※当記事作成日時:2013-08-07、最終更新日時:2019-09-24
この記事では運動前、運動中、運動後、起床後、就寝前などの栄養摂取の方法について簡単にまとめています。ご興味のある方は「続きを読む」よりどうぞ。
運動直前〜運動中の栄養摂取
まずは運動直前〜運動中の栄養摂取です。ハードな運動を行っている場合、運動中に起こるエネルギー切れにより、効率の良い練習及びトレーニングができなくなる事があります。そのため運動中には糖を補給する事ができる「カーボドリンク」を利用すべきです。糖の種類や運動量にもよりますが、糖の量は体重1kg当たり1g前後が目安となります(粉飴≦マルトデキストリン<クラスターデキストリン<ヴィターゴの順で糖の量を増やす事ができるが、多くて100gまでが無難。運動量が少なければ少なく調整する)。ただし浸透圧の関係で、糖は水に対して4〜5%程度の濃度になると良いと言われているので、例えば1000mlに対して50g以上の糖を溶かす場合、水の量を少し増やすと良いでしょう。BCAAなど他も利用する場合、人によっては1500mlや2000mlになる場合もあります。
また筋肉に大きなストレスがかかると、運動中からも筋肉の酸化・分解が起こると言われています。それを最小限に抑えるため、カーボドリンクにはアミノ酸の一種である「BCAA」も混ぜる事をオススメします。BCAAの量は1回5〜10g程度です。EAAをBCAAの代わりに利用する事もできます。その場合、1回の量は15〜20g程度が目安になります。この他、人によってはクレアチンを1〜2g混ぜたり、クエン酸を1g混ぜたり、HMBを1〜2g混ぜたり、ビタミンCを1g混ぜる場合もあります。EAAやBCAA以外に関しては人それぞれであり、お好みで問題ありませんが、それだけ増えると水の量も増える事になります。ちなみにカーボドリンクは試合中にも利用できます。
運動直後及び運動後20〜30分後の栄養摂取
続いて運動後の栄養摂取です。「運動直後」は胃腸への負担を考え、プロテインを飲むのは避けます。これは血流が筋肉に集中しており、その状態では胃腸に負担がかかるためです。プロテインをいきなり飲むのではなく、まず運動直後はグルタミン、アルギニン、クレアチン、HMBなどを飲み、プロテインを飲むまでの時間稼ぎをすると良いでしょう。グルタミンは1回5〜10g程度、アルギニンは1回5g程度、クレアチンは1回1〜2g程度、HMBは1〜2gが目安です。この中では特にグルタミンが重要と思われます。
そして運動後、20〜30分後に少量の糖と一緒にプロテインを飲みます。プロテインは1回20〜40g程度が目安、糖の量はそのプロテインと同程度で問題ありません。ただし運動中にカーボドリンクを利用していたり、運動後に昼食や夕食を取る事ができ、そこで糖を摂取できる場合、プロテインと一緒に飲む時の糖はなくても構いません。
運動を行う30分〜2時間前の栄養摂取
続いて運動前の栄養摂取です。ここで言う「運動前」とは、運動を行う「直前」ではなく、運動を行う30分〜1時間前の事です。ここではやや吸収が緩やかな栄養素を補給するようにします。例えばアルギニンやクレアチンなどです。アルギニンは1回5g程度、クレアチンは1〜2g程度です。このタイミングでは吸収の速いプロテインを飲む事もできます。
また同じタイミングでは必要に応じ、ビタミンやミネラル(β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛など)、更には脂肪(ω-3脂肪酸、共役リノール酸、MCTオイルなど。特に脂溶性ビタミンを摂取する場合)を補給する事もできます。一方、このタイミングでの栄養摂取は、朝食や昼食を行っている場合、必ずしも必要という訳ではありません。特に運動前の糖の大量摂取は運動中に血糖値の不安定を招くため控えましょう。
続いて運動の2時間ぐらい前、すなわち前述の運動前よりも更に前のタイミングでの栄養摂取です。これは朝食、昼食、及び昼食と夕食の間に行う間食など、特に食事の後に運動を行う場合の話で、この時の栄養摂取の仕方によってもパフォーマンスは変わってきます。このタイミングであらかじめ栄養を摂取しておけば、それを運動に活かす事ができます。各種ビタミンやミネラル、糖、蛋白質、必須脂肪酸、水分を補給しておきましょう。糖もこのタイミングでの摂取なら、運動中の血糖値に影響しにくいです。30分〜1時間前には何も口にせず、2時間以上前にガッツリと食べるという事も考えられるでしょう。
起床後や就寝前の栄養摂取
最後に起床後や就寝前の栄養摂取です。特に睡眠中は栄養摂取ができないため、筋肉量が多かったり、運動量が多い人ほど、筋肉の必要以上の酸化・分解が起こりやすいと言われています。そのため起きた後や寝る前の栄養摂取も重要です。摂取するのはBCAA、グルタミン、アルギニン、クレアチン、各種ビタミン・ミネラルなどが候補です。オススメは寝る前にグルタミン、クレアチン、アルギニン、起床直後の空腹時にBCAA、クレアチン、グルタミンを摂取する事です。クレアチンは1回1〜2g、アルギニンはこのタイミングでは1回1〜3g、BCAAとグルタミンは共に1回5gが目安です。運動前後と比べると少なくて問題ありません。またアミノ酸を摂取する場合、少量の糖と一緒に摂取するとより良いでしょう。ただし睡眠中の血糖値の乱高下を避けるため、寝る前の糖はなくても良いと思います。
★オススメの摂取方法まとめ
●起床直後:朝食前にグルタミン5g、HMB1g、クレアチン1g(+クエン酸と重曹)、チロシン1〜2gなどを摂取。これはお好みで。
●運動を行う2時間以上前:朝食、昼食、間食を取る。蛋白質はプロテインで補給、各種ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸・糖なども一緒に摂取しておく。ガッツリ食べても問題ない。サプリメントはビタミンB群50mg、脂溶性ビタミンC500mg。その他のビタミン・ミネラルなど。その辺はお好みで。
●運動を行う1時間程度前:アルギニン5gまたはコラーゲン10g、クレアチン1g(+クエン酸と重曹)、ビタミンC1g、各種ミネラルなどを摂取。カフェインやMCTオイルなどその他はお好みで。
●運動を行う30分前〜:カーボドリンクを少しずつ飲み始める。BCAA10gまたはEAA20g、HMB1g、クレアチン1g(+クエン酸と重曹)、糖は体重1kg当たり1g程度、運動量によって調節する。ただし血糖値が上昇してしまうため大量には口にしない。尚、水の量は糖の量×25mlぐらい。水溶性ビタミン、各種ミネラル等はお好みで。
●運動直前〜運動中:カーボドリンクを飲み続ける。運動を終えるまでに飲み切るため、1回に口にする量を調節する。運動を行うトータルの時間は2時間以内。短時間で効率良く鍛える。
●運動直後:グルタミン10g、クレアチン1g(+クエン酸と重曹)、HMB1g、ビタミンC1gなどを摂取。
●運動後20〜30分以内:糖30〜40g、プロテイン20〜40g、アルギニン5gまたはコラーゲン10gなどを摂取。すぐに食事ができる場合、糖やプロテインの量は調節するか、なくても良い。摂取しない場合、運動直後のグルタミンで時間を稼ぐ。
●運動後〜2時間程度:昼食、夕食、間食を取る。各種ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸・糖・蛋白質などを摂取する。ガッツリ食べる。夕食の場合、サプリメントとしてビタミンB群50mg、脂溶性ビタミンC500mg、マルチビタミン・ミネラルなど。その辺はお好みで。
●運動後の間食〜昼食までの間、または間食〜夕食までの間:運動後に間食を取ってそこでガッツリ食べた場合、次の食事までの間隔は少し空ける必要がある。この場合、ちょうど中間の時間にクレアチン1g(+クエン酸と重曹)、HMB1g、プロテイン20〜40g、糖20〜40g、ビタミンC1gなどを補給する。ただし必ずしも必要という訳ではない。よっぽど筋肉量や運動量が多い人に限られる。
●就寝30分〜1時間前:アルギニン5gまたはコラーゲン10g、グルタミン5g、HMB1g、クレアチン1g(+クエン酸と重曹)などを摂取。これはお好みで。また寝る直前での摂取は避ける。