野球で起こりうる肘・上腕の怪我

この記事では野球をしていて起こり得る怪我、特に肘、上腕(肘〜肩まで)の怪我について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事はあくまで「こういう怪我がある」という事を羅列しているだけです。それぞれの治療法に関してはお医者さんの指示に従いましょう。
(記事作成日時:2013-08-23、更新日時:2019-04-25)

★当記事の目次

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●肘に関する怪我

離断性骨軟骨炎(関節ねずみ)

離断性骨軟骨炎とは、肘の関節内にある軟骨が損傷する事によって起こる炎症の事です。初期では軟骨の表面が損傷し、痛みを伴うだけですが、剥がれた軟骨が関節内を移動するようになると、曲げ伸ばしの際に引っかかりなどの違和感も感じるようになります。それにより正常な曲げ伸ばしができなくなり、通常の投球ができなくなります。関節内を移動する軟骨が自然になくなるのには非常に長い時間がかかるため、炎症は慢性化しやすく、酷い場合には手術をして取り除きます。また軟骨の損傷が大きい場合には軟骨を移植します。

肘の酷使による疲労の蓄積が原因なので、ピッチャーでは職業病とも呼べるほど頻発します。予防するためには肘関節に負担のかかりにくいフォームにする事や、登板後のケア(アイシングやストレッチなど)、更には食事や睡眠など生活習慣もしっかりとする事が重要になるでしょう。尚、生まれつき関節の固定が緩い場合もあり、投げ続けて起こる人もいれば、起こらない人、あるいは起こったとしても症状が出ない場合もあります。なりやすい人では上手く付き合っていく必要がありそうです。


野球肘(リトルリーガーズエルボー、上腕骨内側上顆炎、関節炎など)

野球肘とは、肘の酷使によって起こる肘に関する怪我の総称で、その中でも「上腕骨内側上顆炎」を指す事が多いです。上腕骨内側上顆とは、その名の通り、腕の骨(上腕骨)の肘側の先端部分(肘のデッパリの所)の内側の事で、ここには前腕にある筋肉の腱が繋がっています。前腕にある筋肉を収縮させると、その筋肉の腱が上腕骨内側上顆を引っ張るため、それが繰り返される事でここで炎症が起きるのです。

特に成長期の子どもでは骨が未発達で、そうして腱が引っ張った際、上腕骨内側上顆にある軟骨が剥がれてしまう事があります。この事から「リトルリーガーズエルボー」とも呼ばれ、場合によっては手術が必要になります。選手生命にも関わる事があり、子どもを受け持つ指導者には大きな責任があります。ちなみにテニスでは「上腕骨外側上顆」の方を痛める事があります。そのためこちらは「テニス肘」と呼ばれています。


肘の靭帯損傷、靭帯断裂

そもそもボールを投げる動作というのは人間の体の構造上不自然な動作であり、上から投げる場合でも「腕を真っ直ぐ振る」事はできず、実際には斜めに腕を振っています。肩は前後左右上下とあらゆる方向へ動かす事ができる関節ですが、肘は1つの方向にしか曲げ伸ばしする事ができません。そのため斜めに腕を振る投球動作ではどうしても肘の内側や外側にストレスがかかり、特に内側では上腕骨と前腕骨を繋いでいる肘の靭帯(内側側副靱帯)を痛める事が多いのです。これはピッチャーだけではなく、野手でも遠投やスナップスローを繰り返す事では起こり得るものです。その他、フェンスへの衝突や選手同士の衝突など、突発的な事故でも起こる事があります。

やはり肘の酷使による疲労の蓄積が原因なので、ピッチャーでは職業病とも呼べるほど頻発します。予防するためには肘関節に負担のかかりにくいフォームにする事や、登板後のケア(アイシングやストレッチなど)、更には食事や睡眠など生活習慣もしっかりとする事が重要になるでしょう。


骨折、打撲、脱臼など

肘の骨は出っ張っているため、肘にデッドボールを受けた時に骨折や打撲をしやすいです。またやはりフェンスや選手同士の衝突などでも起こる事があります。衝撃次第では関節が外れて脱臼する場合もあり、脱臼時には軟骨や靭帯の損傷を伴う事が多いです。



●上腕(肘〜肩まで)に関する怪我

上腕二頭筋腱炎、腱断裂、上腕二頭筋の肉離れなど

上腕二頭筋は腕の表側(力こぶの部分)にある筋肉で、「二頭」という名の通り、内側にある短頭と外側にある長頭の「2つ」に分かれています。そして実は短頭と長頭では肩側に結合する腱の場所が異なり、内側の短頭は肩甲骨にある烏口突起(上腕骨と肩甲骨が繋がる肩甲上腕関節の斜め上付近にある横方向に突き出た突起)に、外側の長頭は上腕骨の先端部分を横断してすぐの肩甲骨関節上結節(烏口突起の斜め下にある肩甲上腕関節のすぐ上、肩甲骨側)まで繋がっています。特にこの上腕骨の先端部分が上腕二頭筋長頭の腱と擦れ合う事で炎症が起こる事があります。

ピッチャーに限らず、ボールをリリースする際には上腕二頭筋が伸ばされます。それによって腱が引っ張られるため、炎症を起こすのです。また上腕二頭筋が収縮している状態の時、急に引き伸ばされるような事があると、上腕二頭筋の筋肉の線維が裂けてしまう事もあります。それが肉離れです。


上腕三頭筋腱炎、腱断裂、上腕三頭筋の肉離れなど

上腕三頭筋は腕の裏側にある筋肉です。「三頭」という名の通り、内側にある長頭と外側にある短頭、更にその短頭は外側にある外側頭とその内側にあって腕の中央に位置している内側頭からなり、合計「3つ」に分かれています。そして短頭と長頭ではやはり肩に結合する腱の場所が異なっており、外側にある短頭は腕の骨の裏側にある先端に、一方、内側にある長頭は肩甲骨関節下結節(肩甲上腕関節の更に下)に結合しています。更にこの長頭の腱は前側からは大円筋(肩甲骨〜上腕骨側面)に、後ろ側からは小円筋(肩甲骨〜上腕骨先端の外側の側面)で挟まれるような形(棘下筋の下に小円筋、その下に大円筋がある)なっており、その間を通っています。このため上腕三頭筋の収縮を繰り返した時、ここで摩擦が生まれ、炎症を起こす事があるのです。

ピッチャーに限らず、ボールをリリースする際には上腕三頭筋が収縮し、それによって肘が伸びます。このためこの怪我は野球選手なら誰でも起こり得るものです。また上腕三頭筋が収縮している状態の時、急に引き伸ばされるような事があると、上腕三頭筋の筋肉の線維が裂けてしまう事もあります。それが肉離れです。


骨折、打撲など

腕の骨は前後を筋肉で覆われていますが、側面は覆うものがないため、そこに大きな衝撃を受けると骨折してしまう事があります。その殆どは突発的な事故によるものです。一方、打撲は腕のどの部分でも起こります。


腕神経叢損傷

鎖骨の下〜脇の下にかけては神経の束が通っており、ここに強い衝撃を受ける事で神経を損傷すると、そこから先の腕、肘、前腕、指などに運動障害が出る事があります。突発的な事故が殆どですが、投球動作を繰り返す事でも圧迫される事があり、痺れなどの症状が出る場合があります。尚、どの時点で損傷をするかによって症状の出る部位が変わります。





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