ジャイロズレの使い方

ジャイロズレに関しては既に説明したとおりです。

そのジャイロズレは投球でどのように使えば良いのかを説明します。 
 
 
ジャイロズレは通常のジャイロボールの回転軸を傾ける事で、
ジャイロボールに横や縦の変化を加えたボールの事ですが、
ジャイロズレは回転軸を傾けただけなので、
「通常のジャイロボールとは見分けがつきにくい」という特徴があります。

それは「握りがあまり変わらない」のも理由の1つですが、
もう1つはそもそも「ジャイロ回転だと分かりにくい」事が挙げられます。

ジャイロボールは回転軸が進行方向へ向いており、
回転している面がバッターへ向いていません。
そのため、実は性能の良いカメラや、
動体視力の良いバッターでないと回転を確認できないのです。
それぐらい回転が分かりにくいボールなんです。

ましてや、回転軸の細かいズレなどバッターには分かるはずもありません。
つまり、通常のジャイロボールにジャイロズレを混ぜるだけで、
バッターを混乱させる事ができるのです。
「スライダーかと思ったらシュートした」というように。

更にジャイロズレは、
回転軸の傾く方向や傾く角度によって縦横大小様々な変化をします。
それは投手の指先の調節次第なので、投手にしか分かりません。
加えてスライダー、カーブ、シンカーなども混ぜれば、
バッターは狙い球を絞るのが困難になるはずです。



ただし、ジャイロズレを使うにあたって注意すべき事があります。
ジャイロ要素の強さを強めるには、回転軸を傾け過ぎない事が重要ですが、
「回転軸を傾けない=横や下への変化が弱くなる」という事です。

つまり、回転軸を傾けずに投げるとジャイロズレの変化が小さくなり、
直球(普通のジャイロ)とほとんど変わらない軌道になってしまいますから、
ジャイロズレを投げる意味がなくなってしまいます。

また、逆に90度付近まで傾けるとジャイロ要素が失われてしまいます。
それだとスライダーやシュートなど既知の球種を使った方が、
変化が大きいですので、これもジャイロズレを投げる意味がなくなってしまいます。

ですので、回転軸を傾けるのは45度前後がベストです。
45度前後ならジャイロ要素と横や下への変化要素が、
半分ずつになってバランスが良いです。
(縦回転・横回転とジャイロボールのちょうど間ぐらいの回転にする)

そうする事で直球や他の既知の変化球と明確に区別する事ができます。
(区別するのは自分だけ、バッターは容易には区別できない)

しかし、ジャイロズレの一番の特徴は、
ピッチャーの指先の感覚で回転軸の傾きを調節できる事にあります。
それによってジャイロ要素の強さや、
横や下への変化を自由自在に操る事ができるのです。

明確に区別するのではなく、
「ジャイロズレ」と一括りにした方が扱いやすいかもしれません。
キャッチャーにすら教えない事というも一つ手ですね。



更に注意すべき点があります。
それはジャイロズレの横の変化量は、既知の球種よりも少ないという事です。

上で述べた通り、ジャイロ要素を強くしようとすれば横変化は小さくなり、
横変化を大きくしようとすればジャイロ要素が失われ、
既知の球種と区別できなくなってしまいます。

例えばスライダーのような大きな横滑りと、
本来のジャイロボールの特徴は同時には存在できないという事です。

45度というバランスの良い傾きも横回転とジャイロ回転の間の回転であり、
当然ながら、純粋な横回転よりは横の変化が少なくなっています。
横に大きく変化するボールを投げたいのであれば、
ジャイロ要素を消して普通にスライダーやシュートを投げた方が良いのです。



という事から踏まえると、
フォーシームジャイロを直球(ストレート)として扱っている場合、
ジャイロズレはやはりムービングファストボールのように扱う事になります。
(ムービングファストはメジャーリーグで主流の動く直球)

ジャイロズレは変化量が少ないので、
ゴロを打たせる目的で使用するのが最も適していると言えます。
通常のフォーシームジャイロに近い球速、軌道にし、
可能な限りバッターの手元で変化するようなボールにする必要があります。

(※実際はボールがバッターの手元で変化するよう見えるのは単なる錯覚であり、
ピッチャーの手から離れた時点で既にボールは曲がり始めている。
ピッチャーはボールの到達点や軌道を自在に操る事で、
バッターの手元で曲がっているように見せている。)

また、上述してきた通り、45度ずつ回転軸を傾けますから、
回転軸の傾き具合を自在に操れるようにならなければなりません。
(指先の繊細な感覚が必要なので非常に難易度が高い)

習得するのは難しいですが、習得できれば、
バッターにとって非常に打ちづらいボールになるでしょう。



最後に、キャッチャーとのサイン交換の問題がありますね。
例えばフォーシームジャイロとツーシームジャイロの2つに分け、
ピッチャー側が回転軸をズラしたボールを投げるのか。

あるいはジャイロズレ全てを「ファストボール」とするのではなく、
既知の変化球に置き換え、
ジャイロ回転とバックスピンの間のボールをカットボール、
ジャイロ回転とシュート回転の間のボールをシュート、
ジャイロ回転とスライダー回転の間のボールを横のスライダー、
ジャイロ回転とドライブ回転の間のボールを縦のカーブ、
フォーシームジャイロをストレート、
ツーシームジャイロはチェンジアップ・・・
とした方がキャッチャーにとっても分かりやすいかもしれません。
他のピッチャーと同様のサインにできますしね。

ジャイロズレは本当に種類が多いので、
ジャイロズレの球種の数を絞るという必要性も出てくるかもしれません。
その方がピッチングが組み立てやすい場合もあります。
posted by SaruyaMichael at 17:00 | TrackBack(0) | ジャイロボールの投げ方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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