ジャイロボールを球速以上に速く感じさせるには

フォーシームジャイロとツーシームジャイロの特性を活かすためにはある程度の球速が必要です。しかしジャイロボールはバックスピンストレートよりも球速を出す事が難しいため、別の方法で「速く感じさせる」事が重要です。ここではそれについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2013-01-03、更新日時:2019-03-22)

★当記事の目次

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歩幅を大きく取り、できるだけバッターに近い位置でリリースする

まずは可能な範囲で構わないので歩幅を広げる事が重要になります。ピッチャープレートからホームベースまでは18.44mあります。この距離が短くなるほどボールは速く感じるので、右投手なら前に踏み出す左足、左投手なら前に踏み出す右足を、できるだけ遠くに踏み出し、そこでボールをリリースするようにしましょう。これによりフォーシームジャイロをより速く感じさせる事ができます。

ただし踏み出す歩幅を広げた状態で安定して着地させるためには、股関節・臀部・腿裏の筋肉の筋力・柔軟性が必要になります。また投球動作の繰り返しによっては股関節に大きなストレスがかかり、怪我のリスクを高めてしまう可能性もあります。更に歩幅が広がるとバランスを取るのが難しくなり、コントロールが落ちたり、あるいは下半身で生み出した力が上手くボールに伝わらず、逆に球速が落ちてしまう事があります。歩幅を広げると言っても限度はあります。

尚、ジャイロボーラーではありませんが、歩幅を大きく取るピッチャーとしてはティム・リンスカム選手などが良い例です。
・参考動画→ティム・リンスカム選手の投球フォーム
ただしこの選手も後年に股関節の怪我をしています。


ボールをできるだけ前でリリースする

これはいわゆる「球持ち」と呼ばれるものです。球持ちとは、バッターが、ボールがリリースされたと感じたタイミングと、実際にボールがリリースされたタイミングが微妙に異なる事で得られる「タイミングのズレ」の事を言います。これによりリリースポイントは低くなりますが、より前でリリースされるため、球速以上に速く感じさせる事ができる上、そのようにタイミングがズレるため、打ち損じの可能性を高める事ができます。

またテイクバックを小さくする事も効果的です。テイクバックとは投球動作の途中で腕を後方(実際は体の後ろではなく横方向)へ引く動作の事で、これを小さくすると、軸足に体重を乗せるまでの動作と乗せた後の動作とでリズムやスピードが変わったように見え、更にタイミングをズラす事ができます。ただし球速が出にくくなったり、その状態で無理に腕を回転させようとすると、それが肘や肩の故障の原因になる場合もあります。


投球フォームを簡略化し、投球間隔を短くする

投球フォーム全体をコンパクトにし、できるだけ簡略化する事では1球1球の投球間隔が短くなります。これはいわゆる「テンポ良く投げる」などと言われるもので、スタミナは消耗しますが、その分、バッターに考えさせる時間を与えず、自分のリズムで投げる事ができます。ただしそのためにはランナーのいない場面でも常にセットポジションで投げる必要があるでしょう。

一方、投球フォームを全体として緩やかな動作で行うという方法もあります。ゆったりとしたフォームから球速のあるボールが投げられる事で、イメージとの不一致から、フォーシームジャイロをより速く見せる事ができます。特に投球フォームを遅くする事では、通常の投球フォームの中にクイックモーションを混ぜる事による効果が上がります。実はランナーのいない場面でも、通常の投球フォームの中にクイックモーションを混ぜて投げる事は、ルール上何ら問題はありません。それを利用し、タイミングをズラす事もできます。

更に投球動作それぞれのタイミング、例えば後ろに足を引く動作、軸足とは逆の足を上げる動作、足を前へ踏み出す動作、着地させてから投げる動作など(ただしやりすぎると不正投球になるので注意。特に投球動作後は静止はしてはならない)を意図的にズラすとか、そういう事も一応できます。まぁ中には卑怯と表現する人もいるかもしれませんが、タイミングをズラす事で、よりフォーシームジャイロを速く感じさせる事ができるでしょう。

尚、投球動作の際に一旦腕を頭の後ろへ振りかぶってから投げるワインドアップポジションか、それとも横を向いた状態から腕を引いてそのまま投げるセットポジションかについてはどちらでも構いません。「ワインドアップの方が球速が出る」と言われる事もありますが、それは体の使い方による影響が大きく、セットポジションでも球速を出す事は十分可能です。またコントロールについては、セットポジションの方が動作が少なくて済むので、動作の過程でバランスを崩す事によるコントロールミスを抑える事ができます。もちろんこれも体の使い方による影響が大きく、ワインドアップでもコントロールを安定化させる事はできます。このためどちらが良いという事は言えません。ただし前述のようにテンポ良く投げるなら、セットポジションの方が投球間隔は短くできます。

ちなみにワインドアップの中でも、腕を頭の後ろへ振りかぶらず、胸の前や股間の前にしたまま投球動作に移るのを「ノーワインドアップポジション」と言います。


遅いボールを使い、その直後に速いボールを使う

これはいわゆる「緩急を使った投球」というもので、遅いボールを投げた後に速いボールを投げる事で、球速以上に速く感じさせる事ができます。

例としては縦のスローカーブやスクリューボールなどがあります。
・参考になる動画
今中慎二選手のスローカーブ
星野伸之選手のスローカーブ
三浦大輔選手のスローカーブ
スクリューボールその1/その2/その3 まぁさすがにこれは極端な例ですが、このように球速の遅いジャイロボール以外の球種を混ぜ、緩急をつけるのも効果的です。



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