棘上筋を鍛えるためのトレーニング法

この記事では肩甲骨にある棘上筋を鍛えるためのトレーニング法について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-04-06、更新日時:2019-05-08)

★当記事の目次

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★棘上筋とは?その役割について考える

棘上筋は背中側から見て、肩甲骨の上側から腕の骨の先端へと繋がり、その腕の骨を上から吊るすようにして引っ張っている筋肉です。腕の骨は肩甲骨と共に関節を形作ってはいますが、横方向に嵌め込まれているだけであり、そのままだと重力によって下にずり落ちてしまいます。棘上筋はそれを上から引っ張る事で、関節を安定化させているのです。尚、体の表面からは確認できず、三角筋や僧帽筋などに覆われている事から、いわゆる「インナーマッスル」とも呼ばれています。

この棘上筋の役割としては主に肩の外転、すなわち腕の骨を外に向かって上げていく時に働きます。一方、棘上筋は小さな筋肉なので、大きな筋力を発揮する事はできません。肩の外転においては肩全体を覆っている三角筋の方が主に働き、棘上筋は特にその「始動」の際に働くと言われています。そうして始動の際に働く事で、腕の骨の位置を安定化させ、関節の動きをスムーズにする役割があるのです。

しかし棘上筋はやや特殊な配置になっていて、肩甲骨から腕の骨へと繋がる際、鎖骨と肩甲骨の間に挟まれるような形になっています。そのため、何らかの原因で腕の骨の固定が上手くできず、腕の骨を動かす度に骨の位置がズレると、棘上筋が骨の間に挟まったり、骨と擦れ合ったりするようになります。それによって棘上筋は高頻度に炎症を起こします。四十肩や五十肩、あるいは野球肩ではこの棘上筋を痛めている事が多いです。

ちなみに腕の骨の固定が上手くできなくなる原因は、棘上筋自体に問題がある場合もあるのですが、腕の骨と肩甲骨を繋いでいる筋肉は他にもあり、棘上筋以外の筋肉が原因となっている事もあります。また肩甲骨も宙に浮いている状態であり、肩甲骨と背骨を繋いでいる筋肉によって、その位置を安定化させています。つまり肩甲骨と背骨を繋いでいる筋肉の方が原因で、棘上筋を痛める場合もあります。そのように肩の関節には様々な筋肉が関係しているため、棘上筋だけを集中的に刺激しても意味はありません。既に怪我をしているなら尚更です。



★棘上筋を鍛えるためのトレーニング法

supraspinatus-muscle.jpg

足を肩幅に開いて立ち、姿勢を正します。左右どちらの足でも良いのでチューブを踏んで固定し、その足とは逆の手(小指側が端になるように)で持ちます。つまり左足で踏んだら右手で、右足で踏んだら左手で持つという事です。この時、チューブがピンと張った状態になるように長さを調節しますが、硬いチューブでは負荷が大きすぎるので、できるだけ柔らかいチューブに変えましょう。また最初の手の位置は自分の正面でも横でもなく、太ももの外側やや斜め上付近にしておきます。

その状態になったら、チューブを持った方の「腕(手で引っ張るのではなく腕を動かすイメージ)」を、体の真横よりも「やや斜め前方」に向かって、ゆっくり目に上げていきます。首の根元〜肩に力が入ると、この時の動作で肩が上・前・横へ動いてしまう事がありますが、動作間ではできるだけ肩の位置が変わらないように注意します。尚、ゆっくりとは言いましたが、5秒とか10秒とか、そこまで遅く動かす必要はありません。2秒程度で十分です。

supraspinatus-muscle2.png

そうしてチューブを引いていきますが、腕は肩の高さまで上げるのではなく、半分よりも更に手前で止めるようにします。位置関係や角度は左の画像の通りです。このトレーニングでは棘上筋に刺激を与えるのが目的であり、その角度以上に上げてしまうと、肩全体を覆っている三角筋が働いてしまいます。途中までで留めましょう。ただし目安となる角度まで腕を上げたら、そこで動作が止まらないように注意します。ゆっくりと上げますが、あくまでスムーズに。

そうして腕を上げたら、スタート位置までゆっくりと戻していきます。この際も、ただ単に脱力して勢い良く腕を戻すのではなく、「引っ張られる強さにギリギリ負けるような力加減」を意識しながら戻すようにしましょう。そうしてゆっくりと戻したら、再びチューブを引っ張る動作へと移行させます。その際、やはり動作を止めず、脱力させないように、切り返しはできるだけスムーズに行います。ただし反動は必要ありません。

行う回数の目安は「腕を斜め前方向かつ途中まで上げる→下げる」を1回として合計30回程度、行うセット数は1〜3セット程度、頻度は3日に1回程度(肩の筋肉を使う運動習慣にもよる)で十分です。負荷が小さいと「体を鍛えた」という実感が湧きませんが、無理に負荷を増やしたり、セット数や1セット中の反復回数を増やしすぎると、疲労の蓄積によって筋肉が駄目になってしまいます。気持ちを抑えましょう。

ちなみに現時点で既に痛みや炎症がある場合、このトレーニングは絶対禁忌です。前述のように肩を怪我した際に真っ先にダメになる筋肉の一つなので、少しでも違和感がある場合にはこのトレーニングを後回しにし、別のアプローチでケアをした方が良いでしょう。






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