増量(バルクアップ)のために必要な食事を考える

筋肉を効率良く大きくしていくためには食事が重要です。この記事ではバルクアップのための食事法について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

※当記事作成日時:2013-08-26、最終更新日時:2019-12-08

★当記事の目次

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●エネルギーが制限されると筋肉が萎んでしまう?

筋肉を大きくする事を「バルクアップ(バルク=斤量)」と言います。特に筋肉の蛋白質を効率良く合成するためには「エネルギー(カロリー)」が必要だと言われています。これはエネルギーが長期に渡って不足した際、蛋白質の合成に関わる酵素の活性が弱まるという事が言われているからです。何故そのような事が起こるのかというと、生命活動を維持するために必要不可欠な機能の維持を最優先させるため、エネルギー消費の激しい筋肉の維持を後回しにしようとするからです。それによって少しでもエネルギーを節約しようとする訳です。


それが起こる仕組みについて簡単に説明します。

食事で摂取されるエネルギーが長期に渡って不足すると、まずエネルギーセンサーとなっている「AMPK(AMP活性キナーゼ)」という酵素が活性化されます。このAMPKが働くとエネルギーを効率良く利用しようとするため、糖や脂肪の代謝は上がります。それだけを聞くと良い事のように思います。しかしこのAMPKという酵素が活性化されると、今度は蛋白質の合成を管理している「mTOR(セリン・スレオニンキナーゼ)」という酵素の働きが抑制されます。何故このような事が起こるのかというと、糖や脂肪の代謝が上がってもエネルギーが足りない状態には変わりないので、エネルギーを多く使う蛋白質の合成を抑え、生命活動の維持に必要な組織の維持を優先しようとするからです。これこそ筋肉が成長しにくくなる一つの理由です。

またmTORという酵素が活性化されるとそれがスイッチとなり、今度は「オートファジー」という機能が活性化されます。通常、このオートファジーは蛋白質の合成が活発になった時に働くもので、余計に作った細胞、あるいは機能の低い細胞がたくさん増えて悪さをしないよう、食べて取り除いてくれる機能の事です。しかしそれが過度に働いた場合、「正常な蛋白質」までも分解され、それにより筋肉が分解されてしまうと言われています。これがエネルギーを制限した時、筋肉が萎んでしまう一つの理由です。

尚、この状態は俗に「カタボリック」とも呼ばれます。特にカタボリックの状態になり、筋肉が落ちると、筋肉の維持に必要だった糖・蛋白質・脂肪の代謝が大きく低下します。すなわち基礎代謝が大きく低下する事になります。



●単にエネルギーが十分というだけではデメリットが大きい

逆にエネルギーを十分に摂取している場合を考えてみます。

エネルギーが十分ある状態ではAMPKが抑制され、それに伴ってmTORは活性化されます。これにより蛋白質の合成が促され、筋肉は成長しやすくなります。この状態は俗に「アナボリック」とも呼ばれます。一方、組織の健康を維持するために必要なオートファジーの機能は抑制されてしまいます。つまり単に「エネルギーが十分あるだけ」だと、異常な細胞が増えやすくなるというデメリットが生まれてしまうのです。暴飲暴食あるいは不摂生が老化や癌などに繋がると言われるのは、実はこれが一つの理由になっています。

そこで「運動習慣」が重要になる訳です。運動を行ってエネルギーを消費すると、「エネルギーが制限された状態」を一時的に作る事ができます。ただし前述したように、その状態では蛋白質の合成が阻害され、そのままでは筋肉が分解されてしまいます。そのため、そこで十分なエネルギーを摂取するようにします。すると蛋白質の合成を促した状態にする事ができます。

つまり激しい運動をする→エネルギー不足→蛋白質の代謝が抑制→エネルギーを補給→蛋白質の合成を促進→再びエネルギーを消費でデメリットを打ち消し・・・という感じで、それを繰り返してバランスを取る事が重要になります。それが心身の健康を維持しながら筋肉を効率良く大きくしていくための大きな鍵になるのです。



●まずは蛋白質の摂取量について考えてみよう

増量を目的とする場合、1日に摂取すべき蛋白質の量は体重1kg当たり2〜3gが目安だと言われています。体重60kgなら最低でも120g必要です。例えば牛肉には100g中に20g前後の蛋白質と10g超の脂肪(糖はほぼ0g)が含まれています。蛋白質は1g当たり4kcal、脂肪は1g当たり9kcalなので、蛋白質80kcal、脂肪90kcalとなり、合計170kcalのエネルギーが得られます。つまり毎食時に100gの牛肉を食べる場合、蛋白質60gと脂肪30gを摂取できる上、170kcal×3回で合計510kcalのエネルギーを確保できます(動物の種類や部位などによって蛋白質や脂肪の量は大きく異なる)。

一方、体重1kg当たり2g必要な場合、それではまだ足りません。例えばプロテインには一食分に20g前後の蛋白質が含まれています。つまりプロテインを1日3回に分けて飲めば60gの蛋白質を摂取でき、牛肉と合わせれば120gにする事ができます。またプロテインのエネルギーは、60g×4kcalで合計240kcal(プロテインパウダーの量ではなく蛋白質の量で計算する。尚、糖や脂肪なども微量に含まれているので、実際にはもう少しエネルギーがある)です。これを牛肉のエネルギーと合わせると、510kcal+240kcalで合計750kcalになります。

更に、運動後にプロテインを飲む場合には同時に糖を摂取する必要があります。これはインスリンの分泌によって蛋白質の吸収率が良くなるからです。特にプロテインと一緒に飲む際の糖の量は、蛋白質の量の2〜3倍になるようにすると良いと言われています。よって40〜60g程度が良いでしょう。エネルギーを考えると、糖は1g当たり4kcalなので、40gなら160kcal、60gなら240kcalとなります。この40gの場合を前述に加えた場合、糖40g、蛋白質120g、脂肪30gを摂取でき、かつ910kcalのエネルギーが確保できます。

この他、ハードなトレーニングを行う場合、運動前〜運動直後までの間、糖やアミノ酸を含む「カーボドリンク」を利用している事があります。実際にはそれもエネルギー計算に入れる必要があります。



●糖の摂取量について考えてみよう

増量が目的の場合、糖と蛋白質はだいたい「2〜3:1」程度の割合で摂取すると良いと言われています。よって体重60kgの人が蛋白質を120g摂取する場合、最低でも240〜360gの糖を摂取する必要があるでしょう。つまり前述した40gの糖に加え、200〜320g分の糖を別途摂取しなければなりません。

例えば茶碗一杯のご飯(炊いた状態)はだいたい160g程度の重さがあり、エネルギーは270kcal前後あると言われています。米には糖だけが含まれている訳ではありませんが、糖だけを考えた場合、茶碗一杯のご飯で「60g前後」の糖を摂取できます。つまりこれを毎食時に食べるとすれば、60g×3回で180gの糖を摂取でき、前述の40gの糖と合わせれば220gになるため、少し量を増やすだけで240gにする事ができるでしょう。360gを目指す場合、単純にもう一食ご飯を追加するだけです。

尚、ご飯に含まれるエネルギーを考えてみると、茶碗一杯のご飯を毎食時に食べるとすれば、270kcal×3回で810kcalになります。それを前述したエネルギーと合わせた場合、910kcal+810kcalで合計1720kcalになります。体重60kgの場合、基礎代謝分のエネルギーだけなら、これだけでも十分な事が多いです。ただし運動量は考慮していないので、これだけではまだ足りません。後述のように脂肪を摂取し、運動分及び筋肉の維持・成長分のエネルギーを確保する必要があります。



●脂肪の摂取量について考えてみよう

筋肉を「効率良く大きくする」という事を目的とする場合、糖や蛋白質を十分量摂取できても「摂取エネルギー」としてはまだ足りません。そのためハードなトレーニングを行っている人ほど、脂肪を摂取してエネルギーを確保する必要があります。

特にエゴマ油やアマニ油は貴重な必須脂肪酸であるα-リノレン酸を摂取できるため、例え低脂肪を徹底させている場合であっても、これに関しては最低限摂取しておきたいところです。アマニ油やエゴマ油を利用する場合、1日6〜7gならば十分量のα-リノレン酸を摂取できます。脂肪は1g当たり9kcalですが、油はそのまま計算する事ができるので、6〜7g×9kcalで1日に54〜63kcalになります。

また同じく必須脂肪酸であるリノール酸を豊富に含むナッツ類を食べる事を考えます。種類にもよりますが、ピーナッツなら20粒(10g当たり)で60kcal前後、アーモンドなら20粒(20g当たり)で120kcal、クルミなら10粒(40g当たり)で270kcalあり、これらナッツ類を全て合計すると450kcalになります。この他、エネルギーに変換されやすいMCTオイルは1日30gが目安と言われているので、これも利用するとして30g×9kcalで270kcal。更に良質な脂肪(オレイン酸)を豊富に含むアボカドは1個200kcal(140g前後当たり)あります。これらを全て合計すると、54kcal+450kcal+270kcal+200kcalで974kcalになります。脂肪では「含まれている脂肪の量」ではなく、このように「エネルギーの量」で「食べる量」を決めると分かりやすいと思います。

そしてこれを前述したエネルギーに加えると、1720kcal+974kcalで合計2694kcalになります。ここまで行けば運動を多少しても筋肉が萎んでいかないほどの、十分なエネルギーを確保できていると言えると思います。ただしこれは体重60kgの場合の話で、体重や筋肉量が多い場合、脂肪の摂取量はもちろん、糖や蛋白質それぞれの量はもっと多くなります。また競技によっても大きく変わります。例えば水泳、トライアスロン、マラソンなんかではこれでもまだ足りません。3000kcalあるいはそれ以上を目指し、糖・蛋白質・脂肪それぞれの摂取の量を増やす必要があります。

尚、これは極端な例ですが、体重100kgを超すようなヘビー級のボディビルダーなんかでは、1日に蛋白質を体重1kg当たり3g、すなわち蛋白質300g(1200kcal)、糖をその2倍として600g(2400kcal)、更に運動量と基礎代謝を考慮して合計数千kcalを目指し、残りを脂肪として摂取します(これは私の個人的な考えによるもので、必ずしも正しくないので注意)。それだけ摂取する場合、食事の回数が増え、3〜4時間おきに食べる必要があります。


ちなみに「脂肪」と聞くと一般の人にとってはネガティブなイメージしかありませんが、例えばボディビルダーの人たちは、常にあのように筋肉が浮き出ている訳ではありません。彼らは大会の日に合わせて「減量」を行って極限まで脂肪を落としており、実は減量を行う以前は見違えるほどに脂肪がついていて、人によっては丸々と太って見える事もあるぐらいです。減量を行って脂肪を落とそうとすると、どうしてもエネルギー不足などによって筋肉が落ちてしまいます。そのためボディビルダーの人たちは「減量を行う前までに、できるだけ筋肉を大きくしておく」という事をし、それから減量を行っています。それだけ筋肉を大きくするためにはエネルギー、すなわち脂肪が重要なのです。



●増量中にオススメの食品まとめ

個人的にオススメの食品を挙げてみると、例えば米、パン、ソバ、キヌア、アマランサス、うどん、パスタ、餅、ピザ、ラーメン、お菓子類、ジャガイモ、サツマイモ、里芋、トウモロコシ、MCTオイル、エクストラヴァージンオイルオリーブオイル、エゴマ油・アマニ油、メカブ、コンブ、ワカメ、アオサ、ヒジキ、白・黒キクラゲ、カキ、サザエ、ホタテ、納豆、きな粉、牛乳、チーズ、ヨーグルト、ウナギ、イカ、タコ、カニ、エビ、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ヒマワリの種、ゴマ、カボチャの種、クルミ、豚ヒレ肉、豚足、牛ヒレ肉、牛テール、牛スジ、各種レバー、馬肉、鶏のササミ、鳥の胸肉、砂肝、鶏の卵、ブリ、マグロ、クジラ、カツオ、サバ、サンマ、シロサケ、アンコウ、タラ、ニシン、シラス、イクラ、タラコ、白子、アンコウの肝、フカヒレ、ニンジン、小松菜、ホウレン草、ブロッコリー、カボチャ、カリフラワー、パセリ、アスパラガス、赤・黄ピーマン、モロヘイヤ、ゴボウ、レンコン、オクラ、トマト、ウンシュウミカン、アボカド、キウイ、イチゴなどがオススメです。詳しい情報については過去の記事をご覧下さい。

増量中は糖と蛋白質の摂取を基本とし、基礎代謝+運動量に合わせて脂肪を摂取します。各栄養素の過剰摂取などの問題はありますが、食べてはいけないものには制限がありません。そのためここで紹介している以外の食品ももちろん構いません。しかしどうしても胃の容量には限りがありますから、できるだけ栄養価の高いものを食べた方が効率が良いです。その点、これらの食品の方がオススメという事です。

尚、少し前述しましたが、人によっては相当な量の食事を行わなければならず、その場合、食事の回数を増やす必要があります。一方、そうして食事の回数や量が増えるほど、同じ食品をずっと続けていくと、例えそれが好物でも精神的なストレスになる事があります。確かに栄養価は高い方が効率が良いのですが、胃に余裕があるなら、ここに書いていない多種多様な食品を利用し、食事の内容に変化をつけ、モチベーションを維持しましょう。



●増量中にあると便利なものまとめ

ここでは増量中にあると便利なものについてまとめています。尚、下記では一部しか紹介できませんが、オススメの食品は前述した通りであり、コンビニを利用すれば大抵の食材は揃えられます。

バルクスポーツ アイソプロ ナチュラル 2kg QUAKER OATS オートミール 2.26kg×2

純粋に「蛋白質だけ摂取したい」場合、余計なものが入っておらずコスパの良いバルクスポーツのプロテインを個人的にオススメします。摂取量の目安は20〜40g程度です。尚、溶かすのは水がオススメです。「プロテインシェーカーはこちらから(Amazon商品リンク)」
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これはオートミールで、穀類の中では高蛋白・低脂肪、かつミネラル・糖質・食物繊維が豊富なので、主食として利用できます。尚、「(Amazon商品検索)」もオススメです。
有機JAS フラックスシードオイル(アマニ油) 237ml ガルシア エクストラバージンオリーブオイル 1000ml

必須脂肪酸の中でもω-3脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むアマニ油です。摂取量の目安は1回1〜2g程度を毎食時などに分けて摂取するようにすると良いでしょう。ただし加熱調理には使えません。尚、これだけだとEPAとDHAが摂取できません。別途補給しましょう。

オレイン酸を豊富に含む純度の高いオリーブオイルです。オレイン酸は他の動物性脂肪酸(飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、リノール酸等ω-6脂肪酸)と比べると悪さをしないので、エネルギー源としてオススメです。また不飽和脂肪酸の中では比較的熱や酸化に強いので加熱調理にも使えます。
カリフォルニア産 アーモンド 無塩・無油 1kg 素焼き落花生(ピーナッツ) 1kg(500g×2)

脂肪・蛋白質が豊富でカロリー源として優秀、かつビタミン・ミネラルの栄養価の高いアーモンドです。ピーナッツとは栄養価の高い部分が被っていないので、組み合わせる事で食事全体の栄養価を更に高める事ができます。

アーモンドと同じく栄養価の高いピーナッツです。アーモンドとは栄養価の高い部分が被っていないので、組み合わせる事で食事全体の栄養価を更に高める事ができます。尚、何故この商品を紹介しているのかというと、安くてコスパが良いからです。
Now Foods ウルトラオメガ3 Now Foods B-50

これはω-3脂肪酸であるDHAとEPAを補う事ができるサプリメントです。このサプリメントの場合、1日1〜2粒を目安に摂取すると良いでしょう。

これはビタミンB群をまとめて補う事のできるサプリメントです。1日1粒を目安に摂取すると良いと思われます。
NOW Foods 脂溶性ビタミンC 500mg ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル
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脂溶性のビタミンCです。水溶性ビタミンCは体から失われやすく、数時間おきに摂取する必要があると言われています。一方、この脂溶性ビタミンCは朝晩1g〜ずつの摂取で済みます。特に「コラーゲン(Amazon商品リンク)」などと一緒に摂取するのがオススメです。

ビタミンとミネラルをまとめて摂取する事ができるサプリメントです。ただし含まれているビタミンB群とビタミンCの量が少ないので、前述のB-50とビタミンCを組み合わせると良いでしょう。




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