フォーシームジャイロ・ツーシームジャイロの特性を活かすには?

ジャイロボールには縫い目の違いによってフォーシームジャイロとツーシームジャイロの2つの種類があります。この2つのジャイロボールには共通点と相違点があり、それぞれの特性を活かすためには工夫が必要です。この記事ではそれについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2012-11-01、更新日時:2019-03-21)

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2種類のジャイロそれぞれの特性を活かすには

これは他の記事でも説明している事ですが、フォーシームジャイロは減速が小さいため、バッターに「想像以上に手元で伸びる」という印象を与えます。逆にツーシームジャイロは減速が大きいため、「想像以上にボールが来ない」という印象を与えます。既知の球種ではバックスピンストレートとチェンジアップに近い関係です。このそれぞれの特徴を最大限活かすためには、ストレートとチェンジアップと同じように、お互いの球速ができるだけ近い事、また軌道もできるだけ近い事がまず重要になるでしょう。

それによりフォーシームジャイロの「減速が小さい」事を活かすためには、できるだけ直線的な軌道にする必要もあります。特に上投げでは角度がつくほど重力の影響を受け、落ちる変化が出てきてしまうので、それが出る前にキャッチャーミットへ到達させるような球速が必要です。球速にして最低でも150km/hは必要でしょう。また低い位置に投げる事でも落ちる変化が出てきてしまうので、フォーシームジャイロを落ちる変化球として使う場合は別として、基本的には高いコースあるいはインコースに投げる事になります。ただし回転軸をずらしてスライダーの要素を持たせたフォーシームジャイロであれば、アウトローにも効果的なボールを投げる事ができます。

一方、アンダースローでは普通に投げるだけで直線的な軌道にする事ができるので、フォーシームジャイロの落ちる変化を抑える事ができます。このため上投げよりも遅い球速でも、減速しにくい特性を大きく活かす事ができますが、最低でも球速は140km/hはあった方が良いと思います。アンダースローで140km/hの球速を出す事は難しいですが、アンダースローは元々スライダー系のボールを投げる事が難しいため、上投げと比べると球種の幅が狭いです。そのため球速はできるだけあった方が良いでしょう。

尚、フォーシームジャイロの減速が小さいという特性は、大きく減速するツーシームジャイロがあってこそ活きてくるものです。そのためツーシームジャイロの軌道もできるだけ直線的にし、球速やフォーシームジャイロに近づける必要があります。落ちる変化球として使う場合は別として、基本的にはこれはどの投法でも同じです。またツーシームジャイロは減速と重力による影響で落ちる変化が大きいため、ストライクゾーンの低め、あるいはストライクゾーンよりも低い位置に投げる必要があります。ツーシームジャイロはコントロールミスにより絶好球になるリスクが高いので、緻密なコントロールが必要でしょう。


前後・内外・高低・緩急を使った投球

ストライクゾーンは平面ではただの四角い枠ですが、実際にはホームベース上に立体的に広がっています。そうして奥行きを使うのがいわゆる「前後を使った投球」と呼ばれるものです。インコースやアウトコースだけでなく、そうしてストライクゾーンを最大限に使う事で、ジャイロボールの特性を活かす必要があります。前述のようにリリースポイントが高くなると落ちる変化が出てきます。それが出る前にキャッチャーミットへ到達させるように投げる事で、より直線的な軌道になる訳ですが、それを調節する事で、敢えて落ちる変化を出すような投げ方もできます。そうして前後を使えば、ボール半分〜ボール数個の変化をもたせる事ができます。

またストライクゾーンには内外・高低があり、それを最大限に利用した投球も必要です。ただしストライクゾーンの中だけを使うのではなく、実際にはストライクゾーンの外側も利用する必要があります。よく言われるのがインロー、インハイ、アウトローですが、その更に外側を利用する事でも、ジャイロボールの特性を活かすようにします。更に内外では例えばインステップやピッチャープレートを踏む位置を変えるなどで、敢えて体の外側からボールを投げて軌道を変えたり、高低では敢えてリリースポイントの高さを変えて投げたり、球速を遅いボールを混ぜてキャッチャーミットに到達するまでの軌道の高さを変えたり、あるいはその後に球速のあるフォーシムージャイロを投げ、できるだけ速く見せるというような事もできます。それらでもジャイロボールの特性を活かすようにします。


バッターのタイミングを外す投球

ランナーのいる場面では盗塁を抑止したり、例え打たれても、できるだけ次の次の塁あるいは本塁には進ませないために、素早い投球動作で投げるクイックモーションを利用する事があります。ルール上ではランナーのいない場面で、クイックモーションを利用しても問題ありません。また通常の投球フォームの中に、クイックモーションを混ぜるのも、ルール上問題ありません。このためクイックモーションを利用し、バッターのタイミングをズラすというような投げ方もできます。

ただしクイックモーションでは「溜め」ができないため、球速やスピン量が小さくなる可能性があります。特に無駄の大きなフォームでのクイックモーションで、無理に球速を出そうとすると怪我のリスクも高くなります、それらを改善できるようなフォームを習得する必要があるでしょう。尚、投球動作の前には一度静止しなければなりません。つまりランナーのいない場面でも常にセットポジションにする必要があり、その練習も必要になります。まぁクイックモーションは必ずしも必要なものではありません。

またランナーのいない場面では、足を上げた後に下ろして、再び上げて投球するというような投球フォームもあります。これはいわゆる「二段モーション」と呼ばれるもので、これによってバッターのタイミングをズラす事ができます。更に投球動作に入るタイミングを変えたり、投球動作の一つ一つのタイミングを変えたり、という事も一応は可能です。



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