いわゆる「筋肉痛」と「超回復」について考える

この記事ではいわゆる筋肉痛と超回復などについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

※当記事作成日時:2013-11-30、最終更新日時:2019-12-03

★当記事の目次

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★そもそも筋肉痛とは?何故起こる?

いわゆる「筋肉痛」とは、激しく体を動かした次の日やその次の日において、特定の筋肉に特有の痛みを伴う症状の事を言います。何が原因で筋肉痛になるのかについては様々な説がありますが、現在では「運動中に生成された疲労物質や老廃物等(乳酸やリン酸等)が蓄積し、それが神経を刺激する」事によって起こると言われています。

特に筋肉痛は「筋肉が伸ばされながら力を発揮するような収縮(エキセントリック・コントラクション:伸張性筋収縮)」を繰り返す事で起こりやすくなると言われています。例えば通常の筋トレでは筋肉を伸ばす際、一気に伸ばすのではなく、負荷に耐えるようにして、やや緩やかに戻します。何故そのような事をするのかというと、その方が筋肉を縮める時だけでなく、筋肉を伸ばす時にもストレスを与える事ができ、短時間で効率的なトレーニングが可能になるからです。つまりその際、敢えて脱力して筋肉を伸ばす事で、筋肉へ与えるストレスを軽減し、筋肉痛を抑える事ができます。

一方、ある程度軽い重量を用いる場合にはそれでも良いのですが、筋肉に対して大きな負荷を与える「筋肥大を目指すようなトレーニング」の場合、大きな重量を扱うため、一気に筋肉を伸ばすと怪我のリスクが高くなります。安全のためにも、筋肉が伸ばされる時にはやや緩やかに伸ばす必要があるでしょう。よって高負荷のトレーニングではやはり筋肉痛は避けては通れません。



★「筋肉痛=筋肉の修復」とは限らない

筋肉痛が起こる・起こらないに関わらず、筋肉に対してストレスが与えられていれば、筋肉は成長する事ができます。つまり「筋肉痛=筋肉の成長」とは必ずしも言えず、筋肉痛がないからと言って、筋肉が成長していない訳ではないのです。焦って筋トレの量を増やしたりすれば、オーバートレーニングになってしまう事もあるため、注意が必要です。

特に運動を行った翌日やその次の日に激しい筋肉痛になると、筋肉に上手く力が入らず、トレーニングを休止せざるを得なくなったり、あるいは不意に足を滑らせるなどして思わぬ怪我に繋がる可能性もあります。長期にトレーニング計画を考える上では、毎回毎回ハードなトレーニングをするのではなく、時々は軽めのトレーニングを挟んで、筋肉痛を上手くコントロールする事も重要になる場合があります。またそれはモチベーションを維持するという意味でも重要です。



★超回復とは?そもそも何?

筋トレをする事によって起こる「筋肉の成長」は、「ストレスから身を守るために起こる反応」と言われています。つまり筋トレを行い、筋肉に大きなストレスを与えた場合、その与えられたストレスから身を守ろうとする事で筋肉の細胞が肥大化し、それに伴って筋力が上昇するという事です。

特に「筋肉痛」では、その特有の痛みを伴う事から、「炎症が起こっている」と考えている人が多いです。しかし筋肉が大きくなるのは、そのようにストレスに対する反応によるものであり、実際には炎症を伴うほどの大きな損傷は起こっていないと考えられています。つまり筋肉に対して大きなストレスを与える事ができれば、必ずしも筋肉の成長に「筋肉の細胞が傷つく事」は必要ないのです。不必要に筋肉を傷つけ、大きく損傷させた場合、それこそ怪我に繋がるだけでしょう。無理なトレーニングは禁物です。

またそのように筋肉痛では炎症が起こっている訳ではなく、実際には「筋肉の蛋白質の合成が促されている(蛋白質だけではなくグリコーゲン等の合成も促進)」方が正しいです。特に数年前までだと、「筋肉に対して大きな負荷を与え、それによって筋肉の細胞あるいは線維が傷ついた時、以前を上回るようにして急速に修復が行われる」とされ、これを俗に「超回復」と呼んでいました。現在でもこれを信じている人は意外に多いのですが、ここまでの事を踏まえれば、あまり鵜呑みにしない方が良いと私は思います。


ちなみに俗には「アナボリック(同化)」や「カタボリック(異化)」という言葉もあります。アナボリックとは簡単に言えば「筋肉の合成が促された状態」の事を言うようです。意味的には超回復と少し似ていますが、超回復はどちらかと言うと短期的な状態を指すのに対し、アナボリックは長期的な状態を指す事が多いです。特にアナボリックの状態になるためには運動と睡眠はもちろん、エネルギーが十分な状態(運動量+基礎代謝量を糖・蛋白質・脂肪の摂取量が上回る)である事が重要になると言われています。一方、「カタボリック」は「筋肉の分解が不必要に進んでいる状態」の事を言うようです。こちらはついつい不摂生をして筋肉の量が減った時に、「カタボった」なんて使い方をする事があります。



★いわゆる「バーニング」とは?

これは筋肉痛とは違いますが、瞬発的な筋肉の収縮(高負荷に限らない)を繰り返した場合、筋肉に焼け付くような痛みを伴う事があります。そのような症状を俗に「バーニング(バーン)」と呼ぶ事があります。

分かりやすい例で言えば、左右どちらの手でも良いので、グーとパーをできるだけ素早く繰り返してみて下さい。そのまま繰り返していくと、次第に前腕に焼け付くような感覚が得られると思います。それこそがバーニングです。これは運動を行った際に発生するアデノシンなどの代謝物が、侵害受容器(痛みを受け取る場所の事)を刺激し、神経を過敏にする事で起こると言われています。そのような感覚が得られた場合、神経系のトレーニングが効率的に行われている証拠になります。



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