腸腰筋を鍛える事の重要性

腸腰筋を鍛える事の重要性についてです。

腸腰筋とは腰椎と骨盤を結ぶ筋肉の総称で、
いわゆる「腰のインナーマッスル」と呼ばれている筋肉です。 
股関節を曲げるために使われている筋肉は、
大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋)や、
腸腰筋(小腰筋・腸骨筋・大腰筋)、
その他では、大腿筋膜張筋、恥骨筋などがあります。

この内の大腿四頭筋(大腿直筋)は腿の前にある大きな筋肉で、
股関節を曲げていくと腿の付け根の筋肉が硬くなると思いますが、
そのように体の表面から手で触れる事ができます。

一方、腸腰筋は股関節・腰の奥深くにあって、表面から触れる事はできません。
こういう体の表面からは見えない筋肉の事を、
世間一般では「インナーマッスル」と呼んでいます。

よく知られているのが「肩のインナーマッスル」ですね。
肩のインナーマッスルは「ローテーターカフ(腱板)」とも呼ばれています。
当ブログではトレーニング法を解説していますが、
ローテーターカフを鍛えて筋肉が上手く使えるようになると、
ピッチャーは球速が上がり、速いボールを投げられるようになります。

一般の人であれば肩凝りや四十肩の痛みを緩和する事ができます。
ローテーターカフは細く、大きな筋力は発揮できませんが、
肩から先の緻密な動作をサポートしている重要な筋肉なのです。

そして股関節や腰のインナーマッスルが「腸腰筋」です。
腸腰筋は腰椎と骨盤を結んでおり、
主に腿を上げる(股関節を曲げる)時や背中を前へ倒す時に使われています。
歩く時、走る時、階段を登る時など、日常的に使われている筋肉です。

インナーマッスルですから、この筋肉も体の表面から見る事はできませんが、
腿を上へ持ち上げる時に使われる筋肉なのでそれなりに太く、
特に短距離選手は並外れてと太いと言われています。

NHKのテレビ番組(ミラクルボディ)では、
陸上短距離のアサファ・パウエル選手やウサイン・ボルト選手の、
腸腰筋をMRIで撮影した画像が放送されていました。

特にこの2選手の腸腰筋はずば抜けて太いそうです。
一般人の2倍以上もあるような太さです。
あれだけ太ければ股関節を素早く曲げる事ができるでしょう。

そうです、実はこの筋肉、鍛えて太くする事が可能なんですね。
もちろん体の表面からは見えないのですが、
鍛えると体型や姿勢も大きく変化します。

例えば海外の外国人。
男女問わず、骨盤が前傾していてお尻が上へ挙がっています。
ブラジルのカーニバルで踊っている人、有名なモデル、
格闘技の選手、陸上の選手、ダンサーなど、
日本人にはあり得ないような骨格をしています。

あれは腸腰筋の筋力が強い事によって、
骨盤を引っ張る事であのようにお尻が上へ挙がっているのです。

特に筋骨隆々のスポーツ選手(格闘技、陸上短距離)では、
腸腰筋が太い事によって内臓が前へ押し出されています。

腹筋が割れているのにお腹が膨れていて、
「お腹に何が詰まっているんだろう」という体型の選手がよくいますが、
彼らは並外れた腸腰筋の太さによって内臓が押し出され、
あのようにお腹が分厚く見えるような体型になっているのです。

日本人が黒人よりも体型が貧相に見えるのは、
黒人よりも日本人の腸腰筋が発達していないからです。
腸腰筋が発達していなければ骨盤が前傾せず、お尻も上へ挙がらないので、
元々短い日本人の足も更に短く見えてしまいます。

何故、腸腰筋が発達しないかというと主に生活環境が影響しています。
日本人の「床に座る文化」では腸腰筋は使われません。
海外は日本よりも道が整備されていな事が多く、
「山に登って遊ぶ」なんて事を小さい頃からしています。
そのようにデコボコした道を歩いたり走ったり事で腸腰筋は鍛えられるのです。

最近の日本人の子どもたちは外で遊ぶという事をほとんどしなくなっています。
そのような子どもたちが陸上をやっても、
ボルトのような選手になるのは不可能に近いのではないでしょうか・・・。

最近有名な桐生祥秀選手。
彼は普段、土のグラウンドで陸上の練習をしているそうです。
もしかしたら「土」にポイントがあるのかもしれません(笑)



腸腰筋を鍛えて太くするとどういうメリットが有るかというと、
まずは単純に歩く・走るスピードが速くなります。
腸腰筋は股関節を曲げる筋肉なので、膝を前へ出すスピードが速くなります。
必然的に足の回転も速くなり、足も速くなります。

更に腸腰筋は背中を前へ倒す動作にも関わっているため、
野球選手では姿勢の安定=フォーム・重心の安定に繋がります。

一般の人では、腸腰筋を鍛える事=股関節の柔軟性が上がる事で
歩いたり走ったり階段を登ったりという日常的な動作が楽になります。
足が以前よりスムーズに動くようになり、自然と運動を行うようになります。
つまり、自分の気付かない所で運動をする習慣が増え、
お腹周りをシェイプアップする助けとなる訳です。

腸腰筋は腰の奥深くにある筋肉ですから、
その筋肉が大きくなり、上手く使えるようになれば、
体の中から熱を生み出す事ができるようになり、
冷え性の改善はもちろんの事、脂肪も燃えやすくなります。

つまり腸腰筋を鍛えると有酸素運動の効果を上げる事ができ、
より効率良く脂肪を燃やす事ができるようになります。
太りにくく痩せやすい体になるという訳ですね。

また、骨盤が前傾(お尻が上へ挙がる)事によって、
女性ではクビレの元になり、セクシーな体のラインになります。



では、腸腰筋を鍛える方法はデコボコした道を走る以外にないのか?
という事ですが、腸腰筋は筋トレでも鍛えて太くする事ができます。
例えば代表的なものとしては「腿上げ」が挙げられます。

まず姿勢を正して椅子に座ります。
膝の角度が直角になるような位置に足を揃えて置いておきます。
左右どちらの足でも良いので片足を少しだけ浮かせます。
これが「基本の形」になります。

浮いている方の足をそのまま「ゆっくり」と上へ持ち上げていきます。
膝の角度は直角のままで、膝を胸に引き付けるイメージで持ち上げます。
(完全に胸へ付ける必要は全くありません)
反動を付けず、顔は正面を向いたまま行います。

膝を胸に引き付けるように足を持ち上げていくと同時に、
姿勢を正したまま、股関節を軸にして背中を前へ少し倒します。
この膝を持ち上げる動作と背中を前へ倒す動作は、
同時に連動して行うようにすると、より腸腰筋への刺激を増やせます。

そしてこれ以上反動を付けずには膝が持ち上がらない、
という所まで来たらそこで5秒キープします。

キープし終えたらゆっくりと上げていた足を戻し、
そして「基本の形」へと戻ります。

これが腸腰筋のトレーニングになります。
腿の上げ下げをゆっくり行うだけなので簡単ですね。
筋力のない方も可能なトレーニングです。

この腸腰筋のトレーニングは立ったまま行う方法や、
仰向けに寝て行う方法もあります。
いずれも足を伸ばした状態から膝を曲げていきます。
胸へ引き付けるイメージで行うという点では上記のトレーニングと変わりません。

ただ、腸腰筋はインナーマッスルですので、
初心者の方には意識しづらいという難点があります。
早い動作で行ったり、雑に行ったりすると、
腸腰筋ではなく大腿四頭筋などの股関節表面にある筋肉しか使われません。

動作は集中して丁寧にゆっくりと行う事が重要です。
ですので最初は重りなどを使わない方が、意識しやすく鍛えやすいかもしれません。

また、上記でも述べた通り腸腰筋は、
本来、日常の動作で鍛える事が一番望ましいです。

デコボコとした道を歩いたり、山を登ったり、
歩幅を広げて歩いたり、早足で歩いたり、
土の上でサッカーをしたりして走り回ったり・・・、
そういった事をして鍛えられる筋肉です。

トレーニングとして様々な場所を「歩く」「走る」という事も重要だと思います。
posted by SaruyaMichael at 17:00 | TrackBack(0) | 筋力トレーニングメニュー集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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