手首を鍛えるためのトレーニング法

この記事では手首を曲げ伸ばしするための筋肉、あるいは肘を固定して前腕を内側や外側へ捻るための筋肉を鍛えるようなトレーニング法について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-06-20、更新日時:2019-05-11)

★当記事の目次

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★手首の動作に関わる筋肉について

ここでは前腕及び手首のそれぞれの動作と、それぞれの動作に関わる筋肉について簡単にまとめています。尚、指を動かすための筋肉や手首を動かすための筋肉については過去の記事にまとめています。詳しくは「握力を鍛えるためのトレーニング法」をご覧下さい。

まずは手首の動作に関する説明です。肘を90度に曲げて体側に固定し、手の甲を上にした状態の手首を見た時、手の平を下へ向けるようにして手首を曲げる事を「掌屈(屈曲)」、手の甲をこちら側に近づけるようにして手首を曲げる(反らす)事を「背屈(伸展)」と言います。一方、手の平を体の内側に向けた状態の手首を見た時、小指側を下へ向けるようにして手首を曲げる事を「尺屈」、親指をこちら側へ近づけるようにして手首を曲げる事を「撓屈」と言います。

これらの動作に関わる筋肉を挙げると、掌屈に関わるのは橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋などの屈筋群、背屈に関わるのは長・短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、示指伸筋などの伸筋群です。一方、尺屈に関わるのは尺骨手根屈筋、尺骨手根伸筋、小指伸筋など、撓屈に関わるのは撓側手根屈筋、長橈側手根伸筋、長母指屈筋、長母指伸筋、長母指外転筋などです。尺屈と撓屈は掌屈と背屈のちょうど中間になるように手首を曲げているので、そのように屈筋群と伸筋群の両方が関わっています。

尚、同じように肘を90度に曲げて体側に固定し、手の平が上にある時、前腕の骨を軸として手の平を内側へ捻る事を「回内」、外側へ捻る事を「回外」と言います。これは手首の動作ではなく、前腕そのものが動く動作です。この内、回内に関わる筋肉は方形回内筋、円回内筋など、回外に関わる筋肉は回外筋などの他、腕の表側にある上腕二頭筋も関与しています。

ちなみにですが、いずれも指の曲げ伸ばしに関わる筋肉が含まれているため、実際には手首の曲げ伸ばし動作「だけ」で使われる訳ではありません。



★手首の動作に関わる筋肉を鍛えるメリット

●掌屈
例えばピッチャーでは、ボールをリリースする瞬間やリリースした直後にボールを前や下へ押し込む時、あるいはボールを投げるまでの動作において、ボールにかかる遠心力を抑え込む時などに働きます。特にボールをリリースする瞬間、手首の曲げる力をボールに伝える事ができれば球速が上がりますし、球速が上がった時の安定性(失投を減らす)にも貢献します。ただし肘を伸ばすための上腕三頭筋や、ボールを振り下ろすための肩・肩甲骨周囲の筋肉などと比べれば、球速への貢献度はそれほど高くありません。

一方、バッターではあまり使われません。ただし右バッターでは左手首、左バッターでは右手首において、インパクトの直前に一瞬だけ収縮し、それが反動となる事で、その後の背屈をスムーズに行う事ができます。そのためかなり間接的ではありますが、飛距離にも貢献します。また内野手の場合、守備時のスナップスローにおいて非常に重要になります。

●背屈
ピッチャーではあまり使われません。ただしボールをリリースする直前に一瞬だけ収縮し、それが反動になる事で、ボールへ力を伝える際の補助になります。そのためかなり間接的ではありますが、球速やコントロールにも貢献しています。一方、バッターではインパクトの瞬間やその後、バットを振り上げる時に補助として働きます。そのためスイングスピードにはあまり関係しませんが、飛距離には貢献している部分があります。右バッターでは左手首、左バッターでは右手首です。

●撓屈と尺屈
ピッチャーではどちらもあまり使われません。ただし変化球を投げる時に手首を固定したり、ボールをリリースする際の補助などとして働きます。そのためコントロールには貢献しています。一方、バッターでは尺屈がバットの振り下ろし動作、撓屈が振り上げ動作に関係しています。特に尺屈は自分より遠い位置、近い位置、低い位置のボールを打つ時、インパクトの強さを維持するために必要になります。

●回内と回外
ピッチャーではどちらもあまり使われません。ただしボールをリリースする際、ボールを固定するための補助として働いているため、コントロールには貢献しています。一方、バッターの場合、バットを回転させる時に使われるため、すなわちボールの回転量が増えます。特にボールの下を擦り上げる時にバックスピンがかかるため、弾道があれば飛距離に貢献します。



★手首を鍛えるためのトレーニング

この記事では触れていませんが、握力を鍛えるようなトレーニングを行う事でも、手首の曲げ伸ばしに関わる筋肉を鍛える事ができます。また逆に手首の曲げ伸ばしに関わる筋肉を鍛えれば握力も強くなります。

●リストカール

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両手または左右どちらかの手に重り(ダンベル、両手の場合にはバーベルでも構わない)を持ちます。そして手の平が上になるように、前腕を机などの平らな面に置いて固定し、手首から先だけをはみ出させ、重りを持った手がフリーになるようにしておきます。肘は曲げても伸ばしてもどちらでも良いですが、動作の過程で前腕が浮いてしまうと、前腕ではなく上腕に力が入ってしまうので、その点には注意しましょう。

その状態になったら、ややゆっくり目に手首を曲げていきます。この際、勢いをつけて曲げてしまうと、手首の関節に余計なストレスがかかり、手首を痛める原因になるので、反動をつけずに持ち上げましょう。そして限界まで手首を曲げたら、今度は手首を伸ばすようにして、手の甲を下へ落としていきます。この際も勢いに任せて手首を伸ばすのではなく、できるだけ負荷に耐えるように意識しながら、ややゆっくり目に伸ばすようにしましょう。可動域は人それぞれ異なり、「大きく動かす」のは重要ですが、決して無理はすべきではありません。そうして限界まで下へ落としたら、再び手首を曲げる動作へ移行します。もちろんこの際もできるだけ脱力せず、スムーズに切り返し、動作が途中で止まらないように注意します。

この「手首を曲げる→伸ばす」を1セットとして20回程度、それを休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。通常、筋肥大を狙う場合、1セット10回とし、その回数ができるようなギリギリの負荷の大きさにする必要がありますが、手首は弱いので、大きな負荷を与えると怪我をするリスクが高いです。リストカールに固執するのではなく、他のトレーニングも合わせて行うようにしましょう。



●リバースリストカール

リバースリストカールは単純にリストカールの逆です。すなわち「手の甲が上」にし、その状態で手首を反らせるようにして行います。まずは前腕を机などの平らな面に置いて固定し、手首から先をはみ出させて宙に浮かせます。肘は曲げても伸ばしてもどちらでも良いですが、やはり動作の過程で前腕が浮いてしまわないように注意しましょう。その状態で手に重りを持ちます。

その状態になったら、ゆっくりと手首を反らせていきます。つまり手の甲をこちら側へ持ち上げるという事です。この際、勢いをつけてしまうと手首の関節に余計なストレスがかかるので、反動をつけずに持ち上げましょう。そして限界まで手首を反らせたら、今度は手首を曲げるようにして、ゆっくりと手の平を下げていきます。この際も勢いに任せて手首を曲げるのではなく、できるだけ負荷に耐えるようにしてややゆっくり目に曲げましょう。人によって可動域は大きく異なるので決して無理をすべきではありません。そうして限界まで下げたら、再び手首を伸ばし、手の甲を持ち上げる動作へ移行します。もちろんこの際もできるだけ脱力せずスムーズに切り返すようにしましょう。

この「手首を反らせる→曲げる」を1セットとして20回程度、それを休憩を挟んで2〜3セット行いましょう。通常、筋肥大を狙う場合、1セット10回とし、その回数ができるようなギリギリの負荷の大きさにする必要がありますが、手首は弱いので、大きな負荷を与えると怪我をするリスクが高いです。リバースリストカールに固執するのではなく、他のトレーニングも合わせて行うようにしましょう。



●ラジアルフレクション

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ラジアル・フレクションは簡単に言うとリストカールを縦にして行います。前述のリストカールと同じように前腕を平らな面に固定し、手首から先をフリーにしますが、手の平を内側に向けた状態、すなわち前腕を縦にし、親指が上に来るようします。そして小指側が端になるようにダンベルを手で持ちます。その状態から「親指側をこちら側へ持ち上げる→下げる」をゆっくりと行うのがこのトレーニング法です。この「持ち上げる→ややゆっくり戻す」を1セットとして20〜30回、それを休憩を挟んで2セット程度行いましょう。

実際にやってみると縦に手首が動きます。動かす範囲は狭く、大きな負荷を扱う事はできないので、できるだけ大きく動かすようにしましょう。ただし勢いをつけすぎると手首に良くないので、ややゆっくり目に行います。尚、チューブを使って行う事もできます。チューブの場合、親指側が端になるように持ち、小指側の延長線上にチューブを固定する必要があります。



●ウルナフレクション

ウルナ・フレクションは、簡単に言えばラジアル・フレクションを逆に、あるいは別の言い方をすればリバースリストカールを縦に行います。ダンベルを利用する場合、太ももの側面〜やや後ろ側付近に、手の甲が外側になるようにして手を置き、親指側が端になるようにダンベルを持ちます。一方、チューブを利用する場合、同じように太ももの側面〜やや後ろ側で、手の甲が外側になるようにして手を置き、小指側が端になるようにしてチューブを持ち、もう一方の端を足で踏んで固定します。

その状態になったら小指側を天井方向へ持ち上げるようにしてダンベルを持ち上げる、あるいはチューブを下から引っ張ります。ダンベルの場合もチューブの場合も、手の平が太ももの側面を擦るような形になり、やはり手首が縦に動きます。動かす範囲が狭いので、大きな負荷を扱う事はできませんが、できるだけ大きく動かすようにしましょう。そうして「持ち上げる→ややゆっくり戻す」を1セットとし20〜30回、休憩を挟んで2セット行いましょう。



●スピネーション

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スピネーションとは前腕を外側に捻る「回外」の事で、肘を固定し、前腕の骨を軸にして、「手の甲を上から外側に向ける(手の平は下から内側に向ける)」ようなトレーニングになります。

スタートの状態はリバースリストカールと同じです。まずは手の平が下になるようにして、前腕を平らな面に固定します。ただし完全には固定せず、あくまで置く・移動させない事を意識します。続いてダンベルを利用する場合、画像のように親指側でダンベルの端を持つようにします。チューブの場合、その親指側の延長上に固定し、小指側が端になるようにして持ちます。その状態になったら上になっていた手の甲が外側を向くように、すなわち下になっていた手の平が内側を向くようにして、ややゆっくり目に前腕を外側へ捻っていきます。ただし手の甲は完全には外側へ向けず、親指がちょうど天井方向を向いた角度までで留めます。

そうして前腕を捻ったら、今度は手の甲を上へ向けるようにして、すなわち手の平を下へ向けるようにして前腕を内側へ捻り、そのままスタートの状態に戻ります。この動作の際、「小指が軸になる(小指側を支点に、親指側が円を描くようなイメージ)」ように行うと、綺麗な回外ができます。この「前腕を外側へ捻る→内側へ戻す」を1セットとして20〜30回、休憩を挟んで2セット行いましょう。



●プロネーション

プロネーションとは簡単に言えばスピネーションの逆で、「回内」を行います。すなわち肘を固定し、前腕の骨を軸にして、「手の平を上から内側に向ける(手の甲を下から外側へ向ける)」ようなトレーニングになります。

スタートの状態はリストカールと同じです。まずは手の平が上になるようにして、前腕を平らな面に固定します。ただし完全には固定せず、あくまで置く・移動させない事を意識します。続いてダンベルを利用する場合、画像のように親指側でダンベルの端を持つようにします。チューブの場合、その親指側の延長上に固定し、小指側が端になるようにして持ちます。その状態になったら下になっていた手の甲が外側を向くように、すなわち上になっている手の平が内側を向くようにして、ややゆっくり目に前腕を内側へ捻っていきます。

そうして前腕を捻ったら、今度は手の甲を下へ向けるようにして、すなわち手の平が上を向くようにして前腕を外側へ捻り、そのままスタートの状態に戻ります。この動作の際、「小指が軸になる(小指側を支点に、親指側が円を描くようなイメージ)」ように行うと、綺麗な回内ができます。この「前腕を内側へ捻る→外側へ戻す」を1セットとして20〜30回、休憩を挟んで2セット行いましょう。






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