有酸素トレーニングに関わる用語

「有酸素トレーニングに関わる用語」を説明します。

尚、私は専門家ではないので、
間違っている箇所もあるかと思いますがご了承下さい。 
 
 
・無酸素性作業閾値(Ananerobic Threshold、通称:AT)
無酸素運動の強度を上げていくと乳酸が溜まりますが、
その乳酸が増え始める最初のポイントの事を、
無酸素性作業閾値、通称「AT」と呼びます。

乳酸は少し出ますがまだまだ処理し切れているレベルで、
筋肉内や血液内に溜まる事はありません。
ので、筋肉の動き自体は鈍りませんが、
疲労感を感じ始める最初のポイントとなります。

トレーニングを続けていくと、
次第に同じ負荷ではその疲労感も感じなくなっていきます。
これは筋力の増加や糖のエネルギー効率が上がった事によって、
ATのポイントが上昇したのが原因です。

ATのポイントが上昇すると、
後述するLTのポイントも上昇し、
結果として乳酸が溜まるのを遅らせる事ができます。

まず基本的なのは乳酸を作らないようにする事です。
これはピッチングの技術を上げて乳酸を作る量を少なくする事と、
ATのポイントを上げ、乳酸が作られるのを遅らせる事が必要になります。

投球技術が向上すると、
楽に相手バッターを抑える事ができるので、
それによって乳酸を作る量を少なくする事ができます。

一方、トレーニングではATとなるギリギリの運動強度、
つまり疲労感を感じるか感じないかの境界でトレーニングを行う事で、
ATのポイントを上げる事ができます。

ちなみに乳酸が溜まる=糖がエネルギーとして使われているので、
有酸素運動で脂肪を燃やす場合には、
AT以下の運動強度にし、
乳酸をなるべく出さないように行うと効果的です。

余談ですがATに至らないような運動強度では乳酸が作られないので、
酸素と体を活動させるエネルギーさえあれば、
永遠に運動を続ける事ができます(笑)
まぁとても現実的ではないですけどね。



・乳酸性作業閾値(Lactate Threshold、通称:LT)
無酸素性作業閾値のポイントを超えてある程度すると、
今度は血中の乳酸の濃度が急激に上昇し始めるポイントに当たります。
そのポイントを乳酸性作業閾値、通称「LT」と呼びます。

これは乳酸の生産に処理が追いつかなくなっている状態で、
筋肉内・血液内に乳酸が溜まり、
筋肉の動きが鈍くなり、大きな疲労感を感じます。

トレーニングによって乳酸の処理能力が上がるとこのLTも上昇します。
また、前述した通りATを底上げする事で、
乳酸を作るのを遅らせる事ができれば、このLTも自然に上昇し、
乳酸が溜まり始めるのを遅らせる事ができます。

LTが上昇すれば乳酸が作られにくく、
かつ例え乳酸が作られても処理する事ができるようになり、
血中に乳酸が溜まりにくくなります。
つまり、疲労を感じにくくなる訳です。

しかしいくらトレーニングしたり投球技術が向上しても、
乳酸というのは必ず作られるものです。
ので、ここでは乳酸が作られてしまった時にどうすべきか、という事を考えます。

つまり、乳酸をこれ以上作らないようにする(投球技術の向上)事と、
乳酸を処理する能力を高める事=LTのポイントを上げる事が必要になります。

投球技術が向上すると、
疲労感を感じつつも粘り強く相手バッターを抑える事ができるので、
それによって乳酸が溜まり過ぎないようにする事ができます。
上記の通り、乳酸が溜まり過ぎると体が動かなくなってしまうからです。

一方、トレーニングではLTとなるギリギリの運動強度、
つまり乳酸が急激に増える境界でトレーニングを行う事で、
LTのポイントを上げる事ができます。



・血中乳酸蓄積開始点(Onset of Blood Lactate Accumulation、通称:OBLA)
乳酸性作業閾値のポイントを更に超えて、
血中の乳酸の濃度が4mmol/Lとなるポイントの事を、
血中乳酸蓄積開始点、通称「OBLA」と呼びます。

mmol/Lとは「ミリモルパーリットル」と読み、濃度を表す単位の一つです。
1リットル中に溶けた物質量(4ミリモル)を示しています。
まぁ簡単に言うと、血液中の乳酸の濃度が濃くなった状態ですね。

そして有酸素運動の強度を上げていくと、
次第に酸素がエネルギーとして使えなくなり、
代わりに主に糖をエネルギーとした無酸素運動をせざるを得なくなります。
そのポイントがこのOBLAです。

トレーニングによってATやLTが上がり、
血中の乳酸の量が増えにくくなれば、
OBLAに至るまでの時間を長くする事ができます。

ただし、どんなにトレーニングを行っても、
運動の強度を上げていけば誰でもOBLAに至ります。
OBLAに至ってしまった人は乳酸が溜まり過ぎて体が動かせなくなり、
運動の持続時間が極端に低下します。

例えば長距離走のラストスパートがこれに当たります。
ラストスパートは「ラスト」と言うだけあって長続きしませんよね。
それはOBLAに至ってしまうからなのです。

ですのでここでは、
LTに至ってもOBLAには至らないようにする事と、
OBLAの状態から早く回復する事が必要になります。

OBLAに至りやすい全力投球を続ける事を避けるには、
やはりこれも投球技術の向上が必要です。
一方、OBLAの状態から早く回復するには、
乳酸の処理能力を鍛える事などが必要です。

乳酸の処理能力を鍛えるには、
OBLA、つまり乳酸が溜まった状態をキープするようなトレーニングを行います。
(乳酸が溜まったまま行うのでかなりきついトレーニングです)



・換気性作業閾値(Ventilation Threshold、通称:VT)
有酸素運動の強度が増加すると、
ある所から急に二酸化炭素の排出量が増加します。
そのポイントを換気性作業閾値、通称「VT」と言います。

何故、二酸化炭素を吐く量が増えるのかというと、
まず筋肉を収縮するためにはATPというエネルギーが必要なんですが、
有酸素運動では常に筋肉を動かすため、
枯渇しないようにATPを作り続けなければなりません。

ATPを作る際には酸素が使われていますが、
運動の強度を上げていくと、
酸素を使わずに糖を優先的に使ってATPを作り出します。

糖がエネルギーになって使われると血中に乳酸が溜まりだし、
筋肉の動きが鈍くなります。
その乳酸を処理しようとする時に二酸化炭素が出ます。
これによって二酸化炭素の吐く量が増えるのです。



・最大酸素摂取量(Vo2max)
1時間当たりに取り入れる事のできる最大の酸素の量の事を、
最大酸素摂取量、通称「Vo2max(ブイオーツーマックス)」と呼びます。

心臓の筋肉が強くなり、心臓が大きくなれば、
1回の脈拍でより多くの血液を運ぶ事ができるようになり、
血流が増え、全身に酸素を行き渡らせる能力が上がります。

酸素を取り込むのは呼吸ですが、
1回の呼吸で肺が取り込む事のできる酸素量が増加すれば、
全身へ運ばれる酸素の絶対量が増えます。

また、血管の末梢には毛細血管という細かい血管があり、
その毛細血管の数が増える事で、
全身隅々まで酸素を行き渡らせる事ができます。

その他、酸素を運ぶ赤血球(ヘモグロビン)量の増加、
酸素を利用してエネルギーを生み出すミトコンドリアの増加などによって、
筋肉などが利用する酸素の量が減少し、
全身で効率良く酸素を使えるようになります。

このようにVo2maxには様々な要素が関わっています。
トレーニングによってこのVo2maxが上昇すれば、
酸素を必要とする有酸素運動をより長い時間行えるようになります。

よくマラソンランナーが高地トレーニングを行いますが、
あれは酸素が少ない環境に身を置く事で、
酸素を取り込む能力を鍛える=Vo2maxが上がるのです。

Vo2maxは上記の通り様々な要素で決められていますが、
これはトレーニングによる体の適応によって上げる事ができます。
酸素を必要とする運動すなわち有酸素運動を行う事で、
体を適応させ、Vo2maxを上げる事ができます。

具体的にはATに至らない程度の運動を行い、
深く呼吸を行って全身に酸素を行き渡らせるようなトレーニングが必要です。
その他、強度の高い運動で心臓自体を鍛える事も必要になります。



以上をまとめると、
この内のAT、LT、OBLA、Vo2maxは、
パフォーマンス能力を決める重要な要素です。

トレーニングによってAT、LTのポイントが高くなると、
無酸素運動の持続時間が長くなり、
乳酸が作られるのを遅らせ、かつ乳酸が処理しやすくなります。
それによって疲労感によって起こるパフォーマンス能力の低下が抑えられます。

例えば野球では全力投球を行い続けると乳酸が出始め、
投球回を重ねるごとに乳酸が溜まり、疲労が強くなっていきます。
ATのポイントが上がると乳酸が出始めるのを遅らせる事ができ、
LTのポイントが上がると急激に乳酸が溜まるのを抑える事ができます。
それによって試合終盤までスタミナを維持する事ができるようになります。

また、ATやLTのポイントが高くなるとOBLAに至るまでの時間を長くする事ができます。
それによって試合中安定したパフォーマンスを行う事ができます。

例えば「ここは必ず抑える」という時に全力投球を行うと、
一気に乳酸が溜まって大きな疲労感を伴います。
それを繰り返すと体の動きが鈍くなり、どんどんパフォーマンス能力が低下していきます。
その回に抑えても次の回に疲労で体が動かなくなっては意味がありません。
OBLAに至るのを遅らせる事ができればそういう事を防ぐ事ができるという訳です。

そしてVo2maxが上がると酸素の量が増えるので、
有酸素運動の効率や持続時間を長くする事ができます。

糖を利用した無酸素運動では、
体の動きを鈍くし、疲労感を感じさせる乳酸が作られ、
AT、LT、OBLAとどんどん溜まっていってしまいます。

有酸素運動を利用する事で乳酸を作る量を減らす事ができます。
その有酸素運動のエネルギーとなるのが酸素ですから、
酸素を取り込む量を増やす事=Vo2maxを上げる事で、
根本的なスタミナの増加を図る事ができます。

ピッチングにおいては乳酸が溜まりやすい無酸素運動よりも、
酸素をエネルギーとする有酸素運動の方を利用した方が疲れを感じにくく、
より長いイニング安定したパフォーマンスを発揮する事ができます。
そういう意味では投球技術の向上もスタミナを上げるポイントになります。



以上です。
詳しいトレーニング法についてはいずれ。
posted by SaruyaMichael at 17:00 | TrackBack(0) | 筋力トレーニングメニュー集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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