ジャイロボールは無限の変化球である

前回は「フォーシームジャイロとツーシームジャイロ」について書きました。

ジャイロボールは大きく分けるとこの2つに分類される訳ですが、
更に今回は「より小さく・より細かく」分けてみます。

テーマは「ジャイロボールは無限の変化球」です。 
 
 
先に説明した通り、
ジャイロボールは回転軸が進行方向と一致したボールの事を言います。
そのままではフォーシームジャイロもツーシームジャイロも、
「落ちる変化球」にしかなりません。

ですが、実はこの回転軸を「進行方向へ向けたまま少し傾ける」事で、
通常は「落ちる変化球」にしかならないジャイロボールに、
縦や横の変化を与える事ができるようになります。

私は回転軸を傾けたジャイロボールの事を「ジャイロズレ」と勝手に呼んでいます(笑)
(他に何か良い名称があれば是非教えて下さい・・・)

ジャイロボーラーはフォーシームジャイロやツーシームジャイロに加えて、
この「ジャイロズレ」をマスターしてこそ、
ジャイロボールの真価を発揮する事ができると私は考えています。



では、実際に「回転軸をどう傾けたらどう変化するか」を説明します。
(ここでは右投手が投げる「フォーシームジャイロ」を例に挙げます)

まずフォーシームジャイロの回転軸を投手側から見て「左へ45度」傾けます。
すると、バックスピンとジャイロボールの間の回転になります。
(一部では「ジャイロバックスピン」とか言うそうな)

こうする事でジャイロボールにバックスピンの要素を加える事ができます。
つまり、少し上向きのマグヌス力(揚力)が働くようになり、
通常のフォーシームジャイロよりもボールが落ちなくなります。

球速を出せるようになれば、
打者や捕手からは「浮き上がってくる」ように見えるはずです。
何故なら通常のフォーシームジャイロよりもボールが落ちないからです。
まぁ実際は浮く訳ではないですし、落ちにくいだけですが・・・。

ちなみにこの回転軸で投げようとすると握りがカットボールに近づきますが、
ジャイロボール同様の習得難易度と考えた方が良いと思います

その逆に回転軸を投手側から見て「右へ45度」傾けてみます。
すると、今度はジャイロ回転とトップスピン(ドライブ回転)の間の回転になります。
こうする事でジャイロボールに、
トップスピン(ドライブ回転)のような下向きのマグヌス力が少し働くようになり、
通常のフォーシームジャイロよりも更に落ちるボールになります。

ただし、カーブのようなリリースになるので、
球速を出すのが難しく、実際は山なりのような軌道になります。
この回転軸は現状ではどんな投法でも非常に難易度が高く、
相手に球種を見極められるリスクが大きすぎて使い物になりません。



続いて、今度はフォーシームジャイロの回転軸を、
投手側から見て「空(上)の方向へ45度」傾けてみます。
そうする事で、ジャイロボールにシュート回転の要素を加える事ができます。
つまり、右向きのマグヌス力が働いて右へ変化するのです。

ただし、回転軸が上を向いているので、
投げるためには上へ向かって投げないといけません。
ですので、リリースポイントの低い投法にしか投げる事はできません。

実際にこのボールをアンダースローで投げる事ができれば、
浮き上がるシュートのような軌道になります。
ただ実際に浮くのではなくリリースポイントの低さから、
ジャイロボールの落ちる変化を無視しているだけです。

最後に回転軸を投手側から見て「地面(下)の方向へ45度」傾けてみます。
そうすると今度はジャイロボールにスライダーの要素を加える事ができます。
つまり、左向きのマグヌス力が働いて左へ変化します。

これは回転軸が下を向いているので、
上から投げる投法の方が比較的投げやすいです。
アンダースローで投げようとすると、
逆にリリースポイントを限界まで低くする必要があります。



と、こんな感じで回転軸を4方向へ45度傾けるだけで4種類の変化球になります。
上では紹介しませんでしたが、
「ツーシームジャイロ」もそれぞれあるので更に4種類。
純粋な回転のジャイロボールを含めると、合計10種類の変化球になりますね。
(逆回転を含めれば20種類になりますがあまり意味はないですw)

ちなみに上記では「45度」傾けましたが、
角度を変更する事で加える要素を調節する事ができます。
なので、実際には七色どころか「無限」に球種が存在するのです。
(90度付近まで傾けるとジャイロボールの要素が薄くなってしまいます)

ジャイロボールがどれだけ可能性を秘めているかお分かり頂けたでしょうか?
posted by SaruyaMichael at 17:00 | TrackBack(0) | ジャイロボールとは? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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