筋肉の収縮様式

「筋肉の収縮様式」について説明します。

これらを覚えればあなたもドヤ顔できます・・・たぶん(笑)

筋肉の収縮様式は以下の通りです。
・アイソメトリック(等尺性収縮)
・アイソトニック(等張性収縮)
{コンセントリック(短縮性収縮)
{エキセントリック(伸長性収縮)
・アイソキネティック(等速性収縮)
※コントラクション=(筋)収縮という意味ですが、
ここでは省略しています。

少し長いですが重要な事なのでご容赦下さい。 
 
 
まずは「アイソメトリック」についてです。
アイソメトリックとは筋肉の長さが変わらない収縮の事です。

筋肉は収縮(伸張)をする事で、
骨を腱で引っ張り関節を動かしているのですが、
アイソメトリックでは骨や関節を動かさずに、
筋肉だけが収縮(伸張)をしている状態の事を言います。

例えば、自分の力で動かせないような大きい壁を、
両手で前へ押そうとします。
この時、当然壁は重くて動きませんが、
前へ押そうとしているため腕の筋肉は収縮していますね。
これがアイソメトリックです。

もう一つの例を。
胸の前で手を合わせて合掌し、
自分のお互いの手を同じ力で押しあってみて下さい。
同じ力で押しあっているので肘関節の角度は変わりませんが、
押しているために腕の筋肉は収縮して硬くなっていますね。

このようにアイソメトリックは、
曲げたり伸ばしたりという動作がなく、関節の角度が常に一定です。
つまり「関節に動きはないけど力が発揮されている状態」。
この事をアイソメトリック(等尺性収縮)と言います。

このアイソメトリックを使ったトレーニングは、
自分の体さえあればどこでもできるというメリットがあります。

例えば、
「胸の前に手を合わせ自分の手同士で押し合う、引き合う」
「椅子に座った状態で腿を椅子から浮かせて何秒か静止する」
「腹筋の動作で45°ぐらいの位置で何秒かキープ」
「何秒か空気椅子(爪先より膝が出ないように注意)」
という感じで行う事が出来ます。

また、身の回りに簡単に動かないような固定された物があれば、
負荷や時間を自分で調整する事ができるので、
工夫次第であらゆる筋肉を鍛える事が可能となります。

一方デメリットとしては、
自分の筋力・体重以上の負荷は与えられない事や、
大きな筋肉の場合だと負荷を与える事が難しいという事ですね。

アイソメトリックトレーニングだけでは、
筋肉を大きくするのにすぐ限界が来てしまいますので、
他のトレーニングと組み合わせる必要があります。



続いて「アイソトニック」についてです。
アイソトニックはアイソ「メ」トリックの逆で、
「筋肉の長さが変化する」収縮(伸張)の事です。
(アイソ「メ」トリックと似ていてややこしいですがw)

アイソト「メ」トリックは上記でも書いた通り、
関節に動きがないので筋肉が常に同じ長さを保っています。
アイソトニックはその逆ですから、
関節に動きがあって動作の前後で筋肉の長さが変わります。

例えば、腕を伸ばした状態から力コブを作ってみて下さい。
最初の腕を伸ばした状態では、
腕の筋肉(上腕二頭筋)は伸ばされて長くなっています。
そこから腕を曲げていくと腕の筋肉(上腕二頭筋)が縮み、
それが盛り上がってできたのが力コブです。

つまり、腕を伸ばした状態と力コブができた状態とでは、
伸び縮みによって「上腕二頭筋の長さが変わっている」という事です。
この収縮の事をアイソトニック(等張性収縮)と言います。

アイソトニックは通常の筋トレで利用されています。
ダンベルやバーベルを持ち上げる時がアイソトニックです。

更にアイソトニックは、
コンセントリック(短縮性収縮)と、
エキセントリック(伸張性収縮)の二つに分けられます。



「コンセントリック」は上に書いた、
「腕を伸ばした状態から力コブを作る」時のように、
「筋肉が縮む時に力を発揮する事」を言います。

例えば手にダンベルを持って力コブを作ろうとすれば、
ダンベルを持ち上げようと上腕二頭筋が収縮します。
つまり、この上腕二頭筋は筋肉が縮みながら力を発揮していますね。
この収縮がコンセントリック(短縮性収縮)なのです。

「エキセントリック」はその逆ですから、
「筋肉が縮んだ状態から伸ばされる時に力を発揮する事」を言います。

注意すべきは「伸ばされながら力を発揮する」なので、
単純に力コブを作った状態から腕を伸ばしても、
それはエキセントリックにはなりません。

「伸ばされながら力を発揮する」とはどういう事かというと、
例えば、まず右の腕で力コブを作って下さい。
次に左の手で右の手首をがっちりと掴んで下さい。

その状態から左手は「肘を伸ばす」ように力を加えていきます。
この時、力コブを作っている右手は、
左手の力に抵抗(肘が伸ばされないように)するようにして下さい。

右手と左手の力が均等になったら、
今度は右手は左手の力にギリギリ負けるように力を弱め、
左手の力によって少しずつ肘を伸ばされて下さい。
そしてそのまま最後まで伸ばされて下さい。

これを行った時は、
左手によって右の上腕二頭筋が伸ばされていきますが、
この伸ばされている時でも上腕二頭筋は力を発揮しています。
つまり「筋肉が伸ばされながら力を発揮している」という状態です。
実はこれがエキセントリックなのです。

エキセントリックはコンセントリックよりも、
筋肉に大きな負荷がかかるという事が分かっています。
やってみると分かりますが、かなりの力を要します。
なので、筋トレの際にはエキセントリックを意識する事で、
より高いトレーニング効果を期待できます。

ただし「筋肉に大きな負荷がかかる」という事は、
逆に言えば怪我をしやすいとも言えます。
実は筋肉が肉離れをする時には、
ほとんどがこのエキセントリックの時に起こるとも言われています。

想像してみて下さい。
収縮している筋肉が急に強い力で引き伸ばされたらどうなるのかを。
おそらくその筋肉は縦や横に切れてしまうでしょう。
大きな怪我にはならなくても、
微細な損傷は起こりやすく、筋肉痛にもなりやすいです。

ですから、エキセントリックを利用してトレーニング行う際には、
十分な注意が必要なのです。

逆に言えばエキセントリックを利用したトレーニングを行うと、
エキセントリックで起こるような怪我をある程度予防する事ができます。
プロのスポーツ選手も怪我予防のために、
エキセントリックを利用したトレーニングを行なっている人が多いです。

伸ばされながら力を発揮するエキセントリックは、
日常や普通の筋トレではあり得ないような筋肉の動きになりますから、
トレーニングでエキセントリックな収縮に筋肉を慣れさせる事で
エキセントリックで起こる肉離れなどの怪我を予防する事もできるという訳です。

では、エキセントリックを利用したトレーニングでは、
どういう事に注意したら良いかというと、
ずばり「スロートレーニング」を行う事です。
ゆっくりと丁寧に行う事で、
収縮した筋肉が急に伸ばされる事を防ぐ事が出来ます。

スロートレーニングでエキセントリックの効果を得るには、
単純に「戻す時にゆっくり戻す」という事を意識するだけです。
もちろんゆっくりと行うためには、
それなりに負荷を下げないといけませんし、
通常のトレーニングよりも難しく、集中力を要しますが・・・。

例えば「腹筋」という動作なら、
起き上がった状態から仰向けに戻る時にゆっくりと戻すようにすると、
腹筋が伸ばされながら力を発揮している状態になりますから、
エキセントリックのトレーニング効果を得る事が出来ます。

これは腹筋に限らずあらゆる筋肉に使えますので、
是非トレーニングの際に意識してみて下さい。
ただし負荷を大きくし過ぎると危険なので、
その辺は十分注意して行うようにして下さい。



最後にアイソキネティック(等速性収縮)ですね。
これは常に一定の速さで筋肉の収縮→伸張を繰り返す事を言います。
(文面だけでは説明に限界があるので分かりづらかったら申し訳ないです)

例えばここに一定の速度で上下動するバーベルがあるとします。
(実際にはあり得ませんが説明に使うためなのでご容赦下さいw)
そのバーベルを手で掴んで首の後ろへ乗せ、
常に上へバーベルを持ち上げようとしてみます。

通常のスクワットではしゃがんだ状態から、
上へ持ち上げる際に腿前(大腿四頭筋)の筋力を使いますが、
この動くバーベルの場合は一定の速度で動いていますから、
下へ移動する時にも上へ移動する時にも腿前に同じ負荷がかかります。

バーベルが下へ移動する際には、
一定の速度で移動するバーベルに抵抗するために、
自分は常に上へ持ち上げようとしています。

この時には腿前の筋肉が使われ、
いわゆる「エキセントリック」な収縮が起こります。
バーベルは一定の速度で移動していますから、
結果移動する力には負けて、
「筋肉が伸ばされながら力を発揮」している状態になります。

反対にバーベルが上へ移動する時には、
そのバーベルの速度以上の速さで自分は持ち上げようとします。

この時の腿前の筋肉では「コンセントリック」な収縮が起こります。
通常のスクワットと同じように、
「筋肉が縮みながら力を発揮している状態」になります。

バーベルは常に同じ速度で移動していますから、
このエキセントリック、コンセントリックな収縮が起きている腿前の筋肉には、
休みなく常に負荷がかかり続けます。
少し難しいのですが、実はこれがアイソキネティックの特徴です。

今度はその逆にこの一定の速度で移動するバーベルを、
「常に下げよう」と引きつけるように力を加えてみます。

するとバーベルが下へ移動する際には、
腿前ではなく腿裏(ハムストリングス)の筋肉を使う事になります。
ここでは腿裏の筋肉が「コンセントリック」な収縮をしています。

逆にバーベルが上へ移動する時には、
自分はそれに抵抗するようにしゃがもうとします。
抵抗していますが結果負けて筋肉が伸ばされるので、
ここでは腿裏の筋肉が「エキセントリック」な収縮をしています。

アイソキネティックではこういう感じで、
自分が移動する方向を逆にするだけで違う筋肉が鍛えられるのです。
つまり瞬時にエキセントリックとコンセントリックを入れ替えながら、
トレーニングを行う事が出来るのです。

今度はバーベルが下へ移動する時には、
自分はより下へ引くようにし、
バーベルが上へ移動する時には、
自分はより上へ持ち上げるようにします。
(つまり上下で力の入れる方向を変えるという事)

するとバーベルが下へ移動する時には、
腿裏の筋肉がコンセントリックな収縮をし、
バーベルが上へ移動するときには、
腿前の筋肉がコンセントリックな収縮をします。

つまりエキセントリックな収縮を起こさず、
コンセントリックな収縮のみを起こさせる事が出来るのです。

続いてバーベルが下へ移動する時には、
自分はバーベルに抵抗して上へ持ち上げようとし、
バーベルが上へ移動する時には、
自分はバーベルに抵抗して下へ引こうとします。

するとバーベルが下へ移動する時には、
腿前の筋肉がバーベルの力に負けて伸ばされる形になり、
エキセントリックな収縮が起こります。
バーベルが上へ移動する時には、
腿裏の筋肉がバーベルの力に負けて伸ばされる形になり、
ここでもエキセントリックな収縮が起こります。

つまりこちらはコンセントリックではなく、
常にエキセントリックな収縮を起こさせる事が出来ます。

この2つの方法では、
バーベルが上へ移動する時には上、バーベルが下へ移動する時には下へ、
バーベルが上へ移動する時には下へ、バーベルが下へ移動する時には上へ、
という形で、バーベルが上へ移動する時と下へ移動する時とで、
自分が違う向きに力をかけていますね。

ただし何度も言うように、
バーベルは常に一定の速度で移動していますから、
上へ移動させる時も下へ移動させる時も負荷は同じになります。

アイソキネティックではこんな感じで、
常にエキセントリックな収縮だけを起こさせたり、
常にコンセントリックな収縮だけを起こさせる、
というトレーニングも出来るのです。

アイソキネティックを起こさせるような特別な機械では、
上記のように力の入れる方向を自分で変えるだけで、
鍛える筋肉や収縮様式を変える事が出来るのです。
これはアイソキネティックにしかない特徴と言えます。

分かりづらいという方は、
前述したコンセントリックとエキセントリックは、
負荷が一定であれば「アイソトニック」、
動かす速さが一定であれば「アイソキネティック」、
という理解で良いと思います。



長くなりましたが以上で終わります。

これら筋肉の収縮様式は筋力トレーニングの際に意識する事で、
トレーニング効果も大きく変わってきます。
これを知っているのと知らないとでは全然違うので、
今回説明させていただきました。

参考になれば幸いです。
posted by SaruyaMichael at 17:00 | TrackBack(0) | 筋力トレーニングメニュー集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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