パフォーマンスを上げるカーボローディングの方法について考える

この記事では大事な試合前に行う「カーボローディング」の方法について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

※当記事作成日時:2013-06-16、最終更新日時:2019-12-06

★当記事の目次

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●そもそも「カーボ・ローディング」とは?

例えばボディビルのコンテスト前の数日間では、筋肉内へのエネルギーの補充、すなわちグリコーゲン(糖の一種)の貯蔵量を上げる事を目的とした調整法を行います。そのような短期間の調整法の事を「カーボ・ローディング(グリコーゲン・ローディング)」と呼びます。あるいは単に「カーボ・アップ」と呼ばれる事もあります。ちなみにこの「カーボ」とはそのように「糖」の事です。つまり筋肉へ糖を補充します。

特にボディビルの選手のように、目標となる体重が厳格に決められている場合、いわゆる「増量」を行って筋肉を大きくした後、逆に「減量」を行って、その目標とする体重以下まで落とす必要があります。その際、人によっては脂肪と一緒に筋肉量や水分量なども一緒に落とす必要があり、かなりの食事制限が必要になる場合があります。そのような過酷な減量を行うと、どうしても筋肉内のグリコーゲンの量が減り、筋肉が萎んでしまいます。これではコンテストで良い結果は残せません。

そこでカーボローディングです。カーボローディングには筋肉内へのグリコーゲンの貯蔵を促し、それを改善する作用があります。つまりカーボローディングを行えば、萎んでいた筋肉を膨らませる事ができる訳です。一方、グリコーゲンは単純に筋肉のエネルギーです。つまりボディビル以外の様々なスポーツにおいても筋力の向上、すなわちパフォーマンスの向上に繋がる可能性があります。方法さえ覚えれば個人レベルでも行う事ができるため、基本的な方法だけでも覚えておいて損はありません。



●カーボ・ローディングの基本的な方法を考えてみよう

ここではカーボローディングの中でも、最もオーソドックスな方法を簡単に紹介します。

特にカーボローディングの方法は前半と後半に分ける事ができます。まず前半の2〜3日では糖を極力制限し、その間、敢えて激しい運動を行って、一旦体内の糖を枯渇させます。そうして糖を消費した筋肉は次の消費に備えるため、より多くの糖を蓄えようとすると言われています。それを利用し、後半の2〜3日では逆に運動の強度を下げ、糖が中心の食事を行います。これにより速やかに筋肉へ糖を補充する事ができ、一時的にではありますが、カーボローディングを行う以前よりも糖の貯蔵量を上げる事ができると言われています。

もちろんカーボローディング自体は必ずしも必要なものではありませんが、前述のようにパフォーマンスの向上に繋がる可能性があり、可能ならば、大事な試合の前には個人的にでも行っておいた方が良いと思います。


・前半の「糖質制限+高蛋白質+高脂肪」+高強度の運動

まずは前半から具体的に説明していきます。

例えば野球選手のように「筋肉量まで落とす減量を行う必要がない」場合、前半における食事は「蛋白質と脂肪が中心」になります。しかし運動量がかなり増える上、糖を制限する事になるため、それだけ蛋白質と脂肪の摂取量が増える事になります。特に消費エネルギーが摂取エネルギーを大きく上回り、その状態で激しい運動を行うと、筋肉が分解されやすくなってしまいます。これはカーボローディングを行う度に筋肉が落ちていくという事を意味しており、それでは一時的にはパフォーマンスが向上しても、長期的に見れば無駄が大きいです。糖を摂取できない分、そのリスクがあります。

そこで「1日に必要な摂取エネルギー」から食事の内容を考えるようにします。まず蛋白質の摂取量の目安は、1日体重1kg当たり2g以上と言われています。つまり体重60kgの人では120g必要です。特に蛋白質は1g当たり4kcalあるので、蛋白質だけで得られるエネルギーは480kcalになります。一方、前述のように糖は摂取できないので、それ以外は脂肪で埋める事になります。つまり例えば基礎代謝が2000kcalある場合、残りの約1500kcal分の脂肪を摂取する必要があるでしょう。脂肪は1g当たり9kcalですから、つまり160g前後の脂肪を摂取する事になります。糖を摂取できない分、脂肪の摂取量は多くなります。

この前半で食べる事のできる食品ですが、蛋白質は肉、魚、卵、プロテインが摂取源になります。特にプロテインは1食で20g前後の蛋白質が摂取できます。また脂肪に関しては肉、魚、卵、アボカド、ナッツ類、大豆、エゴマ油・アマニ油、MCTオイル、エクストラヴァージンオリーブオイルなどから摂取できます。特に動物性の食品は高蛋白・高脂肪であり、両者を摂取できるためオススメです。また各種油は1g当たり9kcalなのでエネルギー調整に便利です。それ以外だと、例えばキノコ類、貝類、海藻類、甲殻類、一部の糖の少ない野菜(葉物野菜)などがあり、それらからビタミン・ミネラルを摂取すると良いでしょう。ただし胃の容量には限りがあるので、あくまで蛋白質と脂肪の摂取が中心です。運動量を大きく上げた状態で、2〜3日間、それらの食事を続けます。

一方、運動では高重量を扱うような筋力トレーニング、あるいは短時間で全力運動を繰り返すようなインターバルトレーニングを行います。つまりグリコーゲンを消費し、敢えて乳酸を貯めるような運動を行う訳です。糖を制限しながら行うので、2〜3日とは言え、かなりきついものです。食欲も落ちやすいため、1回に口にする量を減らし、食事の回数を増やしたり、食材、味付け、調理法を変えるなど、飽きさせない工夫をしましょう。


ちなみにボディビルダーなどで「減量を行う必要がある」場合、減量をしたまま、このカーボローディングの前半を行う事になります。そのため引き続き体重(脂肪も筋肉も)を落とすために、摂取するエネルギーを基礎代謝以下に抑えなければならず、その場合、糖はもちろんの事、脂肪は殆ど摂取できず、蛋白質も最低限の量しか摂取できなくなります(実質体重1kg当たり1〜2gの蛋白質しか摂取できない。その量は減量の進み具合によって変わる。一方、体重規定のないスポーツでは必要のないもの)。減量末期で一番つらい状況でそれを行う事になるため、想像を絶するほどの苦痛を伴うはずです。



・後半の「高炭水化物+低蛋白質+低脂肪」+低強度の運動

続いて後半についての説明です。後半では食事の殆どが糖になるような「極端な高炭水化物食」になり、かつ運動量を極力落とし、筋肉への糖の貯蔵に努めます。

特に後半ではそのように糖の摂取量が非常に多くなります。繰り返しになりますが、蛋白質の摂取量は体重1kg当たり2g以上が目安なので、体重60kgなら120gです。通常、糖の摂取量はその蛋白質の量に対して2〜3倍が目安と言われているので、少なくとも2倍摂取しているとすれば240gです。カーボローディング後半では更にその倍になりますから、480gの糖を摂取しなければなりません。エネルギーで考えてみると480gの糖は「1920kcal」であり、体重及び筋肉量があればこれは更に増えます。2〜3日の短期間とは言え、1日にそれだけ大量の糖を摂取する事になります。

この後半で食べる事ができる食品は主に「糖を多く含む低脂肪な食品」です。例えば穀類全般(米、餅、パン、パスタ、粉物、ソバ、うどん、キヌア、アマランサス、オートミール他)、芋類(ジャガイモ、サツマイモ、里芋、山芋等)、野菜類(カボチャやトマトなど糖の含まれるもの)、果物類(アボカド以外。特にバナナ)、お菓子類(低脂肪ならば・・・)などです。特にオススメなのが「(Amazon商品検索)」です。餅米には消化酵素の影響を受けやすいアミロペクチンという糖が豊富に含まれており、胃腸への負担を抑えながら、効率的な糖の補給が可能になります。例えば乾燥させた餅なら100g(たった2個)で50gの糖を摂取できます。炊く前の白米なら100gで80gの糖を摂取できますが、水を含むと重くなり、茶碗が大きくなります。そのため実際には餅の方が少ない量で糖を摂取できます。

蛋白質は一応摂取しますが、砂肝、牛センマイ、マグロ(赤身)、クジラ(赤身)、白身魚全般、豚のヒレ肉、鳥のササミ・胸肉、卵白、タコなどのような、高蛋白・低脂肪の食品のみに限られます。またそのように食事の殆どが糖になるので、これらの蛋白源は胃に空きがあれば入れる程度であり、必要ならプロテインで補給すれば良いでしょう。プロテインなら1食で20gの蛋白質を摂取でき、3回で60g確保できます。特にボディビルダーなどの減量末期+カーボローディング後半という場合、蛋白質も最低限しか摂取できず、脂肪も必須脂肪酸以外は摂取できません。その場合、前述した糖を多く含む食品とプロテインだけでも良いでしょう。

この他、胃の容量には限りがあるので、ビタミンやミネラルも最低限で良いです。キノコ類(白・黒キクラゲ)、海藻類(アオサ、ヒジキ、コンブ、メカブ等)、葉物野菜(小松菜、ホウレン草等)などを食べる事もできますが、短期間なのでサプリメントでも十分です。運動量を下げた状態でこれらの食事を2〜3日続けましょう。1回に口にする量を減らし、食事の回数を増やしたり、食材、味付け、調理法を変えるなど、飽きさせない工夫をしましょう。


ちなみにボディビルダーなどのように「水抜き」を行う必要がある場合、前述した食品の中でも、塩分や水分が多く含まれる加工食品全般、野菜類全般(特にトマトやスイカ等)、果物類全般、海産物全般(海藻類、貝類、甲殻類、魚)、キノコ類(キクラゲは水で戻す必要がある)、その他、普段飲む飲料水なども制限を受ける事になります。球技スポーツでは気にする必要は全くない事ですが、水抜きを行う場合にはそれらを抑える必要があり、より「炭水化物だけを口に運ぶ作業的な食事(運動量は落ちているので前半のつらさよりはマシ)」になります。



●前半の糖質制限を行わない方法

前述した「前半で糖質制限を行う方法」では、特に前半で細かな調整が必要になるため、どうしてもその調節を失敗してしまうリスクがつきまといます。例えば前半であまりに激しい運動をしてしまうと、後半でグリコーゲンを補充しきれず、試合の日までに間に合わなかったり、あるいは怪我をしてしまったり、精神的にダメージを受けて、後半における食事量の確保ができなくなったり、睡眠が上手くできなかったりする場合があります。それは当然当日のパフォーマンスに大きく影響するため、そのリスクは最小限に抑えなければなりません。

そのため最近では「糖の制限を行う期間を設けず、前半ではそのまま通常通りの食事と運動量を維持、あるいはむしろ運動量を少し抑え気味にし、後半では更に運動量を低く抑えて糖の摂取量を増やす」というような方法が主流になってきています。つまり後半の「高炭水化物+低蛋白質+低脂肪(+最低限のビタミン・ミネラル)+低強度の運動」だけを行う訳です。これにより前述したリスクを軽減しながら、短期間でカーボローディングを行う事ができます。これなら毎試合出場するバッターでも時々は行う事が可能です。もちろん運動量を抑える必要があるので、自分の技術やモチベーションなどを衰えさせないような様々な工夫は必要になるでしょう。


尚、前述した「前半で糖質制限を行う方法」では、前半と後半を合わせて1週間程度を要しますが、例えばプロ野球選手でバッターの場合、1年を通して毎試合出場しなければならず、1週間も要するこの方法は使えません。これは他のスポーツでも同じです。そのようなスポーツの場合、「グリコーゲンをあまり消費しないようにして1試合を戦う」ようにし、不意に2日あるいは3日空いた時に、そのように「後半だけ」を行い、グリコーゲンを再補充する事をオススメします。そうしてできるだけ1年を通してパフォーマンスが維持できるように工夫しましょう。特にチームスポーツの指導者なら、それを考えてオーダーを組む事が重要です。

また学生スポーツのように、季節やシーズン毎に短期間で集中して試合を行う場合、前半を行う期間を十分に確保する事ができ、前半と後半を行ってから最初の試合に入る事ができます。しかしグリコーゲンが持つのは最初の方の試合だけで、試合をこなす毎にパフォーマンスは低下していきます。そのためやはり「グリコーゲンをあまり消費しないようにして1試合を戦う」という事が重要になります。もちろん2日あるいは3日空けば「後半だけ」を行い、グリコーゲンを再補充する事ができます。

一方、学生スポーツかつ野球の先発ピッチャーの場合、1試合で大量のグリコーゲンを消費するにも関わらず、次の日の試合でも先発出場させられる事があります。これは他のスポーツでもあり得る事です。例え1ヶ月以内という短期集中の大会で、1試合で消費するグリコーゲンを上手く節約できたとしても、試合を行う度にグリコーゲンは消費され、パフォーマンスは大きく低下していきます。最低でも2日空けば再補充も可能ですが、体は回復できても精神及び自律神経は追いついていきません。チームスポーツなら、そのような状態に選手を置く時点で指導者の責任が問われます。個人スポーツなら、調子の悪い時には無理にその大会に出場せず、時には日程の緩い他の大会に出場する事も考えるべきです(やはり2日空くような試合の日程が最低でもどこかにある事)。

しかしながらカーボローディングの方法には正解はありません。期間を確保できるなら、前述した「前半で糖質制限を行う方法」の方が合っている人もいますし、ここで紹介した以外の方法もあるかもしれません。自分にとってより確実な方法を探しましょう。



★カーボローディング時にあると便利なものまとめ

全ては紹介できませんがオススメの商品をまとめています。参考程度に。

バルクスポーツ アイソプロ ナチュラル 2kg オーサワの有機活性発芽玄米餅

純粋に「蛋白質を摂取したい」場合、余計なものが入っておらずコスパの良いバルクスポーツのプロテインを個人的にオススメします。エネルギーは1食100kcal前後、摂取量の目安は1回20〜40g程度です。「プロテインシェーカーはこちらから(Amazon商品リンク)」尚、溶かすのは水がオススメですが、水抜きを行う場合には注意が必要です。

これは餅です。非常に糖の吸収が良く、カーボローディング中では特にオススメです。もちろん市販のものでも問題ありません。
有機JAS フラックスシードオイル(アマニ油) 237ml Now Foods ウルトラオメガ3

必須脂肪酸の中でもω-3脂肪酸であるα-リノレン酸を含むアマニ油です。エネルギーは1g当たり9kcalです。摂取量の目安は1日に5gが良いと思われます。1回1〜2g程度を毎食時に分けて摂取すると良いでしょう。ただしこれだけだと同じく必須脂肪酸であるEPAやDHAは摂取できません。またアマニ油は加熱調理には使えません。更に減量中では摂取量に注意しましょう。

これはω-3脂肪酸であるDHAとEPAを補う事ができるサプリメントです。1日1粒を目安に摂取すると良いでしょう。ただし減量中では摂取量に注意しましょう。
仙台勝山館 MCTオイル 360g Now Foods B-50

中鎖脂肪酸を豊富に含むMCTオイルです。すぐに代謝されるため、糖質制限中には重要なエネルギー源になります。摂取量の目安は1日30〜40g程度(270〜360kcal)であり、それを毎食時に小分けにして摂取すると良いでしょう。ただし加熱調理には使えません。あくまで糖質制限を行う前半のみ、かつ減量中の場合は利用するにしても少量で。

これはビタミンB群をまとめて補う事のできるサプリメントです。目安は1日1粒を朝か晩に、あるいは1日2粒を朝と晩に分けて摂取すると良いと思われます。
NOW Foods 脂溶性ビタミンC 500mg ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル
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脂溶性のビタミンCです。水溶性ビタミンCは体から失われやすく、数時間おきに摂取する必要があると言われています。一方、この脂溶性ビタミンCは朝晩1g〜ずつの摂取で済みます。特に「コラーゲン(Amazon商品リンク)」などと一緒に摂取するのがオススメです。

ビタミンとミネラルをまとめて摂取する事ができるサプリメントです。ただし含まれているビタミンB群とビタミンCの量が少ないので、前述のB-50とビタミンCを組み合わせると良いでしょう。




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