ピッチャーのバッティング・二刀流はあり?なし?

野球界ではピッチャーとバッターの両方での活躍を目指す「二刀流」が話題となっています。この記事では特にピッチャーのバッティングについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-06-16、更新日時:2019-04-06)

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★当記事の目次

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そもそもDH制とは?

DH制とは、ピッチャーの代わりに打席に立つ選手及びその制度の事で、日本語では指名打者制と呼ばれています。しかしプロ野球のパ・リーグ及び大学野球の一部の大会を除き、セ・リーグ及び高校野球やそれ以前ではこのDH制度は存在しないため、ピッチャーでも打席に入って打たなければなりません。もちろんピッチャーは「ピッチャー」であるので、ピッチングを中心に練習を行うのは当たり前ですが、一塁や二塁にランナーがいる場面ではバント、二塁や三塁にランナーがいる場面では打たなければならない場合もあり、バッティングの練習を行っておいて損はありません。特に日本のセ・リーグの場合、バントをする場面はかなり多く、一点二点が重要になるような試合(投手戦、接戦、短期決戦など)の場合、バントの役割は大きくなります。

尚、メジャーリーグはアメリカン・リーグ(ア・リーグ)とナショナル・リーグ(ナ・リーグ)に分けられ、それぞれ東部地区・中部地区・西部地区と分けられています。この内、ナ・リーグにはDH制度がないため、日本のセ・リーグのようにピッチャーも打席に入る事になります。メジャーリーグでは日本のプロ野球のように通常の野手がバントをする事はほぼありませんが、0〜1アウトかつランナーのいる場面でピッチャーに打席が回ってきた場合、日本と同じようにバントをする事があります。そのためバントの練習は必要です。

また最近では大谷翔平選手の二刀流が話題ですが、元々野手をしていてピッチャーに転向するという選手は少なからず存在するため、ナ・リーグでは元々ピッチャー登録をしている選手も、ピッチャーの代打として起用される場合があります。このためバッティング能力の高いピッチャーでは試合に出場できる機会が増える事になります。この他、延長戦、怪我、退場などにより、控えのピッチャーがいなくなった場合、元々野手登録だった選手がピッチャーとして起用される場合もあります。この場合、ピッチャーとしての殆ど経験がなくても起用される事があります。


DH制が存在しない環境でのピッチャーのバッティング

プロのように自分以外に優秀なバッターが多数いる場合、ピッチャーが「バッターと同じような高いバッティング技術を持つ必要がある」とは必ずしも言えません。しかし前述したように0〜1アウトでランナーがいる場合、バントをする事で、次のバッターに繋げる事ができるため、少なくともバントの技術に関しては習得が必要でしょう。それなりの様々な球種やコースに投げてもらい、それを狙った方向へバントする、バントしながら走って自分も生きようとする、そういった練習をしておくべきです。

一方、高校野球などの場合、プロのように優秀なバッターが多数いるような環境はむしろ珍しく、また乱打戦や投手戦になった場合、結局どちらがたくさん点を取れるかが勝敗に大きく関わる(プロとは違って「一度負けたら終わり」という事も大きい)ため、ピッチャーのバッティング能力が必要となる場面はかなり多いです。そのため「打てるピッチャー」がいても、損はないどころか、チームの戦力にとって大きなプラスになるため、もし余裕があるならば、ピッチャーもバッティングの技術を高めるような練習をしておいた方が良いでしょう。

ただしランナーがいない場合、打つか打たないかは個人の自由になります。既に大量の援護点を貰っており、逆転の心配がない場合、意図的に空振りをしても良いですし、呼吸を乱さないようバットを全く振らないというのも、ピッチングに集中するためには必要になる事があります。特にバッティング技術がない場合、無理に打つ事で手が痺れたり、自打球を受けたり、あるいは不意に死球を受けてピッチングに影響が出るという事も有り得なくはないので、その辺りは状況に応じて決めると良いでしょう。


二刀流はいずれどちらかに専念すべき?

かつてメジャーリーグではベーブ・ルースという選手が存在し、彼は投手として二桁勝利、バッターとして二桁本塁打、これをシーズン中に同時に行っています。メジャーリーグの歴史の中でも著名な記録を残しているものとしては、これが元祖の「二刀流」とされています。また彼は最終的にバッターに専念していますが、通算本塁打は714本と歴代3位の記録を持っており、バッターとしても非常に優秀な成績を収めています。

当時のメジャーリーグにはまだDH制は存在していない事から、ピッチャーがバッティングをする事自体は決して珍しい事ではありませんでしたが、ベーブ・ルースのように優秀なバッティング技術を有するピッチャーというのは当時は非常に珍しく、この「二桁勝利+二桁本塁打」という記録がどれだけ異常かという事がよく分かります。またDH制が作られて以降では、ピッチャーはピッチャーに専念する事ができるようになり、ピッチャーはピッチャーに、バッターはバッターに専念する事が常識とされてきました。そのためコンディションや怪我のリスクを考えると、現在でもピッチャーとバッターの二刀流は現実的ではないという考え方が一般的です。尚、彼の場合、怪我でバッターに専念したというよりは、バッターの方に興味が移っていった事が理由とされています。

一方、日本からメジャーリーグに渡った大谷翔平選手は、日本のプロ野球に在籍している間、このシーズン二桁勝利+二桁本塁打の記録を達成しました。メジャーリーグに渡ってからはバッターとして22本の本塁打を打ち、ピッチャーとしては4勝、その後、肘の怪我もあり、二桁勝利はなりませんでしたが、年間の新人賞を獲得しました。メジャーリーグにおいてもシーズン二桁勝利+二桁本塁打を記録する事ができるか、注目が集まっています。

ちなみにこれは個人的な分析ですが、日本及びメジャーリーグにおいては、160km/hを超えるような球速を有するピッチャーは少ないながらも存在します。そのため実は最高球速だけを見るとそれほど珍しいピッチャーではありません。一方、彼のようにストレートの平均球速が150km/h中盤〜後半のピッチャーは非常に珍しく、この点に関しては高い能力を持っていると言い切る事ができます。しかしコントロールに関しては今ひとつであり、1年目で登板回数が少ないとは言え、圧倒的な成績を収めるには至っていない事から、ピッチャーとしての能力は確かに高いのですが、他のピッチャーと比べて「抑える能力があるか」と言われると「ある」とは言い切れないと思います。ただしバッターとしては、1年目にも関わらず20本以上のホームランを打っている事から、数ある新人のメジャーリーガーと比べても、高いバッティング技術を持っていると言い切る事ができると思います。

現在は二刀流でも何ら構わないと思います。しかしこの先、彼がどのような選択をするかは分かりませんが、既に1年目の時点で肘を怪我している事から、やはりいつかはどちらかに専念する必要があると私は思います。また以上の事から、個人的にはバッターとして専念した彼を見たいです。




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