまっているとしたら、それは非常にもったいない事です。日々の食事の時間を活かすためにも、よく噛んで食べるようにしましょう。その意味では少し歯応えのある食べ物(硬すぎるのは逆に歯に良くない)を取り入れるのも良いかもしれません。



一方、ガムを噛む事によるデメリットとしては、
・噛む歯が左右どちらか、あるいはどこかの歯に偏ってしまう事がある
・成長期では顎が発達しやすくなる=歯並びは良くなるが、骨格的に顎及び顔が大きくなる
・ガムが不意に噛めなくなった時、本来の能力を発揮できない事がある
・ガムがあるなしに関わらず、強く顎を噛み締めるのが癖になってしまう事がある
・「ガムを噛んでいる人」に対し、良い印象を持っていない日本人はかなり多い
などが挙げられます。

元々左右どちらか一方の歯で噛む癖がある場合、ガムを噛み続ける事で、歯及び顎の左右のバランスが崩れてしまう事があります。特に顎の位置は、最近ではバランス感覚にも大きな影響を与えているという事が研究で明らかになってきており、顎→頭や首→脊柱→腰というように、かみ合わせが全体的な身体感覚へ悪影響を及ぼす事があります。また元々歯並びが悪く、噛み合わせが上手くできない人では、噛み続ける事で肩コリや頭痛にも繋がる事があります。


野球をするために何故坊主にする必要がある?

最初に言うと私は坊主は反対です。何故反対かと言えば、何故坊主である必要があるか全く分からないからです。

坊主にする事によるメリットを考えてみると、
・髪の毛のケアが最小限で済む(ただし長髪であっても野球の時間を奪う事はない)
・髪の毛が視界に入らない(ただし帽子やヘルメットを被れば長髪でも問題ない)
・髪の毛がない分、頭が数g程度軽くなる(誤差)
・頭を動かしても頭髪が乱れない(帽子やヘルメットであれば問題ない)
・頭髪が風や雨の影響を受けない(帽子とヘルメット・・・)
・周囲と見た目が似る(協調性とかチームワークと結びつける人が多いため)
・監督に気に入られる(素直に従っているから、というだけ)
・周囲に悪い印象は与えない(坊主=当たり前という印象が強いため)
などが挙げられます。

一方、坊主にする事によるデメリットを考えてみると、
・紫外線による頭皮へのダメージが軽減されない
・日光によって脳の温度が上昇しやすい
・汗が垂れ流し状態になり、頻繁に拭かなければならない
・雨が降った時、目にそのまま水が流れやすい
・個性を表現する手段が一つ減る
・頭をぶつけるなどした時、頭皮が傷つきやすい
・頭皮が乾燥しやすい
・冬や風の強い日は寒い
・従順な人間だと思われ、都合良く利用される可能性がある
等が挙げられます。

逆に髪の毛を伸ばす事によるメリットを考えてみると、
・髪の毛で自分を表現する事ができる
・自分の主義主張を行う事ができる人間だと周囲にアピールできる
・周囲が皆坊主であれば目立つ(注目してもらいたい場合)
・紫外線から頭皮を守る事ができる
・日光による脳の温度上昇を抑える事ができる
・擦り傷や切り傷を抑える事ができる
・洋服の選択肢が変わり、普段の身だしなみに対する意識がむしろ高まる

一方、髪の毛を伸ばす事によるデメリットを考えてみると、
・風によって乱れる(帽子やヘルメットを被っていれば問題ない)
・視界に入る(帽子やヘルメットを被っていれば問題ない) ・身だしなみのための時間・お金が必要になる(野球の時間を奪うようなものではない)
・周囲が皆坊主であれば目立つ(目立ちたくない場合)
・負けた時など、事ある毎に「髪の毛のせい」などと言われる
・不真面目、清潔感がない、協調性がない、反抗的、反社会的などと言われる
・変わった人、異常な人、おかしな人、非常識な人などとして扱われる
等が挙げられます。

指導者というのは野球選手としての能力を伸ばす事だけが仕事ではありません。選手の持っている個性を最大限に引き出し、その個性を表現する術を一緒に考えていく事も、指導者としての重要な仕事です。選手が坊主にする事を、指導者あるいは周囲が強要する事は、それとは大きく矛盾していると思います。

何より、坊主にする事では野球が上手くなる訳でもなければ、筋肉がつくわけでも、精神力が高まる訳でもありません。学校では「長髪禁止」を校則にしている学校も多く、最近までは髪の毛の色まで黒に染めさせるような学校もありましたが、それと同じ事です。何故髪の毛を伸ばす事がいけない事なのでしょうか。何故黒髪でないといけないのでしょうか。髪の毛の長さでテストの成績が変わったり、物事に対する姿勢が変わったりするのでしょうか。意味のない伝統は続けるべきではありません。

尚、坊主に限らず、「世の中で当たり前とされている事」に対して自分の意見をしっかり言うためには、具体的な主義主張を持っており、その主義主張の元となる基本的な知識があり、かつ主義主張を行うための言葉や表現をたくさん知っていて、周囲の事をあまり気にしないような精神的な強さも必要になります。それを指導する事こそが「教育」であり、それができる指導者が「優秀な指導者」だと私は思います。