野球で起こりうる股関節・臀部・体幹(腹・背中・腰)の怪我

この記事では野球をしていて起こり得る怪我、特に股関節、臀部(尻)、体幹(腹、背中、腰)の怪我について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事はあくまで「こういう怪我がある」という事を羅列しているだけです。それぞれの治療法に関してはお医者さんの指示に従いましょう。
(記事作成日時:2013-08-22、更新日時:2019-04-24)

★当記事の目次

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●股関節に関する怪我

股関節の脱臼、関節唇・軟骨損傷、大腿骨・骨盤の骨折、疲労骨折

股関節は非常に強固な関節であり、骨盤も大腿骨も、相当強い衝撃を受けなければ折れる事はまずありません。そのためもし怪我をする場合、その殆どが突発的に起こり、大抵重症になるような大きな怪我です。一般的には車の運転中に事故を起こしたり、歩行中に車に轢かれるなどの事も考えられます。野球ではフェンス衝突や選手同士の衝突などで起こる事がありますが、股関節を開くようなフォームの場合、積み重ねによって起こる事もあります。尚、疲労骨折に関しては、運動量と食事量・休養のバランスが崩れれば起こる事があります。それでもスネ、足部、腕などと比べると珍しい方だと思います。


股関節付近の筋肉の挫傷、肉離れ、断裂

特に伸ばしている時に急に収縮させたり、あるいは収縮している時に無理やり引き伸ばされる事で起こる事があります。その場合、大抵は突発的な事故によるものです。また股関節の曲げ伸ばしを繰り返すような動作、例えばダッシュなどでも、疲労が積み重なれば起こる事はあり得ます。特に股関節を大きく開くようなピッチングフォームでは痛める事があります。主に疲労の蓄積と柔軟性の欠如によって起こるので、普段からストレッチを行う事、股関節に負担のかからないフォームにする事などが必要になります。


鼠径部痛(グロインペイン症候群)、恥骨炎、股関節痛

これは股関節付近にある腱や筋肉を痛める怪我です。特に股関節を左右に開いたり、前後に開いたり、あるいは回転させるような動作を繰り返す事で起こります。また慢性化しやすく、一度なると再発しやすいと言われています。特にサッカーや柔道などでは珍しくない怪我です。一方、野球では珍しい方ですが、股関節を大きく開くようなフォームの人ではピッチャー・バッター問わず起こる事がある他、横移動の多い守備練習を繰り返す事でも稀に起こる事があります。原因は主に疲労の蓄積と柔軟性の欠如なので、やはり普段からストレッチを行う事、股関節に負担のかからないフォームにする事などが必要になります。


O脚、X脚、XO脚

O脚とは両足を揃えた時に両膝の間が開いてしまう事、X脚は膝は揃っているのに太ももの間と踝(くるぶし)の間が開いてしまう事、XO脚とは膝までは揃っているのに踝の間だけ開いてしまう事を言います。

これは怪我とは少し違うものですが、これが起こると太ももの骨とスネの骨の方向がずれやすくなるため、股関節、膝の関節、足首の関節などその他の怪我のリスクが高くなります。原因は主に筋力低下や柔軟性の欠如、そして最も懸念されるのは生活習慣(あぐら、正座、女の子座りなど)です。ちなみにO脚は男性に、X脚は女性に多いと言われています。このため野球選手でもO脚の人は多く、それが原因で怪我のリスクが高くなる事があります。



●臀部に関する怪我

臀筋の挫傷、肉離れ、断裂

お尻には大臀筋という大きな筋肉があり、これを痛める事があります。特に伸ばされている時に急激に収縮させたり、収縮させている時に無理やり引き伸ばされる事によって起こります。転倒、つまずき、選手同士の衝突などが挙げられます。また疲労の蓄積によっても起こる事がある他、筋肉の痙攣も程度によってはここに含まれます。肉体的なケアはもちろん、体をコントロールする技術的な部分の改善が必要でしょう。尚、お尻には中臀筋(大臀筋の斜め上付近〜お尻の側面にかけて)という小さな筋肉もあり、これを痛める場合もあります。


臀部の打撲

体の後ろ側にあるので珍しいですが、デッドボール、選手同士の衝突、フェンス激突、転倒などでは起こる事があります。



●腹部に関する怪我

腹直筋や腹斜筋の挫傷、肉離れ、断裂

お腹の中央には腹直筋という大きな筋肉があり、これを痛める事があります。特に伸ばされている時に急激に収縮させたり、収縮させている時に無理やり引き伸ばされる事によって起こります。ピッチャーではボールを投げる時、体が反った状態から体を前へ倒す時に起こる事があります。バッターでは自分が想定していないボールが来た時、スイングと腰の動きがズレる事で起こる事があります。また疲労の蓄積によっても起こる事がある他、筋肉の痙攣も程度によってはここに含まれます。肉体的なケアはもちろん、体をコントロールする技術的な部分の改善が必要でしょう。尚、お腹の側面には腹斜筋という筋肉もあり、これを痛める場合もあります。「脇腹を痛める」という言葉をよく聞くように、腹斜筋を痛めるような怪我は野球選手ではそれほど珍しくありません。


腹部の打撲

デッドボール、選手同士の衝突、フェンス激突、転倒などでは起こる事があります。特にバッターの場合、脇腹はデッドボールを受けやすいです。


臓器の損傷

選手同士の衝突、フェンス激突、転倒、お腹を踏まれるなどでは起こる事があります。また通常では起こり得ないものですが、折れたバットが刺さるとかそういう事も考えられます。



●背中・腰に関する怪我

広背筋や脊柱起立筋の挫傷、肉離れ、断裂

背中には広背筋という大きな筋肉があり、これを痛める事があります。一方、脊柱起立筋は背骨に沿って存在する筋肉で、これを痛める事もあります。特に伸ばされている時に急激に収縮させたり、収縮させている時に無理やり引き伸ばされる事によって起こります。また疲労の蓄積によっても起こる事がある他、筋肉の痙攣も程度によってはここに含まれます。肉体的なケアはもちろん、体をコントロールする技術的な部分の改善が必要でしょう。ちなみに腰痛もここには含まれます。


背中・腰の打撲

体の後ろ側にあるので珍しいですが、デッドボール、選手同士の衝突、フェンス激突、転倒などでは起こる事があります。


梨状筋症候群(坐骨神経痛)

梨状筋は骨盤の中央にある仙骨(脊柱の末端部分)から、骨盤を跨いで太ももの骨(大腿骨)へと繋がっている筋肉です。この梨状筋は主に股関節を回転させる時に働く筋肉ですが、特に梨状筋の下には坐骨神経という神経が通っています。そのため股関節の回転動作を繰り返すと、その坐骨神経が圧迫され、骨盤や股関節自体はもちろんの事、そこから下の部位、例えば太もも、膝、スネなどでも痛みや痺れが出る事があります。特にそのように神経症状が出るものを「坐骨神経痛」と呼びます。もちろん転倒や衝突など大きな外力が加わる事でも起こる事があります。


腰椎分離症、すべり症

背骨には頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎とあり、それぞれ頚椎は7、胸椎は12、腰椎は5、仙椎は5、尾椎は3〜6・・・という感じで、いくつもの骨(椎骨)に分かれています。この内、腰にあるのが腰椎で、1つの椎骨の上側部分と下側部分が分離してしまうのが「腰椎分離症」です。一方、1つの腰椎が、上あるいは下の腰椎と比べて前または後に滑るような形でずれる事を「すべり症」と言います。そのため分離と滑りが同時に起こる事もあります。

特に外部から強い衝撃を受ける事で起こる事がある他、背骨を捻るような動作を繰り返す事でも起こる事があり、野球選手でも十分起こり得る怪我です。症状は様々で腰の痛み、お尻付近の痛み、下半身の痺れ、背中の張り、背中を反った時や体を捻った時の痛み・違和感などがあります。人によっては何の症状も出ない人もいますが、酷い場合には手術、長期療養が必要になります。



腰椎椎間板ヘルニア

椎間板とは椎骨と椎骨の間にある軟骨組織の事で、腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎にあるその椎間板の一部が外へはみ出してしまう事を言います。主に上半身を前へ倒すような動作を繰り返す事で起こりやすく、特に背骨に大きな荷重がかかる事でそのリスクが高まります。症状としては背中や腰の痛みはもちろん、酷い場合には痺れが出る事があります。一般の人でも起こり得るように、野球選手でも十分に起こり得るものです。これも酷い場合には手術、長期療養が必要になります。


腰椎圧迫骨折、背骨の骨折

腰椎に大きな衝撃を受けた時、1つ以上の椎骨が上下の椎骨に圧迫され、骨折してしまう事があります。それが腰椎の圧迫骨折です。野球選手では珍しい方ですが、一般的には転倒や衝突など突発的な事故で起こり得ます。その他の怪我を伴う事も多く、大抵は重症ですが、加齢によって起こるリスクは高まります。これも酷い場合には手術、長期療養が必要になります。尚、圧迫に限らない骨折に関してはよっぽど大きな衝撃を受けない限り稀です。ただし運動量と食事量・休養のバランスが崩れたり、加齢の場合にはその限りではありません。


筋膜性腰痛、ぎっくり腰など

これらは一般的に知られている「腰痛」の事です。背中にある筋肉が伸ばされている時に急激に収縮したり、収縮している時に急に引き伸ばされたり、あるいは上半身と下半身を別の方向へ捻ったりする事でも起こります。一般的には重たい物を下から持ち上げる際や、背中を丸めて上半身を前へ倒す際に起こります。また「背中の張り」という言葉のように、筋肉の痙攣なども程度によっては含まれます。酷い場合には腰はもちろん、腰から下の部位に痺れが出る事もあります。尚、寝違える事で痛める事もある他、普段から背中を丸める癖(猫背)がある場合、腰痛のリスクは更に高まります。肉体的なケアはもちろん、体をコントロールする技術的な部分の改善、更には生活習慣の改善も必要でしょう。


脊柱側弯症

脊柱側弯症とは、脊柱が物理的に左右あるいは前後に曲がってしまうものです。生まれつき曲がっている人、成長過程(身長の伸びと共に)で曲がってしまう人や姿勢が悪い状態を続けていてそれが積み重なって曲がってしまう人(骨の脆さも関係している)、更には脊柱の一部を骨折した時、正常に骨が繋がらずに曲がってしまう人もいます。

湾曲が起こる位置によって、肩・肩甲骨・骨盤・足の左右の高さがズレる事があり、それによって他の様々な怪我に繋がる事があります。特に骨盤が通常よりも前へ傾く事があり、それによっては太ももの裏側にあるハムストリングスの肉離れのリスクが高くなると言われています。著名人の中では陸上短距離のウサイン・ボルト選手もこの脊柱側弯症です。





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