瞬発力・スピード・反射神経を高める方法について考える(仮)

この記事では瞬発力・スピード・反射神経を高めるための「考え方」について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、ここではあくまで「考え方」のみを書いています。トレーニングの方法などについては過去の記事をご覧下さい。
(記事作成日時:2013-08-29、更新日時:2019-04-21)

★当記事の目次

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筋肉をよく動かし、血流を促す事でスピードを高める

筋肉は収縮する事で熱を作り出す事ができます。筋肉を収縮させる事で熱ができると、周囲の血管が拡張し、血管内を通る血液の量が増えます。つまり筋肉内に流入する血液が増えると共に、筋肉から出ていく血液の量も増える訳です。また筋肉は心臓へ血液を送り返す「ポンプ」のような機能を持っており、収縮を繰り返す事で、温めた血液を効率良く送り出す事ができます。これによって血流が促された状態の筋肉は、栄養状態が良く、筋肉にある一つ一つの細胞が効率良く働く事ができます。すなわち日常的に筋肉を動かす事で、収縮と弛緩がスムーズにできるようになり、それが瞬発力及びスピードを高める事繋がっていきます。筋トレ、有酸素運動、ストレッチ、それらに関わらない運動はもちろん、例えば同じ姿勢で長時間座るなどの日常的な生活習慣についても改善すべきです。

しかし、もし運動習慣があるのに「特定の動作のスピードが遅い」と感じる場合、それは「筋肉を上手く使えていない」という事が関係しているかもしれません。例えば大きな力を発揮する時に顎を強く噛み締めたり、肩をすくめるようにして上げたり、腕を遠くへ伸ばす時に肘が上がったり、腕だけを強く回して体が上手く連動していなかったり、腕の筋力にばかり頼るような体の使い方をしている・・・などの事が挙げられます。それらの「癖」は体を素早く動かす能力=瞬発力・スピードを妨げる原因になる事があります。

またその「上手く使えていない」という言葉の中には、緊張しいだったり、嫌な事があってストレスを感じていたり、過去に怪我をした事で肩を庇うような体の使い方になっていたりなど、メンタル的なものも含まれています。単に「筋肉の瞬発力」とは言っても、そのように原因は様々です。もしそれらに原因がある場合、スピードトレーニングなどを行っても改善が見られない場合もあり、様々な部分の改善が必要でしょう。



筋肉の収縮速度を高める事でスピードを高める

例えばボールを投げる時には、腕や肩の筋肉だけでボールを投げる訳ではありません。ボールを投げる動作には、例えば太ももの筋肉、お尻の筋肉、お腹の筋肉、背中の筋肉、胸の筋肉など様々な筋肉が関わっており、それぞれの筋肉が生み出した筋力を使って最終的にボールを投げている訳です。つまり球速はそれらの筋肉が生み出した「筋力の合計」が大きいほど速くなりますから、単純に考えれば、筋トレをして筋力を上げるだけで球速は上がるはずです。これは他の動作でも同じです。走る場合も、走る時に使われるそれぞれの筋肉を鍛えれば、足は速くなります。

そのように筋力を向上させるためには「筋肥大を目指すようなトレーニング」が必要であり、そのようなトレーニングでは「最大筋力の70〜80%」という大きな負荷をかけます。「筋トレ」と聞くと回数を増やそうとする人は多いですが、単に回数を増やせば良い訳ではありません。また最大筋力の100%前後という非常に大きな負荷をかけるトレーニングもあり、その場合、筋肥大はあまり望めませんが、筋肉の細胞一つ一つに刺激を与える事ができ、最大筋力を伸ばす事ができます。それもスピードへと繋がっていきます。

一方、そのように筋力自体を向上させるトレーニングとは別に、筋肉の収縮スピードの向上を目指すようなトレーニング(スピードトレーニング)も当然必要です。そのようなトレーニングでは、基本的に低負荷(50%以下)で、「瞬間的に素早く収縮させる(伸ばす時は脱力する)」「勢い良く伸ばした後に旧収縮させる(切り返しを素早く行う)」「急収縮を連続で繰り返す」ように行います。

尚、あらかじめ筋肥大をさせ、最大筋力が上がると、そのような筋肉の収縮スピードを向上させるトレーニングで扱う事のできる重量が上がります。よく「ウェイトトレーニングで鍛えた筋肉は使えない」などと言われますが、スピードトレーニングだけではいずれ効果は頭打ちになってしまいます。基本的な筋力があってこそのスピードなので、その点は注意しましょう。



筋肉の連動性を高める事でスピードは高まる

それぞれの筋肉が作り出した筋力は、全てがそのまま伝わる訳ではありません。例えばボールをリリースする際、直接的に関わる上腕三頭筋(腕の裏側の筋肉、肘を伸ばす際に必要)の収縮は別として、足やお腹などの筋肉は力を伝える過程で使われる筋肉だったり、力を伝える際に他の筋肉を支える筋肉だったりします。それらの筋肉の生み出した筋力をスムーズにボールへ伝達するためには、それぞれの筋肉が上手く連動しなければなりません。筋肉を使う順番やタイミングは絶妙です。

すなわち、いくらそれぞれの筋肉が生み出す筋力が大きくても、それだけでは球速は上がりませんし、足も速くなりません。真に瞬発力及びスピードを高めるためには、力を伝達する際の「ロス」をできるだけ少なくするような「体の使い方」が必要です。それを改善していくような練習あるいはトレーニングも、筋力を高めるようなトレーニングと合わせて行うべきでしょう。また筋力が上がると途端に力に頼った体の使い方になりやすいため、メンタル面も合わせて改善していく必要があります。尚、そのような「体の使い方」は怪我を防ぐという意味でも、スタミナを高めるという意味でも重要になります。



地面を蹴る前に重心を移動させる

例えば体を前へ傾けていくと、ある角度から耐える事ができなくなり、足が前へ出ると思います。この時、当然重心は前へ移動していますが、その重心の移動は、体を前へ傾けている時に既に起こっており、足を踏み出すよりも前に行われているはずです。実はそのように重心を先に移動させると、足の裏で地面を蹴ってから走り出さなくても、素早く足が前へ出るようになります。これが瞬発力及びスピードの原動力になるのです。例えば盗塁でなんかでは静止させた状態から足を出す必要がありますね。そのような「反動を使わずに行う最初の動作」を素早く行うためには、そのようなスムーズな重心の移動が重要になります。

またバッティングでも、できるだけ予備動作が少ない方が、あらゆる球種に対応できます。ボールが来る前にバットを持った腕を大きく後ろに引いたり、膝を深く曲げたり、体を一度後ろへ捻って反動をつければ、確かに飛距離は出ますが、その分、自分の予想に反したボールが来た時に対応が遅くなります。これはピッチングでもそうです。一度膝を深く曲げてから前へ踏み出したり、腕を後ろへ大きく引いたり、体を後ろへ捻ってから投げるなど、反動をつければ確かに球速は出ます。しかし各筋肉の連動が難しくなるため、制球力は低下し、何度も繰り返せば故障の原因になります。その意味では「反動をつけずに素早く動かす」ような体の使い方を覚えましょう。

ただし決して「反動は悪」という事ではありません。当然反動を上手く利用すれば飛距離も出ますし、球速も上がりますし、足も速くなります。注意すべきなのは、反動に頼った体の動かし方によって瞬発力・スピードが損なわれる事があるという事です。不要な力みは筋肉の連動を損なわせます。必要な反動は利用し、必要のない反動は最低限に留めるべきでしょう。



神経系に刺激を与える事でスピードを高める

いくら筋力が上がっても、その筋肉へ命令を出す過程がスムーズでなければ、素早い収縮はできません。それを高めるために必要なのが、神経系に刺激を与えるような練習あるいはトレーニングです。

これはあくまで一例ですが「旗揚げ」という遊びがあります。これは両手に持った旗を掛け声の通りに上げ下げするものですが、旗を動かすまでには、目や耳から得られた情報を素早く脳で処理し、また瞬時にどのように体を動かすかを判断し、それを元に旗を動かす命令を出す・・・という過程があります。練習によりその過程がスムーズに行われるようになれば、当然旗を動かす動作スピードも上がるはずです。「神経系に刺激を与えてスピードを高める」とは単純にそういう事です。特に五感から得られる情報や、その情報を元に考える事が増え、またその情報に基づいて複雑な動作が要求されるほど、神経系へ与える刺激は大きくなります。

尚、そのような神経系に刺激を与えるものに限らず、普段行っている練習やトレーニングでは、ついつい同じメニューを習慣のように続けてしまいがちです。神経系へ刺激を与えるためには、できるだけ多種多様なもの、特に今まで行った事がないような新しいものや、予想ができない動作を要求されるものを行うようにしましょう。例えば音、発された言葉、音楽、光、色、文字、相手の動作、歪な形をしたボールなど、それを元にして素早く行動に移すだけで良いので、工夫次第でいくらでも考えられます。もちろん合図なしに、決められた動作を自分で素早く行うというのも良い方法です

その他、単純に「何かの勉強をする」「ゲームをする」「本を読む」「ピアノを弾く」「クイズに答える」「絵を描く」「指先を動かす作業をする」「ダンスを踊る」などにも効果があります。これらは単純に「脳を使う」ものです。前述のように瞬時に判断して行動するようなトレーニングももちろんですが、制限時間を設けずただ「頭を使う」という事も効果的です。ただし長時間同じ姿勢でいないように注意しましょう。また神経をよく使ったら休養も必要です。睡眠習慣は疎かにしてはなりません。



ただ収縮するだけがトレーニングではない

筋トレと聞くと、筋肉を伸ばした状態から収縮させ、その収縮の際に負荷をかけるようなイメージだと思います(これはコンセントリック)。しかし筋肉の収縮の仕方には様々な方法があり、収縮したまま静止するアイソメトリック、収縮しながらも伸ばされるエキセントリック、一定の速度で収縮を繰り返すアイソキネティックがあります。

その他、例えば筋肉を収縮させる最初の瞬間にだけ負荷をかける初動負荷トレーニング、筋肉を勢い良く伸ばした後に収縮させるプライオメトリクストレーニング、低負荷で筋肉を瞬間的に収縮させるスピードトレーニングなどもあります。当ブログでは各筋肉を鍛えるためのトレーニング法を紹介していますが、そのように筋肉の収縮の仕方を変えるだけで、同じトレーニング法(スクワットでも筋肉の収縮の仕方を変えるだけで別のトレーニングになる)でも、筋肉及び神経系へ異なる刺激を与える事ができます。スピードだけに拘らず、そのように様々な刺激を与える事で筋肉のコントロール能力が向上し、それも瞬発力及びスピードに繋がっていきます。



「体を素早く動かす事」に対する考え方を変える

例えば「好きな人とのデートのために外出する」という明確な目的があった時、気持ちが前向きになり、体も自然と素早く動きます。しかし「嫌いな上司との飲み会」という目的では自然と行きたくなくなり、足取りも重くなると思います。また「とりあえず外出する」というように、目的が曖昧な場合も足取りは重くなります。まぁこれは例えばの話です。そのように自分にとって都合の良い目的・目標がしっかりあれば、体は自然と素早く動くようになります。

体を素早く動かす場合、まずはそのように目的・目標を明確化する事が重要です。野球では例えば速いボールが投げたいなどがそうです。続いてその目的・目標を達成するためには何が必要かを考えます。速いボールが投げたいなら、速いボールを投げるためにはどのようにして体を動かせば良いか?を考えます。つまり体を動かす際の順序を明確化する訳です。例えば足を上げて、足を下げて、腕を後ろに引いて、その足を前へ踏み出して、腕を上げて、体を回転させて、腕を振って・・・という感じです。続いてその順序に従って体を動かしてみます。最初はゆっくりとした動作で、自分の理想とするフォームをイメージしながら行います。すると「速い動作を行う所」と「ゆったりとした動作で行う所」がある事に気づくと思います。

「体を素早く動かす」という事で頭がいっぱいになると、全ての動作を素早く行う事に集中してしまいます。そのような状態では、速いボールを投げるために必要な、そうした一つ一つの動作の順序がデタラメになったり、順序は正しくても一つ一つのタイミングがずれたり、あるいはゆったりとした動作で溜めを作るべき所を省いたりなど、とにかく効率の悪い体の動かし方になってしまいます。それでは素早い動作ができないばかりか、様々な怪我にも繋がるかもしれません。素早く動かすと言っても、単に素早く動かせば良いという訳ではありません。反射神経や瞬発力にはそういった普段からの「意識」も関係しているのです。

尚、特に試合中では予想している事に対して体を素早く反応させる場合もあれば、予想外の事に対して反応させる必要もあり、「考えてから体を動かす」のでは間に合わない場合があります。また体を動かす度に、いちいち「素早く動かす」事を考えているのは、単純に労力の無駄です。試合中はただでさえ様々な事を想定しなければならないので、考える事が増えれば増えるほど、それは素早い動作を行う際の妨げになります。よって真に素早い動作を行うためには「考える事を減らす」という事も重要になります。またそのためには無意識レベルで素早い動作が行えるよう、練習は練習までに済ませておく事が重要です。





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