ジャイロボールは回転軸を傾けると様々な変化球になり得る

ジャイロボールは大きく分けるとフォーシームジャイロとツーシームジャイロの2つに分類できますが、回転軸を少しだけ傾ける事で、様々な変化をもたらす事ができます。ここではそれについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2012-09-27、更新日時:2019-03-19)

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ジャイロボールの回転軸をずらすとどうなる?

ジャイロボールはその回転軸が進行方向と一致したボールの事を言います。つまりそのままではフォーシームジャイロもツーシームジャイロも「落ちる変化球」にしかなりません。ですが、この回転軸を「進行方向へ向けたまま少しだけ傾ける」事で、通常は「落ちる変化球」にしかならないジャイロボールに、縦や横など様々な変化を加える事ができるようになります。私はそうして回転軸を傾けたジャイロボールの事を「ジャイロズレ」と勝手に呼んでいます(他に何か良い名称があれば是非教えて下さい・・・)。

ジャイロボーラーはフォーシームジャイロやツーシームジャイロをマスターする事は当然として、この「ジャイロズレ」をマスターしてこそ、ジャイロボールの真価を発揮する事ができると私は考えています。


どのようにしてジャイロボールの回転軸をずらす?

では、実際に「回転軸をどのように傾けたらどう変化するか」を説明していきます。尚、ここでは便宜上、右投手の投げる「時計回りに回転しているフォーシームジャイロ(ピッチャー側から見て)」を例に挙げます。

まずフォーシームジャイロの回転軸を投手側から見て「左へ45度」傾けます。すると、バックスピンとジャイロボールの間の回転になります。私はこれを勝手に「ジャイロバックスピン」と呼んでいますが、こうする事でジャイロボールにバックスピンの要素を加える事ができます。つまりジャイロボールの要素とバックスピンの要素がちょうど半分半分になり、フォーシームジャイロの持つ初速と終速の小ささを持ちながら、バックスピンの上向きの力(揚力)が働くようになり、通常のフォーシームジャイロよりもボールが落ちなくなります。投げるのは意外と簡単で、ストレート握りを少しずらすだけです。

その逆に、今度は投手側から見て回転軸を「右へ45度」傾けてみます。すると、ジャイロ回転とトップスピン(ドライブ回転)の間の回転になります。こうする事でジャイロボールに、トップスピン(ドライブ回転)のような下向きの力が働くようになり、通常のフォーシームジャイロよりも落ちるボールになります。ただしこの回転で投げるためにはやや特殊な投げ方をする必要があり、球速を出す事が難しく、例え投げる事ができてもカーブのような山なりの軌道になります。このため相手に球種を見極められる可能性が高いので、個人的にはあまり使い物にならないと思います。

続いて、今度はフォーシームジャイロの回転軸を、投手側から見て「空(上)の方向へ45度」傾けてみます。そうする事で、ジャイロボールにシュート回転の要素を加える事ができます。つまり、右向きの力が働いて右へと変化するようになるのです。ただし、回転軸が上を向いているので、これを投げるためには上へ向かって投げないといけません。ですので、基本的にはリリースポイントの低い投法でしか投げる事ができません。尚、アンダースローの場合、ジャイロボールの持つ「重力による落下」を抑える事ができるので、浮き上がるシュートのような変化になります。特に右バッターにとっては自分に向かって浮き上がってくるように見えるはずです。

最後に、回転軸を投手側から見て「地面(下)の方向へ45度」傾けてみます。すると今度はジャイロボールにスライダーの要素を加える事ができます。つまり左向きの力が働いて左へと変化するようになる訳です。しかもこれは回転軸が下に向いているので、オーバースロー、スリークオーター、サイドスローでは、割とナチュラルに投げる事ができます。おそらく回転軸が地面と平行なフォーシームジャイロやツーシームジャイロよりも習得難易度は低いと思います。一方、回転軸が下を向いている関係で、アンダースローでは投げる事が難しくなります。


ジャイロボールの可能性は無限大

このように、回転軸を4方向へ45度傾けるだけで4種類の変化球になります。前述では紹介しませんでしたが、「ツーシームジャイロ」でも同じようにそれぞれ4方向へ傾ける事ができるので、実際には更に4種類あります。純粋な回転のフォーシームジャイロとツーシームジャイロを含めると、合計10種類の変化球になります。尚、逆回転を含めれば20種類になりますが、例えば右投手が反時計回りのジャイロボールを投げるためにはやや特殊な握りが必要で、スピン量を確保できないため、基本的には不要だと思います。

ちなみにこの記事では「45度」を例にして説明しましたが、実際には細かく角度を刻む事ができるため、10種類どころか「無限」に球種が存在する事になります。もちろん90度付近まで傾けるとジャイロボールの要素がなくなってしまうので意味はないですけどね。また回転量を敢えて落として投げるという事も可能であり、回転量を落とすような握り方をして単純に「落ちる変化球」として利用する事もできます。まぁそれなら既存のスプリットの方が良いと思うので、必ずしもジャイロボールを利用する必要があるとまでは言えませんけどね・・・



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