ジャイロズレ:ジャイロスライダー

「ジャイロズレ」とは私が勝手にそう読んでいる名称で、地面と平行かつ進行方向と一致しているジャイロボールの回転軸を45度前後に傾けたボールの事を言っています。特にこの記事ではジャイロボールの回転軸を45度傾けた「ジャイロスライダー」について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2014-02-26、更新日時:2019-03-20)

★当記事の目次

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ジャイロスライダーとは?

「ジャイロスライダー」は、ジャイロ回転とスライダー回転(右投手なら左から右への横回転、左投手なら右から左への横回転)のちょうど中間の回転になります。つまりジャイロ回転から回転軸を傾ける場合、ボールをピッチャー側から見ると、回転軸を手前から下へ45度傾ける事になります。一方、スライダー回転から回転軸を傾ける場合、下から手前に45度傾ける事になります。これによりジャイロスライダーではジャイロ回転の持つ特性と、スライダー回転の持つ特性を半分ずつ併せ持つような球種になります。ちなみに右投手のジャイロボールは基本的に時計回り、左投手のジャイロボールは基本的に反時計回りです。逆も一応投げられなくもないですが、球速もスピン量も落ちます。

尚、ジャイロスライダーにはフォーシームジャイロとツーシームジャイロがあります。フォーシームジャイロは減速が小さい事、ツーシームジャイロは減速が大きい事が特徴ですが、どちらも上向きの力が働かず、重力によって落ちるという特徴があります。またスライダーは元々利き腕とは逆方向へ変化するボールです。よってフォーシームジャイロのスライダーは減速が少なく、落下しながら横へと変化するボール、ツーシームジャイロのスライダーでは減速が大きく、やはり落下しながら横へと変化するボールになります。つまり軌道が変わるので、縫い目を変えるだけで2種類のスライダーを投げ分ける事ができるようになります。


ジャイロスライダーの回転軸など

フォーシームジャイロスライダーを画像で示すとこのような感じです。尚、これは右投げのピッチャー側から見た時の回転のかけ方です。握りは通常のフォーシームジャイロの握りを少し変える、あるいはスライダーの握りを少し変えるだけなので、それぞれの球種の投げ方が分かれば、習得はそれほど難しくありません。

フォーシームジャイロスライダー.png

変化などは前述した通りです。減速が小さく、横に変化しながら、縦に落ちます。純粋な横回転と比べると、横への変化は少なくなりますが、その変化量は回転軸の傾きによって調節する事ができます。またそのように減速が小さいので、バッターの手元で変化しているように見えます。より直線的な軌道にし、球速を高める事で、カットボールのような使い方ができます。

続いてツーシームジャイロスライダーです。

ツーシームジャイロスライダー.png

変化などについてはやはり前述した通りです。縫い目の関係でフォーシームジャイロのスライダーよりも横の変化量が小さくなりますが、減速が大きく、横に変化しながら、縦に落ちます。すなわち縦の変化が大きくなるため、軌道によっては見極められやすくなります。直線的な軌道及び球速が重要になるでしょう。

ボールを横(一塁側方向)から見るとこのような感じです。

ジャイロスライダー2.png

このように回転軸が手前から見て下を向いている関係上、上から下に向かって投げ下ろす投法であれば投げる事は容易です。一方、アンダースローでも一応投げる事は可能ですが、リリースポイントを下げるのではなく、逆に上げる必要があり、そのため他の球種(ジャイロボール系に限らず)との組み合わせをどうするかという問題があります。

そもそもアンダースローでは、スライダーやカーブのように利き腕とは逆方向に曲がる変化球を投げる事が難しいので、非常に貴重であり、習得しておいて損はありません(変化量は小さいがそれでも重要)。しかしスライダー系のボールを投げるためだけにリリースポイントを上げてしまうと、アンダースローのせっかくのセールスポイントが失われてしまう可能性があります。もし投げたい場合、その辺りの調節が必要になるでしょう。まぁ一応、アンダースローでも手首を立てれば投げる事はできますが、他の球種との違いで見極められやすくなります・・・。


ジャイロスライダーの使い道

純粋なスライダー回転(横回転)の場合、直進していく際に前面から空気抵抗を受ける事になるので、横の変化はかなり大きくなります。ただ、その分、変化が大きすぎて、リリースした瞬間からボールが横へと曲がるため、軌道が分かりやすく、バッターに見極められてしまいます。またバックスピンストレートのように揚力が生まれないので、リリースした瞬間から重力に引っ張られます。つまり縦の変化が始まるポイントも早いのです。このため変化や落ち幅を合わせれば、バッターにとってはむしろ打ちやすいボールになります。

一方、スライダーにフォーシームのジャイロ回転の要素を入れる事では、直進していく時の空気抵抗が大きく減ります。これにより横の変化量を抑える事ができるため、球種の見極めを遅らせる事ができます。また一般的にジャイロ回転では落ちていく時に横への変化量が大きくなるという特徴があるため、バッターの手元でより大きく変化しているように見せる事ができます。これにより特に右対右、左対左の時には大きな武器になり得ます。

またツーシームのジャイロ回転の要素を入れる事では逆に減速が大きくなるため、バッターの手元で大きく縦に落ちます。このままでは変化量が大きすぎてあまり使い物になりませんが、フォーシームジャイロのスライダーに寄せる事で効果的な球種になります。つまりフォーシームジャイロのスライダーと同じような球速、軌道、変化、回転で来るのに、バッターの手元で減速するため、打ち損じをさせる事ができます。

尚、前述のように上から投げる投法の場合、習得難易度はそれほど高くない上、特にフォーシームジャイロのスライダーはバックスピンのストレートを投げる人でも、大きな武器になる可能性があります。このためジャイロボーラーでなくても、このボールを習得する意味はあると個人的には思います。ただ「単なるジャイロ回転」ではなく「フォーシームのジャイロ回転」で投げる必要があり、その点は慣れが必要です。




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