お尻にある筋肉を鍛えるためのトレーニング法

この記事ではお尻にある筋肉を鍛えるためのトレーニング法について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-07-31、更新日時:2019-05-07)

★当記事の目次

ここでは当記事内の章をリスト化しています。クリックする事で直接その場所へ飛ぶ事ができます。また戻りたい場合には各章の一番下にある「当記事の目次まで戻る」をクリックする事で再びこの場所に戻ってくる事ができます。


★お尻にある筋肉を鍛える意味

お尻には全体にある大きな「大臀筋」や、大臀筋の少し上辺り〜お尻の側面にかけて斜めに走っている「中臀筋」、更にその中臀筋の裏側に「小臀筋」という筋肉があります。

この内、大臀筋は太ももの骨を後方へ引く際、背中にある広背筋や太ももの裏側にあるハムストリングスと一緒に働きます。また足の裏で地面を蹴る時にもこの大臀筋は働き、その際には太ももの表側にある大腿四頭筋と一緒に働きます。そのため大臀筋が鍛えられると、前へ持ち上げた太ももを素早く後ろへ引き、次の一歩が素早く出るようになる上、地面を蹴る事で前方への推進力も大きくなります。すなわち単純に足が速くなり、日常生活はもちろん、様々なスポーツにおいてもパフォーマンスの向上に繋がる可能性があります。

また大臀筋や中臀筋は股関節を開き、太ももを外側へ広げる際にも働きます。つまり大臀筋や中臀筋が鍛えられると、単純に横への移動もスムーズにできるようになります。その際、特に中臀筋は体が横へ倒れてしまわないよう、お腹の側面にある腹斜筋などと共に、体を横から支える役割があります。これにより体のブレを最小限に抑え、安定性を高める事もできます。これは怪我の予防に繋がり、特に腰痛の予防に効果的だと言われています。

ちなみに太ももの外側には股関節を開くための外転筋群(大腿筋膜張筋、大腿四頭筋の外側、ハムストリングスの外側など)もあり、これらの筋肉も大臀筋や中臀筋と一緒に働いています。そのため大臀筋や中臀筋だけが単独で働く事はありません。大臀筋を鍛えようとすれば、大抵他の筋肉にも刺激が入っており、また大臀筋以外の筋肉を鍛えようとした時も、大臀筋に刺激が入る事が多いです。一方、それは別の言い方をすると、大臀筋以外の筋肉の基本的な筋力や柔軟性がなければ、大臀筋の機能も効率良く発揮されないという事です。一つの筋肉に固執するのではなく、全身バランス良く鍛えるべきでしょう。


★お尻の筋肉を鍛えればクビレを作る事ができる?

どれだけ体脂肪率の低い人でも、体を横から見れば必ずお尻が大きく見えます。これは当たり前の事ですが、何故そのようにお尻が大きく見えるかと言うと、これは単純にお尻には「骨盤」という大きな骨があり、筋肉や脂肪の付き方に関係なく、元々骨格的に大きい場所だからです。つまりお尻という「元々骨格的に大きな場所」にある「大臀筋という大きな筋肉」を鍛えて大きくする事ができれば、体を横から見た時のお尻の骨格的な大きさを更に強調する事ができます。それによってはウエストの細さも強調する事ができ、いわゆる「クビレ」を更に強調する事ができます。

また筋肉を鍛えると、皮膚や脂肪が下から押し上げられ、見た目に「皮膚のハリ」が生まれます。これにより例えお尻に脂肪がついていても、弛んで見せない、すなわち体脂肪率の割に太って見せないようにする事ができます。更に下肢の運動をする事によって浮腫が改善されれば、皮膚の腫れぼったさは更になくなります。ちなみに大臀筋と比べると中臀筋は大きな筋肉ではありませんが、体を正面から見た時の体の凹凸を強調する事ができ、やはりクビレを強調する事ができます。

特に「クビレ」を作ろうとした時、多くの人はお腹の筋肉を集中的に鍛えようとします。しかしお腹の筋肉だけを鍛えた場合、お尻の筋肉との「差」ができず、むしろ寸胴のようになり、クビレは失われてしまいます。特に日本人は「お尻の筋肉を鍛えて大きくする」という考えを持っている人が少なく、またお尻が大きくなるのが嫌、足が太くなるのが嫌、膝を怪我したくない、体が重くなるなどを理由にして、そもそも筋トレ(筋トレに限らず運動全般)自体を避ける人が多いように思います。

単に脂肪を落とすだけでは、前述したように体の凹凸が強調されず、スタイルはむしろ悪くなってしまう事が多いです。食事を極端に制限せず、摂取量を管理しながら筋肉をつけていった方が、実はスタイルを良くする近道になるのです。今こそ認識を改めるべきでしょう。



★お尻の筋肉を鍛えるトレーニング法

●ヒップエクステンション

ヒップエクステンションは大臀筋を鍛えるトレーニング法です。また太ももの裏側にあるハムストリングスや、背中にある広背筋にも刺激を与える事ができます。ちなみにエクステンションとは「伸ばす」という意味があります。そのためバックキックとの大きな違いは、ヒップエクステンションでは「曲げた状態から伸ばす」事になります。

まずはスタート時の体勢を作ります。両手両膝または両肘両膝をついた四つん這いの状態になり、頭〜お尻までが一直線、かつ床と平行になるように維持します。続いて左右どちらの足でも良いので、片足を床から少しだけ浮かせ、その膝を曲げておきます。膝の角度は90度程度で問題ありません。その状態になったら、浮かせていた方の足を「膝を曲げた状態から少しずつ伸ばしていく」ようにして、太ももを体の後方まで引き上げていきます。ただしその際には背中を反らないようにします。背中を反らせるほど太ももは高く上がりますが、それだと大臀筋への刺激が減ってしまいます。

hip-extension.png

そうして膝を伸ばしながら太ももを引き上げていくと「反動をつけなければこれ以上太ももが持ち上がらない角度」まで行くと思います。その頂点で最も膝が伸びるようにしたいので、太ももを上げるまでの「膝の伸ばし方」を調節し、その伸ばし方を覚えましょう。そのようにして太ももを引き上げたら、今度は逆に、膝を曲げていくと連動させるようにして太ももを下ろしていきます。つまり膝が床スレスレとなるぐらいまで戻した時点で、膝が90度ぐらいに曲がっているようにしたいので、太ももを上げるまでの「膝の曲げ方」を調節し、その曲げ方を覚えましょう。そして再び膝を伸ばしながら太ももを持ち上げる動作へと移行させます。動作間ではできるだけ脱力しないように注意しましょう。

回数としては「膝を伸ばしながら太ももを引き上げる→膝を曲げながら戻す」を1回として合計10〜20回程度行い、上手く休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。ただしそのまま行うだけでは負荷が小さく、効率の良い筋肥大は望めません。筋力を余計に消耗するような力の入れ方をするなど工夫しましょう。また太ももの裏側か、足首の上に水か砂を入れたペットボトル、アンクルウェイト(重り)を固定し、負荷を増やして行うと良いでしょう。一方、チューブを利用する場合、膝の裏側辺りに固定し、もう片側は動かしていない足で踏むと良いでしょう。



●バックキック(キックバック)

バックキック(またはキックバック)も大臀筋を鍛える事ができる他、ハムストリングスや広背筋にも刺激を与える事ができます。尚、バックキックを簡単に説明すると「四つん這いの状態で、太ももを上げ下げする」ようなトレーニングになります。つまりヒップエクステンションのように、必ずしも膝を伸ばす必要はありませんが、ヒップエクステンションよりも太ももを高く上げる必要があるため、大臀筋への刺激は大きくなります。方法自体は簡単ですが、やはり動作間で脱力しないようにする事が重要です。

back-kick.jpg

まずヒップエクステンションとの違いはスタート時の体勢です。四つん這いという点は同じで、膝を軽く曲げた状態から始めますが、画像のように最初は踵を天井方向へ向けておきます。そしてその踵をそのまま天井へ近づけるイメージで、太ももを垂直に上へ持ち上げます。そのまま背中の高さよりも高い位置まで引き上げましょう。「バックキック」という名の通り、体の後方へ向かって足の裏で蹴るようなイメージです。そしてこれ以上反動をつけずに上がらない所まで太ももを持ち上げたら、スタートの位置に戻りますが、できるだけ脱力せず、再び太ももを持ち上げる動作へ移行させます。

そうして「太ももを持ち上げる→戻す」を1回として合計10〜20回程度行い、上手く休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。ただし同じくそのまま行うだけではやはり負荷が小さく、効率の良い筋肥大は望めません。バックキックで負荷を増やすには動かす方の「足首」に、水か砂を入れたペットボトル、アンクルウェイト(重り)、あるいはチューブ(もう片側は踏む)などを固定して行うと良いでしょう。もちろん筋力を余計に消耗するような力の入れ方をするなどの工夫も必要です。



●ヒップスラスト(ヒップリフト)

ヒップスラストは仰向けになった状態から、お尻を浮かせるようにして行うトレーニング法で、大臀筋の他、広背筋、ハムストリングスなどにも刺激を与える事ができます。尚、ヒップスラストとヒップリフトの違いは、ヒップスラストは肩甲骨までを台などに乗せた状態で行うのに対し、ヒップリフトは背中を床につけた状態で行います。つまりヒップリフトではお尻を浮かせた際に体が斜めになりますが、ヒップスラストでは体が床と平行になります。

hip-thrust.jpg

まずは床に仰向けに寝た状態で行うヒップリフトから説明します。仰向けに寝た状態で両足を揃え、その両膝を90度程度に曲げ、かつ両足の裏を床へピッタリつけます。その状態で「足の裏で床を押す」ようにしてお尻を床から浮かせていき、お腹の中央〜膝までが一直線になるようにします。そしてそこで少しキープ。キープできたら、やはり足の裏側で床を押しながら、浮かせたお尻を戻していきます。勢いをつけて戻すのではなく、少しゆっくり目にし、できるだけ脱力させないようにします。また戻していく際にはお尻を完全には床へつけず、再びお尻を持ち上げる動作へ移行させます。動作間で背中を反ったり曲がったりしないよう注意しましょう。

hip-thrust2.jpg

続いてヒップスラストですが、ヒップスラストでは肩甲骨辺りをシットアップベンチなどの台へ乗せ、斜めにもたれかかった状態で始めます。そのままお尻を床から浮かせていくと、最終的に肩〜膝までが一直線、かつ床と平行になります。そのためちょうど股関節の上にバーベルのバーを乗せて行う事ができ、ヒップリフトよりも大きな負荷を与える事ができます。その他、バーベル用のプレートを乗せて行うのも良いでしょう。


ヒップリフトもヒップスラストも、そうして「お尻を持ち上げる→5秒キープ→下ろす」を1回として合計10〜15回程度行い、上手く休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。回数をそれ以上重ねる事ができる場合、負荷が足りていないか、筋肉の力の入れ方でどこか楽をしています。できるだけ1セットがその回数になるよう、負荷の大きさを調節しましょう。



●サイドレッグレイズ改良型(中臀筋メイン)

ここで紹介するのは、太ももを体の外側に上げるサイドレッグレイズを少し改良したものです。通常のサイドレッグレイズと異なる点は、太ももを上げ下げする範囲が小さい事と、体の真横ではなく、体のやや後方で太ももを上げ下げする点です。これによりお尻にある中臀筋へより大きな刺激を与える事ができます。尚、通常のサイドレッグレイズは腹直筋や腹斜筋への刺激が大きいトレーニングです。

side-leg-raise3.jpg

まずはスタート時の体勢を作ります。横這いになり、両足を揃え、体が一直線になるようにしておきます。続いて右足を例にすると、上側になっている右足の膝を伸ばしたまま、真っ直ぐ後ろへ少し引いておきます。自分を上から見た時の左足を0度とすれば、右の股関節の角度が20〜30度程度になるよう、太ももを後ろへ引きましょう。またこの時の右足の外踝と左足の内踝は天井の方向を向いたままになっており、爪先は膝及び体全体と同じ方向を向いた状態になっています。動作間でもその向きを常に維持しましょう。その状態になったら、少し後ろへ引いた右足を脱力させ、内踝をそのまま床につけておきます。つまり「左足から肩までは一直線になっていますが、右足だけが膝を伸ばしたまま後ろへ引かれている状態」になる訳です。これがスタートの形になります。

その状態ができたら、床へつけていた右足の内踝をゆっくり浮かせ、外踝を天井へ近づけるようなイメージで太ももを持ち上げていきます。この時にはもちろん膝を伸ばしたまま行い、また太ももを少し後ろへ引いた状態を維持(上から見た時の股関節の角度を変えない)して行いましょう。そうしてこれ以上は反動をつけないと持ち上がらないという所まで来たら5秒程度キープさせます。尚、太ももを持ち上げるとは言っても、無理に持ち上げると太ももの筋肉を使ってしまうので、可動域を目一杯使って大きく持ち上げる必要はありません。小さく上げ下げします。

side-leg-raise2.jpg

左の画像は横から見た時のイメージです。そのように太ももは少しだけ上へ持ち上げ、キープし終えたらゆっくりと下げていき、内踝が床ギリギリになるまで戻します。繰り返しになりますが、この際も太ももを少し後ろへ引いた状態を維持(上から見た時の股関節の角度を変えない)し、また膝を伸ばしたまま行うようにします。そうして完全に脱力させないように注意しながら、再び太ももを持ち上げる動作へ移行させます。

この太ももの上げ下げを1回とし、1セット20〜30回程度、休憩を挟んで左右それぞれで2〜3セット行いましょう。尚、中臀筋は大きな筋肉ではないため、大きな負荷をかけても大臀筋ほどの筋肥大は起こりません。どちらかというとこのトレーニングは機能改善や異なる刺激を与える事が主な目的になります。もし慣れてきて負荷を増やしたい場合、上になっている膝の外側辺りに水か砂を入れたペットボトルやアンクルウェイト(重り)を固定、あるいは両膝にチューブを括りつけて繋ぐと良いでしょう。



●ヒップアダクション改良型

ヒップアブダクションは基本的にはマシンを使ったトレーニングになります。方法を簡単に説明すると、座った状態で開脚をし、両足を左右へ開く際、太ももの外側から押すようにして負荷をかける事で、大臀筋や中臀筋を鍛える事ができます。その他の大臀筋を鍛えるようなトレーニングと比べても、やや特殊な動作になるので、トレーニングに変化をつける事ができます。

hip-abduction2.jpg

一方、マシンを使わない方法を無理やり考えるとすれば、横這いで行う方法があります。まず横這いになったら、下になっている方の足をそのままにし、上になっている方の足は膝を伸ばしたまま前へ伸ばしておきます。左の画像のようなイメージです。その状態になったら、そのように足を前へ伸ばしたまま、爪先や膝の向きが変わらないように開脚していきます。開脚していくと太ももを床から垂直に、前から天井方向へ持ち上げる事になり、この時にお尻の筋肉に負荷がかかります。尚、最終的には爪先が斜め上を向きます。柔軟性の高い人では天井へ真っ直ぐ爪先を向かせる事もできますが、そこまで股関節を開くとお尻の筋肉への負荷が弱くなってしまうので、途中までで十分です。

負荷を増やすには自分の股関節の正面辺りにチューブを固定し、もう片方を上になっている方の膝の裏に固定しましょう。ただしやや無理な体勢で行う上、開脚する関係で、ある程度の柔軟性は必要なので、怪我予防のためにも基本はマシンを使った方が安全だと思います。

回数としては「開脚する→ゆっくり戻す」を1回として合計20回程度行い、上手く休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。ただしそれ以上何十回何百回と行っても無駄が大きくなるだけなので注意が必要です。そもそもこのトレーニングは筋肥大を目的とするものではなく、どちらかというと機能改善が目的なので、無理をして負荷を増やす必要はありません。筋力を余計に消耗するような力の入れ方をするか、もし大きな負荷を与えたい場合にはやはりマシンを利用して行いましょう。



●その他のトレーニング法

大臀筋や中臀筋は他の筋肉をメインで鍛えるトレーニング法でも刺激が入ります。例えば背中にある広背筋をメインで鍛えるバックエクステンション、デッドリフト、プローンレッグレイズ、太ももの表側にある大腿四頭筋をメインで鍛えるスクワット、フロントランジ、ブルガリアンスクワット、ステップアップ(踏み台昇降の事)などです。これらのトレーニングも合わせて行うと良いでしょう。特にこの中ではブルガリアンスクワットに大きな効果があります。尚、これらのトレーニング法については別の記事で扱っています。






×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。