ダブルスピン投法について

ジャイロボールを投げる際には、
よく「ダブルスピン投法」という投げ方が必要だと言われています。

このダブルスピン投法について書きます。 
 
 
まずこれがダブルスピン投法の概要です。
(私は専門家ではありませんので参考程度にどうぞ)
下記では右投手を例にした画像を使っています。

まず投球動作に入るには左足を挙げます。
ダブルスピン1.jpg
この時は足のラインが「Yの字」のように見えます。
挙げた足の膝を曲げて膝をお腹に引きつけます。
(Y字に見えるという事は少し後方へ引き付けているという事)
上半身は動かさず、軸足を一本の針のようにして姿勢を保ちます。

そしてその挙げた足を下げて前へ踏み出していくのですが、
その際に左のお尻の横を前へ出して左足の前への踏み出しを遅らせます。
それによってギリギリまで軸足(右足)に体重を残します(右の膝は少し曲げる)。
体もギリギリまで三塁側方向へ向いておくようにし、パワーを貯めます。
ダブルスピン2.jpg
そして上げた左足を少し後方へ蹴り出して膝を伸ばし、
そのまま振り子のように前へ踏み出します。

振り子の勢いを使って可能な限り大きく前へ踏み出します(下半身の筋力が必要)。
踏み出した左足を地面についた瞬間、
貯めていたパワーを開放するように「一気」に重心を左足へ移動させます。
ダブルスピン3.jpg
踏み出した左の膝を伸ばす事によって、
この後の背骨(脊柱)を軸にしたスピンの回転速度を速くする事ができます。
画像では少し膝が曲がっていますが、
実際には着地した瞬間に少しだけ膝を曲げ、その後に伸ばされます。
(その際に頭の高さが上下しないように注意して下さい)

左足を地面の付くとそれまで貯めていたパワーによって、
上半身が自然に回転し、その勢いでボールを投げる事ができます。

一般的に日本のプロ野球では、
踏み出した方の足の膝は、曲げて重心を低くしようとします。
そうして膝を深く曲げると重心が安定(低重心)し、制球もしやすいのですが、
膝を曲げたまま、あるいは膝を曲げすぎると、
ダブルスピン投法では2つのスピンの回転速度が落ちてしまいます。

膝を深く曲げるとスピンが連動しなくなり、
上半身を前に倒すような力に頼ったフォームになります。
そうなると頭が上下して逆に制球力が落ちてしまいますし、
力みも出やすくなり、肩や肘に負担がかかるので怪我もしやすくなります。

ダブルスピンにおいて重要なのは、
下半身が生み出したパワーを上半身のスピンに繋げる事です。
膝を伸ばした方が連動性が生まれ、球速が上がります。

メジャーリーグでは体の回転を重視するために膝は伸ばします。
膝を伸ばす事によって角度も生まれ、威力のある直球が投げられるようになります。

例えばジャスティン・バーランダー選手やクレイグ・キンブレル選手、
アロルディス・チャップマン選手など、
メジャーの豪速球投手のほとんどが膝を伸ばしています。
その方が頭の高さが上下せず、制球力と球速が両立しやすいんですね。
(ただし、こちらは股関節や腿の裏にある筋肉の柔軟性が必要)

メジャーリーグのピッチャーのフォームを参考にし、
踏み出した方の足の膝はあまり曲げすぎないようにしましょう。

では、話を戻します・・・
左足が地面についた後、いよいよ背骨を軸にした第一のスピンを開始します。
背骨のスピンが開始される時には既に腕は頭の横まで上がっています。
腕を上げる際は一気に上げるのではなく、流れの中で自然に上がるようにします。

上記の画像の赤色の線は「Cアーチ」と呼ばれるもので、
この背骨を軸にした第一のスピンの「直前」に現れます。
(ただし、次のスピンと連動させるため、手は後ろへ引き過ぎない事)
腕は水泳のクロールのようなイメージで挙げます。
尚、このスピンが始まると体も少しずつ前を向いていきます。

体が正面を向く直前に肘を肩の真横へ挙げて、
肘の角度が直角になるようにします。
ダブルスピン4.jpg
このように背骨を軸にしたスピンの「途中」で、
肘(横から見た上腕骨)を軸にした第二のスピンが始まります。

腕のスピンを開始するタイミングは遅くても速くてもダメ。
遅過ぎるととパワーがスムーズにボールへ伝わりませんし、
速過ぎると肩や肘の故障の原因になります。
この感覚は練習でゆっくり習得するしかありません。

肘を軸にした第二のスピンは、
背骨を軸にした第一のスピンによって起こり、自然に腕が振られます。
上にある画像の「点線」の部分を見て下さい。

画像のように肘の角度が横から見て直角になった後、
肘は前(画像では右の方向)へ出て行くのですが、
その「前へ出る肘」よりも「肘から上の前腕」は遅れて出てきます。
第一のスピンの回転の勢いで肘が前へ出る事によって、
肘より上にある前腕が少し後ろ(画像では左の方向)へ振られているのです。

スピンが進んでいくと、
この時に後ろへ振られた肘から上の前腕は自然に前へ振られていきます。
これが肘(上腕骨)を軸にした第二のスピンになります。
(後ろへ振られた時の反動で跳ね返るようにスピンが起こる)

そうして画像のように横(こちら側)を向いていた肘は、
肘から上の前腕が前へ振られるにつれて少しずつ前を向きいていきます。

その肘はボールがリリースされるまでは、
地面と平行移動(画像では左から右へそのまま動く)するようにし、
自然に降ろされるようにしましょう。
途中で肘や肩の位置が上がるとそれが故障の原因になります。

第二のスピンでは特に「第一のスピンまでに腕を上げておく
→前腕が一度後ろへ振られる→肘が横から前へ向く
→前腕が振られる→ボールが放たれる」という流れを、
スムーズに行うようにする事が重要です。

そして第二のスピンの後は最終的にボールを投げるために肘を伸ばす訳ですが、
しっかりと2つのスピンが連動すると「肘が勝手に伸ばされる」らしいです。
「らしい」というのは理論的な事は私はよく分からないからです(笑)
投げた感覚として力みがなく、そういう感じがするようです。

最後にボールをリリースをする際には、
ジャイロ.jpg
2つのスピンから生み出された力が、こんな感じで前腕に伝わります。

この力の伝わりがスムーズに行われるためにも、
ジャイロ回転をかけようと無理に捻ったりしないで下さい。
故意に捻るとダブルスピンの意味がなくなる上に故障の原因になるだけです。
ダブルスピンの力をボールまで伝える事で球速のロスを抑え、
それによって自然にボールが回転します。

よく球速を出そうとすると投球時に上半身を前へ倒そうとしますが、
投球時・後は上半身を前へ倒す必要はありませんし、
意識的に「腕を早く振ろうとする」必要もありません。

ダブルスピンが連動すれば腕は勝手に振られ、
投球後は自然と体が一塁側方向へ向いているはずです。
上半身も自然な形で前へ倒れるでしょう。

とにかく意識的に何か力を加えるとダブルスピンの意味がなくなります。
これらを全て自然な流れで無意識に行えるようにするには相当な練習が必要です。



以上がダブルスピン投法の簡単な概要です。
このように背骨を軸にしたスピンと肘(上腕骨)を軸にしたスピン、
2つのスピンが連動し自然に腕が振られるためには、
「筋肉を束として使う」必要があるとの事です。

そうする事で一部の筋肉(ローテーターカフ・インナーマッスル)や、
肩・肘の関節へ負担が集まる事が少なくなり、故障しにくくなると言われています。

つまり、筋肉による意識的な収縮・力みは、
ダブルスピンにおいてはかえって邪魔なものになってしまうのです。
何度も言いますが、自然に腕が振られるように、
自然にジャイロ回転がかけられるようにして下さい。

尚、オーバースローなどの上投げでジャイロボールを投げる際には、
球速を上げていくと次第にスッポ抜けやすくなります。
指先までしっかりとダブルスピンの力が伝えられるためには、
ボールを上から抑え込むために指の力と手首の力を強くする必要があります。

力の伝わり方に無駄がなく、故障に強いこの投法は、
ジャイロボールを投げるのに適しています。
可能な限りロスを少なくする事が必要不可欠だからです。

この投法とジャイロボールの握り・リリース方法も合わせて、
自然にジャイロボールが投げれるように練習しましょう。
(アンダースローについても基本的にはダブルスピン投法と同じ)

ただし、ダブルスピン投法=ジャイロボールではありません。
通常の投手でもこの投法をマスターすれば、良い結果が出ると思います。
※参考→ダルビッシュ有投手の投球フォーム(スローモーション)



説明は以上です。
読んで頂くと分かる通り、私による画像や文字だけでは説明に限界があります。
知識と経験に富んだ優秀な指導者による専門的な指導と、
修得する本人のやる気がなければ厳しいという事はご理解いただけたと思います。
それだけでも私は当記事を作った意味があります・・・正直疲れました(笑)
posted by SaruyaMichael at 17:00 | TrackBack(0) | ジャイロボールの投げ方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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